「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年9/16日:荒木和博の巻)(副題:忘れていたが明日(9/17)で小泉訪朝からちょうど19年))(追記あり)

北朝鮮が作る韓国の反日(R3.9.16): 荒木和博BLOG
 8分57秒の動画です。タイトルと動画説明文だけで見る気が失せます。つうか「タイトルと動画説明文」だけで内容がわかりますし、見る価値もない「韓国への誹謗中傷動画」でしょうから見ませんが。

慰安婦を公娼呼ばわりし、河野談話の否定を画策。先日も歴史教科書の「従軍慰安婦」記述を「慰安婦」に書き換えるよう、文科省が教科書会社に強制
朝鮮人の強制連行について違法性を否定。例の軍艦島端島炭鉱)の世界遺産登録の時には「強制連行の歴史を否定するのか?。」と登録に難色を示す韓国に「韓国の要望には応える」として「強制連行の歴史」をきちんと教えることを約束した「はず」なのに実際に登録されるや、そんなことは何もせず、約束を反故。「約束と違う」と抗議する韓国を反日呼ばわり
東条英機元首相らA級戦犯を合祀する靖国自民党政治家が参拝したり玉串料を奉納したりする
◆安倍や菅が「義士」安重根を「伊藤博文を暗殺したテロリスト」呼ばわりし、ハルピン(伊藤暗殺現場)での安重根記念館建設に悪口雑言
◆あげくのはてにフッ化水素水禁輸、ホワイト国除外の嫌がらせを実行
◆9月1日頃行われる、関東大震災の被災者追悼式に歴代都知事が送った「虐殺された在日朝鮮人」への追悼文を小池都知事が就任以来、毎年、送付拒否。産経など一部ウヨに至っては違法虐殺の事実まで否定

なんて無茶苦茶やっていて韓国が、怒りを表明しなかったらその方がおかしい。反日を作ってるのは北朝鮮ではなく「荒木ら嫌韓国右翼」です。大体こうした「日本批判」は荒木らが「親北朝鮮呼ばわりする与党」だけでなく「反北朝鮮の立場にある保守派野党」だって同じです。「安倍政権」と時期がかぶってる朴槿恵(当時、現与党は野党だった)の時代も決して日韓関係は良好ではなかった。
 荒木の主張は、例えるならば「沖縄県知事だった翁長氏(故人)」の「在日米軍基地問題での自民党中央への批判」について「翁長は中国の犬」呼ばわり*1するのと「似たり寄ったりの暴論」です。
 そもそも「光州事件を理由に一時、金大中氏に死刑判決を下した*2全斗煥政権」の時ですら、「藤尾文相の韓国併合正当化発言」に韓国側は激怒し、中曽根首相は韓国側をなだめるために藤尾を更迭*3しています(例えば藤尾正行 - Wikipedia参照)。
 「植民地支配や侵略、戦争犯罪慰安婦など)を正当化すれば抗議される」なんてのは当たり前の話です。
 日本人だって「原爆投下(米国)」「シベリア抑留(旧ソ連、現ロシア)」などを正当化されれば抗議するでしょう。
 「北朝鮮の策略」という話ではない。荒木の屁理屈なら「全斗煥政権」による「藤尾暴言への抗議」も「親北朝鮮・反日」になってしまうし「中曽根による藤尾更迭」も「北朝鮮謀略への屈服」になる。
 大体

米国のキューバへの対応から、日本の北朝鮮への対応を考えてみる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
>林東源*4は、小泉*5からのメッセージも金正日に伝える。「拉致問題に進展があれば、国民を説得して関係改善を進める意思がある*6」との趣旨だったという。
 林は「日本人拉致は『過去に過激な盲動分子がやったことだ』という程度に認め、遺憾の意を表し、早期の帰還措置を取るのがよい」という「金大中の考え」を伝えて説得したとも回顧録で主張している。

