体操女王は悲劇の民族出身だった - 高世仁の「諸悪莫作」日記
体操女子個人総合で優勝した米国代表のスニーサ・リー選手(18)。
彼女、中国南部*1やベトナム、ラオスに暮らす少数民族「モン族(Hmong)」にルーツを持つ人だった。
モン族といえば、インドシナ戦争で、フランス、ついで米国が主にラオスでの戦いに利用し、精強な武装ゲリラとして投入した。これは「ラオス秘密戦争」と呼ばれ、CIAが指揮を執った。バンパオ将軍という有名なリーダーのもと、ラオスの共産勢力(パテトラオ)を苦しめた。
75年、ベトナム戦争が終わると、ラオスやベトナムの政府軍による掃討作戦で追いつめられ、数十万のモン族がラオスから脱出した。
リー選手の祖父も米軍に協力、ラオスで社会主義政権が発足すると迫害を恐れて米国に移住したという。
現在、モン族は米国だけでカリフォルニア州やミネソタ州、ウィスコンシン州を中心に30万人超が暮らすという。
半世紀におよぶ知られざる苦難の歴史を生き抜いてきたモン族には、彼女の優勝が大きな勇気づけになったことだろう。
「朝鮮学校無償化除外」という「在日差別に加担」し、「河野談話否定論」という韓国誹謗のデマを放言する「救う会の連中(西岡会長、島田副会長など)」とズブズブだった野郎「高世」が「外国人(今回はモン族)に優しい俺」アピールですか?(呆)。「黙れ、カス野郎」と言いたい。
それにしても「中国のウイグル問題、チベット問題」では散々「共産国」中国に悪口する野郎が、「モン族を迫害している疑い」がある「共産国」ラオスには「迫害の疑い」に触れはする物の、「中国と比べ」随分と甘いことです。ろくにラオス政府非難もしない。
なお、ラオスってあまり日本では話題にならないなあと思いました。
ウヨ連中が敵視する共産国は専ら中国、北朝鮮ですからねえ。「ラオス共産政権打倒!(日本ウヨ)」なんて主張を聞くことはあまりない。
日本が太平洋戦争で駐留した「フランス領インドシナ」は「今のベトナム、カンボジア、ラオス」ですが、まあ「ホーチミンのベトナム」は別格としても「ラオスに駐留した」つうイメージないですよね。
「中国の毛沢東(共産党主席)」「北朝鮮の金日成(国家主席)」「インドのネール(初代首相)」「インドネシアのスカルノ(初代大統領)」「ベトナムのホーチミン(初代国家主席)」「ミャンマーのアウンサン」等、他の「日本が侵略したアジアの国」と違って「日本人が知ってるラオスの有名政治家(特にホーチミンのような革命第一世代のビッグネーム)」つうのもちょっと思い浮かばない。
ググったら、例えば
【右派】
◆サワーンワッタナー - Wikipedia
1907~1978年。最後のラオス国王(在位:1959~1975年)。
◆ブン・ウム - Wikipedia
1911~1980年。ラオス王国首相(1948~1950年、1960~1962年)。
【中間派】
◆スワンナ・プーマ - Wikipedia
1901~1984年。ラオス王国首相(1951~1954年、1956~1958年、1960年、1962~1975年)
【左派】
◆スパーヌウォン - Wikipedia
1909~1995年。王族として生まれたにも関わらず共産勢力に参加したことで「赤い殿下」の異名を持つ。ラオス内戦時は左派「パテート・ラーオ」代表。1975年の王政廃止、ラオス人民民主共和国建国後は初代ラオス人民民主共和国国家主席(大統領)、最高人民議会議長(国会議長)、ラオス国家建設戦線代表を歴任。
◆カイソーン・ポムウィハーン - Wikipedia
1920~1992年。初代ラオス人民革命党書記長、初代ラオス人民民主共和国首相、第2代ラオス人民民主共和国国家主席等を歴任
と言う人がいるようですが。
最後に「ラオス」でググってヒットした本をいくつか紹介しておきます。正直あまりヒットしません。
◆矢野順子『国民語が「つくられる」とき:ラオスの言語ナショナリズムとタイ語』(2008年、風響社)
◆菊池陽子、阿部健一、鈴木玲子編著『ラオスを知るための60章』(2010年、明石書店『エリア・スタディーズ』シリーズ)
◆山田紀彦編著『ラオスにおける国民国家建設:理想と現実』(2011年、アジア経済研究所)
◆矢野順子『国民語の形成と国家建設:内戦期ラオスの言語ナショナリズム』(2013年、風響社)
◆山田紀彦『ラオスの基礎知識』(2018年、めこん『アジアの基礎知識』シリーズ)
◆森山明『不思議の国のラオス』(2021年、彩流社)
*1:ただし中国ではミャオ族と呼ぶようです。湘西トゥチャ族ミャオ族自治州 - Wikipedia、黔東南ミャオ族トン族自治州 - Wikipedia、黔南プイ族ミャオ族自治州 - Wikipediaと言った自治州があるようです。