「ジェンダーとイラスト」関係ニュース、いろいろ(追記あり)

【追記】
 拙記事が福祉とか保険とかの関係の本やパンフレットには、このような古典的な男性・女性の姿が出てくる(若干は、進歩も見られる?) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で紹介いただきました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】

 福祉とか保険とかの関係の本やパンフレットには、このような古典的な男性・女性の姿が出てくる(若干は、進歩も見られる?) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)を読んでいて思いついた記事です。

母ちゃんはエプロン姿じゃなくていい!新聞の4コマ漫画家が「ジェンダー」をアップデートした - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト(大城周子)2021年3月9日
 琉球新報に2004年から連載中の4コマ漫画「がじゅまるファミリー」。10歳のうーまくー(わんぱく)少年マンタを中心に、3世代8人家族が繰り広げる日常をハートウォーミングに描くこの漫画に、ちょっとした変化が起きている。
 エプロンとスカート姿が定番だった母親の「てぃだ子」がズボンをはいていたり、料理や洗濯といった家事のシーンに男性陣がごく普通に登場したりするようになった。
 作者のももココロさん(53)は社会の変化に合わせて「漫画もアップデートしていきたい」と理由を語る。
 きっかけは、琉球新報が今年取り組んでいる「『女性力』の現実」キャンペーン報道だという。政治や行政分野で「女性の力」を発揮する環境が整わない現状を取材し、女性が直面する「壁」を検証してきた。
 一連の報道に触れ、ももさんは単行本など自分の過去の作品を読み返した。母親のてぃだ子はスカート姿が多く、家の中ではエプロンを着けて家事もほぼ一人でこなしている。
 ももさんは「お母さんはこういうものというイメージや、固定された男女の役割が無意識に自分の中にあった」と気づいた。

女性パイロット、男性保育士... 性別の「役割分担意識」解消へ。内閣府がフリーイラストを配布 | ハフポスト2021年05月10日
 「パイロットは男性、保育士は女性」などといった、性別によって役割を規定する固定観念の解消につなげようと、内閣府男女共同参画局が様々な職業や生活シーンの男女別フリーイラストの配布を始めた。
 内閣府男女共同参画局の広報担当者はハフポスト日本版の取材に対し、製作のきっかけについて「官民を問わず資料などで使われるイラストには、性別による固定的な役割分担に囚われたものがあった」と説明。

 容易に想像がつきますがもちろん「女性のズボン(パンツ)姿」が多数出てくるようです。

パイロットや科学者は男性の仕事?保育士は女性の仕事?いえ、違います。政府が無料イラスト素材を配布するワケ(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース2021年05月14日
 無料のイラスト素材の配布をしているのは、内閣府男女共同参画局
 男女共同参画局はイラスト配布の理由を「性別による固定的役割分担や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の解消の一助とするため」と説明しています。
 男女共同参画局の担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、このように話しました。
「私たちも、生きてきた中で(メディアなどで)目にしてきたものにより、無意識のうちにアンコンシャス・バイアスが醸成されてしまっていることがあると思います」
「ニュースなどで『土木技術者』『トラック運転手』などと聞くと、性別を決めつけて想像したりすることもあるかもしれません。子どもの頃から、男女両方の職業のイラストに触れていくことで、そのような無意識の偏見が解消していければと思います」
 また、学校教育で取り入れていくことにより「ひいては将来になりたい職業にもつながるかもしれない」と担当者は話しました。
 「例えば、小学校の卒業アルバムで書く『将来の夢』などでも、男の子でパイロットになりたいという児童はいても、女の子では現在はあまりいないかもしれません。それは、小学校6年生までに性別による固定的役割分担の意識が出来あがってしまっているからです」
 化学メーカーの「クラレ」が、2021年4月に小学校に入学する子ども4000人に将来の夢を聞いたところ(調査期間:2020年7月~2021年1月)、男女で大きく違う結果が出ました(ボーガス注:これについては例えば小学生が就きたい職業ランキング、20年以上不動の人気だった「スポーツ選手」を抜いた、男子1位の職業は?(Suits-woman.jp) - Yahoo!ニュース(2021.4.3)参照)。
 女の子は、1位「ケーキ屋・パン屋」、2位「芸能人・歌手・モデル」、3位「看護師」、4位「花屋」、5位「アイスクリーム屋」。
 男の子は、1位「警察官」、2位「スポーツ選手」、3位「消防・レスキュー隊」、4位「運転士・運転手」、5位「TV・アニメキャラクター」でした。
「これまでは男性が就くことが多かった職業でも、いま小学生くらいの子どもが20代になる頃には、もっと女性が増えていると思います。イラストにより、アンコンシャス・バイアスの解消につながればと思います」(担当者)

