今日の産経ニュース(2021年9/20日分)

【産経・FNN合同世論調査】次の総裁、河野氏トップ 内閣支持率5カ月ぶり回復 - 産経ニュース
【産経・FNN合同世論調査】退陣効果? 自民支持率、比例投票先共にアップ - 産経ニュース
 新総裁が決まったわけでもない(当然、新総裁がどんな政策を打ち出すかも未知数)のに菅が辞意表明しただけで自民党支持率が上がるというのだから日本人のバカさに絶句しますね。
 そもそも今の「コロナ失政」は首相・菅一人の責任のわけもない。
 「田村厚労相」「西村コロナ担当相」「河野ワクチン担当相」らコロナ問題の担当大臣の責任でもある。しかもそうした「コロナ失政の責任者の一人」河野ワクチン担当相が世論調査で「総裁候補として支持1位」というのだから頭痛がします。
 「菅をコロナ失政で非難しながら、ワクチン担当相の河野を評価する」などおよそ道理が通らないでしょう。これが「菅に干されていてコロナの現状に直接の責任はない岸田」なら、まだ理解できますが。
 また菅を「独裁的だ」と非難するのなら「ツイッターブロック」「次の質問どうぞ」の河野も「菅並みの独裁体質」ですしねえ。


【多面鏡 事件・司法から今を読む】特定少年の実名報道 18、19歳…色濃く残る「保護主義」 大阪社会部長・牧野克也(1/2ページ) - 産経ニュース
 以前も何度か書いていることですが、
1)一般論として、「京都アニメ放火事件」のような「目撃者が多数おり」犯人であることに疑いの余地のない事件は除き、多くの事件では「足利事件」や映画『それでもボクはやってない - Wikipedia』のような冤罪の恐れがあること
2)特定非営利活動法人WorldOpenHeart代表の阿部恭子氏*1などが指摘する加害者家族へのバッシング、嫌がらせの問題
 例えば宮崎勤の父親の自殺や、姉の破談などは有名な話です。以前、俺が今日の産経ニュース(2019年5月24日分)(松本清張「女囚」のネタバレがあります)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで触れた松本清張の小説『女囚』もそうした加害者家族バッシングを題材としたもんです。
3)犯罪者に対する罰は「メディア・バッシング」ではなく「刑罰」「民事賠償」という公的なものであるべき
と言う考えから、俺は、少年犯罪に限らず「成人犯罪者(判決が確定するまでは推定無罪ですし、判決が確定しても足利事件のように再審無罪の可能性も時としてありますが)」であっても「実名報道」には否定的な考えです。残念ながらこの産経のアホ記事は逆にそうした認識はまるでない「実名報道支持」記事ですが。「アホの巣窟・産経」とはいえ、こんなアホが「大阪本社社会部長」かと思うと心底呆れます。
 しかし「自分や身内が被害者になったら→加害者を実名報道で懲らしめる」という想像しかできず、「自分や身内が加害者になったら(あるいは警察の誤った見込み捜査で加害者扱いされたら)→実名報道は嫌だ」と思えない連中には呆れますね。俺は「自分や身内が加害者になったら(あるいは警察の誤った見込み捜査で加害者扱いされたら)→実名報道は嫌だ」と思う人間なので、そうは思わないらしい人間は理解ができませんね。
 「大量殺人による死刑囚」大久保清宮崎勤の家族だって「肉親があんなことをしている」とは思ってなかったでしょう。そしてあの種の凶悪犯罪はまずあり得ないにせよ「自動車交通事故(『飲酒運転で死亡事故』のような論外な代物はないにせよ、過失犯としての交通事故)」「企業犯罪(上司の命令による贈賄や談合、脱税、リコール隠しなど)」に手を染める可能性は一般人でも充分あり得るでしょう。
 あるいは場合によっては、足利事件や映画『それでもボクはやってない - Wikipedia』のように「濡れ衣」の可能性もゼロではない。
 あるいは、原裕美子*2のように「精神的病気」でやってしまうようなケースで実名報道で「つるし上げて」何か意味があるのか。