という話を荒木はどう理解するのか。これのどこが「韓国は反日」なのか。
 こうした韓国政府の動きが「小泉訪朝による拉致被害者帰国にどの程度つながったのか」はわかりません。しかしこうした応援団があることは「ないよりはずっとマシ」です。
 日韓関係が「それなりに良ければ*7」、こういうこともありうる。
 今の「ホワイト国除外など日本側の無法で悪化する」日韓関係でこんなことがありうるのか。勿論あり得ない。
 第一に韓国がそんなことをやる気にならない。第二に仮に韓国が「あえてやった」ところで「日本にフッ化水素水禁輸やホワイト国除外なんて無法をされて撤回させられない、日本相手に無力な韓国の言うことなんか信用できない」と北朝鮮に蹴飛ばされて終わりでしょう。
 まあ荒木のような「アンチ中国、韓国、ロシアの右翼連中」は絶対に認めたくないでしょうが、拉致問題解決ではこれら三国との友好関係が大事です。理由は簡単でこの三国は歴史的に北朝鮮と太いパイプがあるからです(中国については例えば拉致問題に対応するのに、中国と仲良くしていて損はない - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)。
 あるいは何故「日本の北朝鮮制裁に荒木ら救う会が言うような効果がない」のか。「何故、北朝鮮は荒木ら救う会が言うようには、崩壊などしない」のか。これも「いろいろ理由はある」でしょうが大きな理由の一つは「北朝鮮建国当時から深いつながりがある中露が北朝鮮の崩壊を希望せず、経済支援しているから」です。「中露の経済支援」を封じない限り制裁に効き目はないし、北朝鮮崩壊なんて事もあり得ない。「中露の経済支援」がなくなれば「勿論、話は大きく変わってきます」がその可能性はどう見てもない。
 実は「中露の経済支援があるから日本の経済制裁なんかおそらく効果がない」なんてことは「制裁が開始された当初(小泉政権)」から「和田春樹氏」等が指摘していたことですが、「中露に北朝鮮への経済支援を辞めさせる」ともいえず*8、和田批判を無視し「制裁には効き目がある」と強弁していたのが荒木ら救う会です。そして小泉訪朝から18年が経過して「疑う余地なく和田氏の正しさが証明された」のに未だに効果がない制裁に固執するのだから救う会も家族会も呆れたバカです。
 一方「東欧の共産党体制が1980年代末に崩壊した理由」の一つは「ソ連が崩壊を容認したから」です。ソ連は1980年代末には「ハンガリー動乱(1956年)」「プラハの春弾圧(1968年)」のような「民主派勢力打倒、東欧・共産党体制支持の形」では介入しなかった(国力の衰退から介入できなかった)。
 さて「すっかり忘れていました」が「明日9/17は小泉訪朝(日朝平壌宣言)のあった日(2002年)」ですね。明日でちょうど「小泉訪朝からぴったり19年」になります。明日、マスコミにどんな記事が出るのかといったら、まあ「中身のない記事」しか出ないでしょうね。
 本来「自民党総裁選のまっただ中」ですからそういう話が注目されてもおかしくないですが、拉致問題は過去に総裁選の争点になってないし、今回もならないでしょう。
 「小泉訪朝」「日朝平壌宣言」でググっても現時点において「過去の9.17、あるいはその前後」においては

【4年前(2017年)の記事】
日朝平壌宣言から15年 家族ら集会「早く会いたい」|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト2017.9.17
田中均氏、交渉経緯を語る 日朝平壌宣言:朝日新聞デジタル2017.9.17
福田元首相「小泉氏も私も世論読み違った」 拉致問題:朝日新聞デジタル2017.9.17
クローズアップ2017:日朝平壌宣言15年 拉致放置、核を優先 | 毎日新聞2017.9.17
【昨年(2020年)の記事】
拉致問題兼任の加藤官房長官、解決に意欲 「安倍政権と何ら変わりない」 - 産経ニュース2021.9.17
小泉訪朝から18年 加藤官房長官「進展なく忸怩たる思いだ」 - 産経ニュース2021.9.17
赤旗朝鮮戦争早期終結訴え/日朝平壌宣言18年「国交正常化を」/東京で集会2020.9.19

