今日の朝鮮・韓国ニュース(2021年10月17日分)

拉致問題 一番期待した政権だった 井上克美さんの兄:朝日新聞デジタル2021年10月14日(堤恭太)
 「井上さん=特定失踪者」なのでその時点で絶句せざるを得ないあほ記事ですがもっと絶句するのは、今頃「安倍政権に期待していた」などという寝言を掲載することです。「安倍退陣直後」ならまだしも「岸田政権成立後」にこんな記事を載せる理由は何なのか。


【新閣僚に聞く】松野官房長官、拉致問題「若者啓発に力」 - 産経ニュース
 タイトルだけでうんざりです。
 拉致とは

◆小中高校などでホニャララについて教育を行い、ホニャララについて意識啓発し、事態を改善したい。
◆ホニャララについての差別をなくしたい
※「ホニャララ」としては「LGBT」「障害者」「外国人」「宗教マイノリティ(イスラム教など)」などが考えられる。

といった「教育」でどうこうなる類の話ではない。日朝間の外交交渉でしか問題は解決しない。
 こうした物言いは

◆「北方領土竹島」といった領土問題
◆米軍基地問題

について「若者への啓発に力を入れたい」と言うくらい馬鹿げている。「若者に啓発することよりも外交交渉に力を入れろ」と言う話です。あえてきついことを言えば「外交で成果があがらないこと」を自覚して「教育に逃げている」といってもいいでしょう。


水銀中毒から原爆開発まで…“水俣病”の原因企業「チッソ」が北朝鮮で行っていたこと(伊藤 孝司) | 現代ビジネス | 講談社(9/12)

「日本が第2次大戦中に核開発を進め、興南の沖合の小島で1945年8月12日に核実験にも成功していたことは、(略)各種資料、特に米政府内部で秘密文書に基づき調査していたトニー・トルバとドワライト・R・ライダーの発言からも、明らかである」(『世界が隠蔽した日本の核実験成功』矢野義昭)
「ライダーによれば、興南は日本の核努力の『頭脳』だった。占領地域から送られてくる資源がここに集められた。興南ではウラン鉱石の精錬も重水の製造もできた」(同上) 
 朝鮮半島北部は、マグネサイト・タングステンモリブデン黒鉛、そしてウランなどの鉱物が確認されている。「興南には(略)大規模なウラン235の分離を行う能力を持った産業施設と電力があり、試験的な分離装置が設置されていた」(同上)という。
 興南での日本の核開発に対する戦後のソ連と中国の対応を、『世界が隠蔽した日本の核実験成功』を執筆した矢野義昭氏は次のように見ている。
ソ連の大戦末期の突然の北部朝鮮急襲も、朝鮮戦争への中国の参戦と長津貯水湖での激戦も、興南の核施設奪取が主な目的だった」(同上)
 矢野氏は興南などで日本が行なった核開発の上に、戦後のソ連と中国の核実験とその保有があり、北朝鮮の核開発の潜在力は日本の成果を継承したものだとする。

 こうした見方の真偽について素人の俺には判断はつきませんが一応紹介しておきます。
 なお、「戦前、植民地朝鮮に進出していた日本窒素(現在のチッソ)が、現地で日本の核開発に協力していた」と言う説の真偽はともかく、日本において「核開発計画」があったことについては、拙記事新刊紹介:「歴史評論」8月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログ(2019.7.12)で触れたことがあります。
 なお、

・『写真記録 樺太棄民:残された韓国・朝鮮人の証言』(1991年、ほるぷ出版
・『棄てられた皇軍:朝鮮・台湾の軍人・軍属たち』(1995年、影書房
・『平壌からの告発:日本軍「慰安婦」・強制連行被害者の叫び』(2001年、風媒社ブックレット)
・『ヒロシマピョンヤン:棄てられた被爆者』(2010年、風媒社)
・『朝鮮民主主義人民共和国:米国との対決と核・ミサイル開発の理由』(2018年、一葉社)
・『ドキュメント 朝鮮で見た〈日本〉:知られざる隣国との絆』(2019年、岩波書店

の著者・伊藤氏は別に極右ではありませんが

矢野義昭 - Wikipedia参照
・2016年、参議院議員通常選挙に、おおさか維新の会公認で比例区から出馬するが落選
【著書】
・『軍拡中国に対処する:独裁国家に屈するのか』(2018年、勉誠出版
・『世界が隠蔽した日本の核実験成功:核保有こそ安価で確実な抑止力』(2019年、勉誠出版
・『核拡散時代に日本が生き延びる道:独自の核抑止力の必要性』(2020年、勉誠出版

という矢野氏は明らかに「日本の独自核保有」を主張する極右です(しかし以前も別記事で書きましたが勉誠出版も完全に商売右翼に転落していますね)。
 伊藤氏の「矢野著書紹介」は、あくまでも「植民地朝鮮での日本の核開発」という事実の紹介にとどまり「日本の核保有こそ安価で確実な抑止力」などという右翼的主張を支持しているわけでは無論ありません。