水に流せぬ公務員のお粗末 栓なきプール1週間給水(1/2ページ) - 産経ニュース

 人的ミス(ヒューマンエラー)に詳しい千葉大の一川誠*3教授(心理学)は(中略)プールの給水ミスは水使用量の急変を自動で知らせるシステムなどがあれば、短時間で気付くことができた可能性があるとする。

 おっしゃる通りでミスは可能な限り「制度的な形」で予防すべきであり「個人が注意する」という精神論にすることは適切ではないでしょう。


大栄翔が照ノ富士から初金星 「最後まで全力を出した」 - 産経ニュース
 とはいえ、これでも「横綱照ノ富士8勝1敗」「大関・正代、関脇・御嶽海がともに6勝3敗」であり、現時点では「優勝の本命は照ノ富士」ではあるのでしょう。


【古典個展 大阪大名誉教授 加地伸行】思ひて学ばざれば… - 産経ニュース

 ワクチンも呪(まじな)いみたいなもので、いずれ効力が薄れてゆくらしい。

1)抗体は6ヶ月で消失し、6ヶ月後に再度「接種する必要がある」
2)「将来、開発されるワクチンはともかく」今のワクチンではブレークスルー感染があり得るし、「体力の弱い基礎疾患や高齢者」の場合、ワクチン接種でも「ブレークスルー感染で死亡」のケースがある
つまり「ワクチン接種しても当面は感染予防が必要」とはいえ、「呪(まじな)い」呼ばわりは明らかに不当です。
 「ワクチン接種」で感染や重篤化の予防が「一定程度」できている事は事実だからです。
 シートベルトを着用しても自動車事故で死亡することがあるからと言って「シートベルトをしても安全運転に心がけよ」ならまだしも、「着用に意味はない」とはならないのと同じ事です。

 テレビにいろいろな医師が出演して、あれこれ言っているが、似たような話ばかりで、今後の見通しは、どうもはっきりしない。
 遠い国のアフガニスタンだが、今回の政変の方が、はるかに大きな関心を与えてくれる。

 どういう価値観を持とうと加地の自由ですが「アフガン」とて「今後の見通しは、どうもはっきりしない」ことは大してコロナと変わりないでしょうに。もちろん「アフガンについて興味を持ったが、ソ連のアフガン侵攻から今に至るまでの経緯(例えば、ブッシュ政権に打倒されたはずのタリバンがどうして復権したのかなど)がよくわからないのでマスコミが詳しく説明して欲しい」という「この文の結論自体」はまともだと思いますが。

*1:著書『加害者家族支援の理論と実践』(編著、2015年、現代人文社)、『交通事故加害者家族の現状と支援』(編著、2016年、現代人文社)、『性犯罪加害者家族のケアと人権』(編著、2017年、現代人文社)、『息子が人を殺しました:加害者家族の真実』(2017年、幻冬舎新書)、『加害者家族の子どもたちの現状と支援』(編著、2019年、現代人文社)、『家族という呪い:加害者と暮らし続けるということ』(2019年、幻冬舎新書)、『加害者家族を支援する:支援の網の目からこぼれる人々』(2020年、岩波ブックレット)、『少年事件加害者家族支援の理論と実践』(編著、2020年、現代人文社)、『家族間殺人』(2021年、幻冬舎新書

*2:著書『私が欲しかったもの』(2021年、双葉社

*3:著書『大人の時間はなぜ短いのか』(2008年、集英社新書)、『時計の時間、心の時間:退屈な時間はナゼ長くなるのか?』(2009年、教育評論社)、『錯覚学』(2012年、集英社新書)、『大人になると、なぜ1年が短くなるのか?』(2015年、宝島SUGOI文庫)、『ヒューマンエラーの心理学』(2019年、ちくま新書)など