「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年8/3分:荒木和博の巻)

北朝鮮の日本時代のインフラについて(R3.8.4): 荒木和博BLOG
 5分51秒の動画です。荒木が「どんな日本インフラ(鉄道、ダムなど)について話してるのか。名前をメモして後でググってみよう。ウィキペディアの項目ぐらいは紹介しておくか」とは思いますが、それ以上の感想はないですね。
 というのは当たり前ですが「戦前日本が北朝鮮に作ったインフラ」なんて「拉致の解決には何一つ関係ないから」です。
 かつ荒木が何言うかと言えば「日本の植民地支配のおかげで韓国は発展した(植民地支配美化)」「日本時代はそれなりにインフラが充実していたのに、北朝鮮はそれを生かせなかった*1北朝鮮への悪口雑言)」ですからねえ。まあ視聴前から予想の範囲内ですが「全然拉致の解決と関係ない」。
 で名前が出てきたのは今も「現役の水力発電所として稼働している」とされる水豊ダム - Wikipedia「だけ」でした。
 さて荒木によると、月刊正論(扶桑社)に連載していた荒木の小説『寒い国から来た工作員(スパイ)』が単行本になったそうですが「オンデマンド出版(購入希望があったときだけ、購入希望者相手にピンポイントで刊行)」。
 つまり『一般向けに市販できるレベルじゃない』『自費出版レベル』と扶桑社にすら認識されてるわけで、まあ、哀れですね。お付き合いで買ってくれるウヨ仲間はいても、一般人で荒木本なんか買う人間はまずいないでしょう。

【参考:オンデマンド出版】

1冊からOK、オンデマンド出版広がる 絶版本も: 日本経済新聞2017.10.30
 本の注文を1冊から受け付ける「プリント・オン・デマンド(POD)」の活用が広がっている。
 通常の印刷は数千部や数百部から対応するが、PODは1冊でも請け負う。型版を使わず、デジタルデータから必要な時に必要な部数だけ印刷できる。たまにしか売れないが一定の需要はある「ロングテール商品」の提供に適している。
 出版社は在庫リスクや保管費用を減らせるほか、絶版となった本もPOD向けのデータさえあれば販売できる。

【参考終わり】


南北通信回線の復旧について(R3.8.3): 荒木和博BLOG
 5分47秒の動画です。「南北関係改善の方向」は拉致問題と直接の関係はない。「ない」のですが「南北関係が緩和すれば」1)北朝鮮が日朝対話に応じる意欲を強めるかもしれない、2)北朝鮮と関係改善した韓国を日朝交渉のパイプに使えるかもしれない*2という意味では「南北関係改善」は拉致解決にとって少なくとも「悪いことではない」。
 ということで荒木と違うまともな論者、例えば和田春樹氏や田中均氏が話し手なら視聴意欲もわきますが、金大中盧武鉉時代から「太陽政策」を敵視していた荒木が「南北関係改善の方向」を喜ぶわけもない。
 つまりは以下のような悪口を言うこと「しか」想像できないわけです。まあ、視聴したところ、実際、予想通りなんですが。ということで視聴する必要は全くありません。以下のような「悪口」が話されたと理解すればよろしい。
【悪口1】金大中金正日政権時代に南北会談(これによって金大中氏はノーベル平和賞を受賞)があっても、今の南北関係は必ずしも良くない。だからこんな回線復旧には意味はない!
【悪口2】文在寅政権は在韓米軍の縛りがある以上、北朝鮮に対してあまりへいこらできない。だからこんな(以下略)
【悪口3】今、文在寅政権は「コロナ感染の再拡大」などで支持率が必ずしも高くない。今後、大統領選挙*3や国会議員選挙で野党に敗北する恐れがある。だから選挙目当てに支持率アップ狙いで「こうした復旧をやった」。衆院選前に五輪を強行*4した菅政権のようなものだ。
 最終的には「金大中金正日会談」「トランプ、金正恩会談」「安倍政権下でのプーチン訪日(北方領土が返ってくるかのようなイメージ作り*5)」のような「文在寅金正恩会談」を仕掛けて、支持率アップを狙う腹だ。
【悪口4】北朝鮮がこうした態度をとってるのはコロナで経済ががたついてるからだ、といういつもの「北朝鮮崩壊するする詐欺」。
 なお、この動画によればあの「増元照明(現在、特定失踪者問題調査会副代表、元家族会事務局長)」が8月10日に日朝国交正常化問題で「その後」を考える集い開催【調査会NEWS3476】(R3.8.1) : 荒木和博BLOGに出席するそうです。「次世代の党からの選挙出馬」から増元も「右翼性を公然と露呈すること」に全く躊躇しなくなりましたが、「また右翼言動」です。
 それにしても今や「家族会の役職には就かず」、特定失踪者問題調査会副代表。おそらく「救う会言いなりの家族会」においてすら「次世代の党から出馬した増元の極右言動」は敬遠され、浮いてるのでしょう。だから「特定失踪者家族」でもないのに「特定失踪者問題調査会副代表」などやる。増元は今「次世代の党からの出馬強行」のために「家族会事務局長を辞めたこと*6」を深く後悔してるのではないか。

*1:なお、荒木は「戦後、何もインフラを北朝鮮がつくらなかった」ような無茶苦茶なことを言っていますが、ソ連や中国が支援していたわけで、さすがにそれはないでしょう。

*2:実際、小泉訪朝においてそうした「事実があること」については例えば米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が紹介する『林東源の話』を参照下さい。とはいえ、今の「ホワイト国除外」などで険悪な日韓関係ではとても無理でしょうが。韓国がそんなことをしたがるわけがないし、仮に韓国が日本のために動いたところで「ホワイト国除外やフッ化水素水禁輸なんかされて日本政府(菅政権)に敵視されてるあんたらが、我々北朝鮮政府のために日本政府に何か働きかけたところで日本政府が従うのか?」という冷たい反応しか北朝鮮からは出てこないでしょう。

*3:なお、韓国は「1期5年、再選不可」なので次期大統領選挙に文在寅氏は立候補できません。

*4:但し、コロナ感染再拡大で、菅の思惑は外れてると思いますが。

*5:ただし、その成果は率直にいって「島返還」はもちろん「島返還のムード作りによる支持率アップ」の効果もなかったわけですが。何せ世論調査によれば自民党支持層ですら「過半数以上」が「プーチン訪日で島が返還されるとは思わない」でしたし。

*6:おそらく家族会は増元の出馬に否定的だったのでしょう