など「中身のない記事」しかヒットしませんし。
 「加藤官房長官の言い訳」が無意味なのは勿論、田中元外務審議官インタビュー福田元首相インタビューも、赤旗の「早期の日朝国交正常化が拉致解決のためにも必要と主張する」集会の紹介記事も、「田中、福田氏らには失礼ながら」、「日朝交渉が進展し、拉致解決に直結するか」と言えばそういう話ではない。
 拉致は完全に風化しました。それも「無意味な経済制裁」に固執し、日朝交渉路線を否定し、交渉派の「田中均氏」「蓮池透氏」等を個人攻撃する「救う会言いなり」の家族会の自業自得でしょう。俺はもはや家族会には「軽蔑、憎悪、憤怒」などの負の感情しかありません。
 なお、明日9/17に荒木和博BLOG高世仁の「諸悪莫作」日記に小泉訪朝関係の記事が載るのかも気になるところです。

【9/17追記】
◆その1
 来年の9月17日は、誰かはともかく現在とは別の人物が首相だが、拉致問題については今年と同じような状況だろう(本日小泉訪朝から19年) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でご紹介頂きました。いつもありがとうございます。
 さて荒木と高世ですがまず荒木。
 小泉訪朝から19年(R3.9.17): 荒木和博BLOGということで小泉訪朝に触れていますが、特にコメントはしません。見てもくだらないことしか言ってないでしょうからそもそも視聴もしません。
 次に高世。
 ミャンマー統一政府の承認は先送りに - 高世仁の「諸悪莫作」日記9/16付け
 9/16付けですが発表が事実上、9/17の記事です。何せ発表はおそらく「9/16の深夜(夜の11時頃など)」ですので。場合によったら「9/17の深夜(9/17の深夜1時など)」かもしれない(高世の記事はほとんどがそういう代物で、日付と実際の記事の発表時期がずれています)。で拉致については全く触れていません。
 ただ「事実上、9/17の記事」とはいえ日付は「9/16」なので「9/17日付の記事」では拉致に触れるかもしれません。9/17日付記事が出たら改めて追記します。
◆その2
「東京クルド」主人公のいま - 高世仁の「諸悪莫作」日記9/17付け
 ということで「予想の範囲内」でしたが「9/17記事で、19年前の小泉訪朝(2002年9/17)に何一つ言及しない高世」です。もはや高世にとって拉致問題は「言及したくない黒歴史」なのでしょう。無様で滑稽な男です。
◆その3
【9/16日付記事】
 横田早紀江さん「絶望感に近いむなしさ」あす日朝首脳会談19年 | 拉致 | NHKニュース
 早紀江さん「解決できなければ国家の恥」 日朝首脳会談あす19年 - 産経ニュース
 「非常に切ない夏だった」 横田さん解決しない拉致問題への思い|TBS NEWS
 やはり予想通り「早紀江など拉致被害者家族の声でお涙頂戴」の「中身のない記事」しか出てこないわけです。
 皮肉なのは「深刻なコロナ禍」「自民党総裁選(なお、総裁選では拉致は争点になってない)」などで、もはや早紀江ら拉致被害者家族が何を言おうと世間はほとんど相手にしないと言うことですが。

*1:実際にそういう無礼なウヨがいましたが。

*2:欧米などの批判で無期に減刑した上で、金氏の国外亡命を容認しましたが

*3:中曽根の辞任要求に対し藤尾が「辞任はしない、どうしても辞めて欲しければ更迭すればいい」と居直ったため。この結果、藤尾はその後、中曽根政権で要職に就くことはなくなります。

*4:金大中政権で大統領外交安保首席秘書官、統一省大臣、国家情報院院長など要職を歴任した金大統領の側近

*5:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*6:この約束は日朝平壌宣言という形でいったんは実現しますが、家族会、救う会の批判に屈した小泉首相によって結局反故にされます。

*7:まあ小泉政権時代には首相靖国参拝がありましたが。

*8:もちろんそんなことは救う会には実現できないからです。