今日の産経ニュース(2021年7月7、8日分)

希少がん克服、聖火つなぐ 埼玉の渡辺由香さん - 産経ニュース
 こういうお涙頂戴で聖火リレーを正当化しようとするのはうんざりですね。


【産経抄】7月8日 - 産経ニュース

 1975(昭和50)年3月末、南ベトナムの首都サイゴンでの出来事である。
 「私の夫になってくれませんか」。
 当時毎日新聞の記者*1だった古森義久さんは、顔見知りのベトナム女性から頼まれてびっくりする。
北ベトナム軍による〝解放〟が目前に迫っていた。形式だけでも外国人と結婚していれば出国許可が得られるとあって女性は必死だった。

 で、「引用は省略します」が、この書き出しで落ちが何かというと「アフガンからの米軍撤退」です。
 7/7(水)のTBSラジオ森本毅郎スタンバイ」の「話題のアンテナ・日本全国8時です」で水曜コメンテーターの伊藤芳明氏(毎日新聞カイロ支局特派員、ジュネーブ支局特派員、96年ワシントン特派員などを経て、特別論説顧問。国際問題が専門)もコメントしていましたが「タリバンが勢力を広げる中」、ベトナム戦争での、北ベトナム侵攻による南ベトナム首都・サイゴン(現在はホーチミンに改名)陥落のような事態(タリバンによる首都カブール陥落)が起きたあげく「アフガン政府、米軍への協力者」に「タリバンが報復すること」を「協力者たち」が危惧し、おびえてる(そして、米国に亡命受け入れを求めてる)という話です。何せベトナムでは実際に「協力者を見捨てた」という前科がありますし。
 米国では「撤退ペースを当初予定より遅らせるべきだ」という声も出ているらしい。
 しかしこうなるとまさにアフガンは米国にとって「第二のベトナム」ではないか。

参考

アフガン人通訳、国外避難へ タリバーン危害懸念、米軍撤退前に:朝日新聞デジタル
 アフガニスタンで米軍の通訳として働いた現地の協力者らについて、米国務省は24日、米軍撤退を前に国外に避難させる方針を明らかにした。通訳らは米国に協力したことから反政府組織タリバーンに危害を加えられることが懸念されている。米国ビザの発給には時間がかかるため、いったん第三国で待機させる見通しだ。

米軍アフガン撤退、8月中に タリバン攻勢強める 政府崩壊、協力者迫害懸念も|【西日本新聞me】
 米国のサキ大統領報道官は2日、アフガニスタンからの米軍の撤退について、9月11日としていた当初の予定を早めて8月末までに完了させる見通しを明らかにした。
 米軍が撤退を開始した4月下旬以降、タリバンは各地で勢力を拡大しており、全土の半分以上を支配下に置いているとみられる。米紙ウォールストリート・ジャーナルやワシントン・ポストは米情報機関の分析として、米軍撤退後の半年から1年以内に、アフガン政府が崩壊する恐れがあると指摘している。
 撤退が早まったことで新たに浮上しているのが、米軍の通訳や運転手として働いてきた現地協力者の安全確保の問題。米軍撤退後にタリバンから迫害される恐れがあるためだ。
 バイデン氏は「協力者を置き去りにしない」と明言。アフガン人に特別移民査証(ビザ)を発給し、家族と共に米国に受け入れる方針だが、事務手続きが間に合わず多数が取り残されるとの見方も出ている。ベトナム戦争ではサイゴン(現ホーチミン)陥落後に多くの米軍協力者が処刑されており、米軍や議会関係者からは同様の事態を心配する声が上がっている。

