今日の中国ニュース(2021年10月11日分)

外交部「中国の省である台湾地区に国連加盟の資格はない」--人民網日本語版--人民日報
 「蔡英文が国連加盟を画策しバイデンが応援するのでは?」という疑念を感じてなかったらこういう言葉は出てこないでしょう。
 つまりは、こうした疑念を中国に感じさせる蔡やバイデンの言動は適切なのか、ということをまずは考えるべきです。
 俺個人は適切とは思いませんが。特に米国の場合、そうした言動は明らかに「米中国交樹立の前提(一つの中国)に反する」でしょう。
 そこを無視して「中国が台湾に高圧的だ」などと中国ばかりを非難するのは当人の主観が何であれ「台湾独立論への加担」と疑われても文句は言えないと俺は思います。まあ、そういう反中国分子が日本では多いようですが。


IMF、中国優遇疑惑のゲオルギエワ専務理事続投 - 産経ニュース
 正当な理由のある「優遇」なら「不正」ではないのでタイトルがおかしい、「お手盛り」「情実」などと表現すべきと思いますがそれはさておき。
 ドイツやフランスは「続投支持」なので、反中国ウヨが主張したがる「欧米(米国プラスEU諸国)VS中国、ロシア」という構図には「将来はともかく」現時点ではなってはいません。


中国からTPPを守れ 残すべき米国復帰の道: 日本経済新聞
 日経の反中国路線には「これが経済新聞なのか?。中国ビジネスは重要ではないのか?」と絶句ですね。
 それにしても、このまま、中国の加入を認めたら、米国から未だ正式な加入申請が出てないので「中国が先行加入、米国が後発になる」とした上で
1)「中国のTPP先行加入を、後発の米国が嫌う可能性がある」だの
2)「先に加入した中国がTPP加盟国への政治工作で、後発の米国の加入を妨害する可能性がある」だのとして、「中国の先行加入が米国の加入を阻害する(だから中国を先行加入させるべきではない)」というトンデモ理解には唖然ですね。
 1)について言えば、むしろ「中国という巨大市場」によって「米国がTPP加入に傾く効果」が期待できるのではないか。まあ、「反中国」を強める共和党は、中国の加入を嫌うのかもしれませんが(まあ、それ以前に中国の加入がなくても、共和党は『安い途上国製品が米国に来て産業空洞化が進むだけだ!』とTPPを嫌っていそうですが)。
 2)について言えば、そもそも中国の本心が何であれ、米国が「正式加入」を表明した際に、「米国が加入時に要求する条件」が
A)「よほど手前勝手な物」で「中国以外からも批判の声が出る」ようなもの
B)「中国にとって飲めないような代物(例:台湾の独立を事実上認めろ、など)」
でもない限り、中国も「反対のしようがない」でしょうに。「TPPを中国で支配したいから、米国の加入には反対」なんてことは公言できる話じゃない。
 と言うかむしろ「米国をTPPも使って取り込もう」として加入に賛成するんじゃないか?
 まあ、そういうことを云々する以前に「多分、バイデンは加入申請するだろう」とはいえ、「脱退表明したトランプ」が未だ無視できない力を有する共和党がどう動くかは全く未知数で、「アフガン問題で共和党がバイデン批判を強め、支持率も当初の高支持率と比べれば下降している」中、そもそも「いつ申請できるのか」自体が未だ不透明ですが。


中国の学者「中日首脳電話会談は両国関係の正しい発展に向けた良いスタート」--人民網日本語版--人民日報
 浅井基文氏も、浅井ブログ岸田首相に反応した中国で指摘していますが

◆松野官房長官
 細田派所属。第三次安倍内閣文科相
◆岸防衛相
 細田派所属。安倍の実弟。菅政権防衛相からの留任
◆萩生田経産相
 細田派所属。安倍、菅政権で文科相
高市政調会長
 安倍が総裁選で支援。安倍政権下で総務相政調会長を歴任

などといった「安倍人脈」が政権内にいるものの、菅と違い、岸田が安倍から政権禅譲を受けられなかった上、菅政権下では干されていたこと、岸田が「菅政権からの変化」を舌先三寸とは言え、一応口にしていることから「岸田政権が日中関係を正常な軌道に戻すことを期待する」という「穏健な態度」を当面はとる気のようです。
 習・岸田電話会談において、おそらく岸田が「敵対的な言動を控えた」ということもそうした態度の背景にはあるのではないか。
 しかし、浅井氏も指摘するようにこれは「中国の本心」というより「『菅とは違う』と岸田が言うのだから、岸田が本気で日中関係改善に取り組む気があるならそれなりの対応をする(いたずらに岸田敵視などしない)」という中国側の「誘い水」にすぎません。
 従って、岸田が「菅と大して変わらない反中国路線」という失望を中国が感じれば、こうした「好意的態度」も消滅するでしょう。今後の岸田の対中国外交が注目されます。