今日の中国ニュース(2021年8月2日分)

【浪速風】愚かしい少子化対策 - 産経ニュース

 そのニュースを読んだとき、ばかばかしくて笑い、やがて背筋が寒くなった。中国が、学習塾の新設を認めず、既存の塾は非営利団体にするというニュースである。国民から塾経営の自由を奪うのは、少子化対策だという。出生率が上がらないのは子供に教育費がかかるため。ならば、その支出先を無くしてしまえという発想だ
▼今回の政策では、小中学生への宿題量も規制した。小学3~6年には(ボーガス注:1日あたり?)1時間、中学生には1時間半を超える量は出さず、夏休み授業も禁止した。

 中国政府の「塾や宿題への規制」は「政策としての是非」はともかくそれは果たして、産経の言う「少子化対策」なのか。そうではなく「行き過ぎた受験競争を是正しよう」という「日本のゆとり教育」的な物ではないか?、と疑問を感じます(「ゆとり教育」について産経は否定的でしたが)。仮に中国政府が「教育費負担が減って少子化是正にもつながる」と言っていたとしても「少子化是正はこの政策の本筋ではない」でしょう。
 たとえば中国政府、少子化対策で「宿題禁止令」。幼稚園で円周率100ケタ暗記、重い負担が社会問題に | Business Insider Japan*1が紹介する「幼稚園で円周率100桁暗記(さすがにこれは中国においても、かなり異常な事例でしょうが)」なんてどう考えても異常でしょう。
 産経の記事をパロれば

 そのニュースを読んだとき、ばかばかしくて笑った(背筋は寒くならなかった)。
 中国の塾、宿題規制を少子化対策と決めつける産経の記事である。

と言うのが俺の感想です(とはいえこうした少子化対策云々という記事は、産経の他にも学習塾の設立を規制した中国、小中学校の宿題量も制限…狙いは「少子化対策」 : 国際 : ニュース : 読売新聞オンラインがありますが)。
 なお、「塾規制」はともかく「宿題規制それ自体」は「むしろ良いこと」ではないか。小、中学生が毎日「大量の宿題」をやることがいいことだとは俺個人は思いません。

▼中国は大国だが、自然科学分野のノーベル賞受賞者は1人しかいない。この科学の基礎力不足を直視すれば、今回の政策の愚かしさに気づくはずだが、一党独裁の指導者たちは目先のことしか考えない。

 「はあ?」ですね。例えば、有名な「千人計画 - Wikipedia」一つとっても中国が「科学技術力」を重視してることは明白でしょう。
 日本のいわゆる「ゆとり教育」にしても「行き過ぎた受験教育の是正」が目的であって「少なくとも、政策立案者(寺脇研 - Wikipedia氏など)の主観的には」科学軽視ではない。
 「ノーベル受賞者は一人しかいない」て「日本など複数いる国がすごい(これについては日本人のノーベル賞受賞者 - Wikipedia参照)」のであって、「一人もいない国の方が多い」でしょう。「一人(2015年ノーベル生理学・医学賞受賞の屠呦呦 - Wikipedia氏)だけでもいる」中国は「十分すごい」。
 そして「ノーベル賞受賞者が複数いる日本」にしても最初の受賞者は「1949年」であり、1901年のノーベル賞設立後、すぐに受賞できたわけでもない。やはり受賞者が多いのは「英米仏独」などといった「欧米の大国」が多いわけです。


【アジア見聞録】共産党100年で記念硬貨 スリランカの中国傾斜の陰に大統領一族 - 産経ニュース
 馬鹿馬鹿しくて吹き出しました。スリランカからすれば『中国企業スリランカ進出が国益になると思うからそうしてる。産経新聞のくだらない反中国に付き合うつもりはない』で終わる話でしょう。


中国、スリランカ「支配」を強化 高速道18年間保有へ: 日本経済新聞
 「経済新聞なのに反中国かよ」と絶句です。
 確かに

 競争入札の過程が不透明で、親中とされるラジャパクサ政権の意向が働いた可能性もある。

という指摘が事実なら、つまり金環蝕 (石川達三の小説) - Wikipedia(池田首相と鹿島建設九頭竜川ダム疑惑がモデル)のような「贈収賄の疑いがある」のなら批判されても当然ですが

 中国が主導するインフラ整備計画を巡り、同国によるスリランカの「支配」が強まってきた。

という書きぶりは明らかに「反中国」でしょう。単に「汚職の疑い」で批判してるようにはとても見えない。

*1:タイトルには「少子化対策」と書いてありますが、一方で「幼稚園で円周率100桁暗記」とも書いてあり、中国の受験教育が異常な物であり、その是正がこの政策の本筋だろうと本文には書いてあります。