米軍撤退進むアフガン 国外目指す市民も(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース
 駐留するアメリカ軍が完全に撤退するのを前に、アフガニスタンでは市民の国外に逃れようとする動きが目立っています。
 首都・カブールにある建物の前に詰めかけた多くの人々。待っているのはパスポートの申請です。アフガニスタンに駐留するアメリカ軍が9月11日までの完全撤退に向け作業を進めるなか、撤退後の治安悪化を恐れる多くの市民が国外に逃れようとパスポートを求めているのです。
 「反政府武装勢力タリバンが再び勢力を拡大させるのではと恐れていて、事態が悪化する前に国を出たいです」(学生)
 AP通信によりますと、アメリカ軍の撤退が決まって以降、在カブール・トルコ大使館に数千人のビザ申請者が殺到しているほか、他の国の大使館へのビザ申請も急増。一方で、パスポートやビザを申請する資金がない人もいて、違法に国境を越えヨーロッパを目指す人もいるということです。

 

<独自>東京に緊急事態宣言発令 政府調整 - 産経ニュース
 菅政権への皮肉、嫌みで「五輪開催期間が、緊急事態宣言発令中でも、無観客でやるのではないか」と言われてはいましたがまさか本当にそうなる可能性があるとはね(呆)。そんなんで五輪をやっていいのかという話です。


野田聖子氏 遠のく女性初首相 地元混乱、盟友去り - 産経ニュース
 郵政相(小渕内閣)、消費者問題等担当相(福田、麻生内閣)、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、総務相(第四次安倍内閣)を歴任し、当選回数も多い*2が故に、自民党において「女性首相に最も近い人間」と評価されてるとはいえ、正直

石破茂
 石破派ボス。小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任
石原伸晃
 石原派ボス。小泉内閣国交相自民党政調会長、幹事長、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任
加藤勝信
 第三次安倍内閣一億総活躍等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣厚労相などを経て現在、菅内閣官房長官
岸田文雄
 岸田派ボス。第二次、第三次安倍内閣外相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

などといった男性幹部政治家を破って「派閥ボスでもない」野田が首相になれると思ってる人間はまずいないでしょう。「遠のく」以前の話です。もちろんこれは「野田の能力」云々ではない。自民党は女性首相を担ぐような政党ではないという話です。
 なお、
(1) 女性の大臣 | 内閣府男女共同参画局(平成13年4月まで)、女性政治家 - Wikipediaで、過去の女性大臣が解りますが、その中での大物と言えば

◆海部内閣環境庁長官官房長官、宮沢内閣文相、小泉内閣法相を歴任した森山真弓
◆村山内閣科学技術庁長官、小泉内閣外相、野田内閣文科相を歴任した田中真紀子
小泉内閣環境相、外相を歴任した川口順子氏
(いずれも既に政界引退)

あたりになるんですかね。「大臣を複数回経験してる女性政治家」自体が少ないですからね。なお、この三人は、「森山氏=元労働省キャリア官僚。夫・森山欽司*3の地盤を引き継いだ」「田中氏=田中*4元首相の娘」「川口氏=元通産官僚」ということで「女性の議員就任が難しいこと」をまさに象徴している気がします。


自民・中谷氏「『小池新党』との保守合同を」 - 産経ニュース
 馬鹿馬鹿しいですね。そもそも小池*5が「国政進出する」などとは一言も言ってないのに。
 というか、政策そっちのけで「小池人気に乗っかろう(都議選での都民ファ議席減を考えれば、そんなものが「東京限定ですら」どれほど評価できるか疑問ですが)」などとはおよそ政治家として信念がなさすぎます。まあ「希望の党失敗」のトラウマがある小池が国政進出するとはとても思えませんが。ましてや「都議選で8議席増にとどまった自民」と手を組んで小池に何の利益があるのか。
 大体こんなことを言えば小池に足下を見られるだけでしょうに。

*1:後に産経に移籍

*2:この点、安倍に重用されたことで、稲田は「行革相(第二次安倍内閣)」「自民党政調会長」「防衛相(第三次安倍内閣)」と要職を歴任してますが、当選回数が少ない上に「安倍にしか重用されてない」という弱点があります。さらなる出世を目指そうと稲田が「右翼色脱却」を目指すのも「ある意味、自然」ではあります。

*3:田中内閣科学技術庁長官、大平内閣運輸相など歴任

*4:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)などを経て都知事