教科書の登場人物、性差別では? 出版社が多様性を模索:朝日新聞デジタル(キアラ・セベルニーニ記者、イタリア『コリエレ・デラ・セラ』からの転載)2021年6月20日
 台所に立つお母さん、仕事に出ているお父さん。だらしないけどとても勇敢な男の子、恥ずかしがり屋できちんとした女の子。天文学者や弁護士、郵便局員、料理人などどんな仕事にも就ける男性。専業主婦や母親、まれに学校の先生や美容師もいる女性。
 これらは1950年代を思わせる単なる固定観念だろうか。数年前までイタリアのほとんどの小学校の教科書でこうした表現を見かけることは珍しくなかった。今でも昔ながらの教科書をめくると、まるでタイムスリップしたような気分になる。
 近年になってようやく、出版社は違う方向性を打ち出した。「今ではジェンダーの観点を考えずに教科書をまとめることはできない。人々がこの変化を真剣に受け止めているのは良いことだ」とフィレンツェ大学のイレーネ・ビエンミ講師(ジェンダー教育)は言う。彼女はこれまで4年間、リッツォーリ社とエリクソン社というイタリアの出版2社が共同で行うプロジェクトの顧問を務めてきた。そこでは男女を平等に表現した教科書を執筆、作成するための内部規定を採用している。ビエンミ氏に聞いた。
◆インタビュアー
 性差別的な教科書についての著書の中で、1997~2002年に出版された小学校の教科書を研究されています。どんなことがわかりましたか。
◆ビエンミ氏
 教科書にはステレオタイプがあふれています。働く女性はほとんど見かけません。女の子はみな恥ずかしがり屋できちんとしていて優秀な児童ですが、男の子は勇ましくて活動的で、ときに少し攻撃的です。はるか昔の時代のモチーフを見ているかのようです。
(中略)
◆インタビュアー
 あなたの仕事は加えるよりも、取り除くことの方が多いのですか。
◆ビエンミ氏
 いいえ、固定観念を取り除くだけでは十分ではありません。新しい視点、いわゆる「カウンターナラティブ(もう一つの物語)」を提示することが目的です。しかし、それをどう使うかが重要です。私にとって最良の教科書とは、すべての母親が宇宙飛行士で、すべての父親が台所で忙しく夕食を作っているようなものではありません。また、男の子が恥ずかしがり屋で、すべての女の子は(フェミニストの象徴である)(ボーガス注:アストリッド・リンドグレーンの)「長くつ下のピッピ*1」のようである必要もありません。
 最良の教科書とは現実を多面的に表現できるものです。
 私たちの世界には、科学者や弁護士、郵便局員として働くお母さんがたくさんいます。同じように、情にもろい男の子も活発な女の子もいます。そうした人たちにも光を当ててみませんか。

【参考:アストリッド・リンドグレーン

不倫・未婚の母の壮絶な人生『長くつ下のピッピ』原作者の実話がスウェーデンで映画化(鐙麻樹) - 個人 - Yahoo!ニュース2019.6.15
 スウェーデンデンマーク共同製作、デンマーク人監督Pernille Fischer Christensen氏による本作『BECOMING ASTRID』(原題:UNGA ASTRID)です。
 『長くつ下のピッピ』、『やかまし村の子どもたち*2』、『ちいさいロッタちゃん*3』、『山賊のむすめローニャ*4』などの生みの親である原作者、スウェーデン人女性のアストリッド・リンドグレーンさんの実話を基にしたものです。
 彼女が童話を描く過程を描いたものではなく 、もっと以前の話、10代のリンドグレーンさんがシングルマザーとして自立しようと必死に生きるストーリーです。

感動の話題作『リンドグレーン』11月3日(火・祝)DVD発売! | LifTe 北欧の暮らし2020.11.3
 「長くつ下のピッピ」「ちいさいロッタちゃん」「やかまし村の子供たち」「名探偵カッレくん*5」を創り出した、スウェーデンを代表する児童文学作家のアストリッド・リンドグレーン
 彼女の人生で最も激動といえる若かりし日々を描いた映画『リンドグレーン』は、昨年末に公開され口コミが広がり大ヒットを記録しました。
 そして、11月3日(火・祝)にいよいよDVDで発売となります!