今日の中国ニュース(2021年10月23日分)

WEB特集 「イギリスなら安全」は幻だった 香港の人々はいま | 香港 抗議活動 | NHKニュース
 ミスリーディングなタイトルだと思います。
 もちろん「英国へ亡命すれば」、「中国の逮捕請求を免れる」つう意味では身の安全は保証される。
 「イギリスなら安全」が「身の安全」を意味するなら幻では全くない。「英国が中国に忖度して、事実上、亡命をまるで認めずどんどん中国に送還している」ということはない。
 ただし「亡命許可で終わり」であり、「それだけではとても生活がやっていけない」つう話です。
 つまり「生計の保証」までは英国政府はしてくれない。「将来的には施策が変わる可能性もありますが」、現状では生活が苦しくても「一般の生活困難者」と同じ扱い(一般的な生活保護や失業保障)でしかない。
 また、「中国相手のビジネスをする英国企業」が近年は多いため「中国批判は控えてくれ」つう企業も多いという話ですね。
 それ断ったら「そもそも採用されないんじゃないか」「解雇されるんじゃないか」つう不安があると(勿論、建前がそれだと明らかに「思想差別で違法」なので建前は別の物になるでしょうが)
 まあ、生活が困難な場合は「中国批判してる余裕」はそもそもないでしょうが。そういう意味では「イギリスなら『生活はバラ色』は幻だった」の方が適切ではないか。


【産経抄】10月23日 - 産経ニュース

 将来的な社会主義共産主義社会への移行を目指す共産党が、自分たちは中国とは違うと強調していることが気になっている。

 そもそも「敵の出方論ガー」「体制選択選挙」(以上、甘利幹事長など)、「私が1980年代にポーランド留学したときは毎日ジャガイモだった」(河野太郎:これについては河野太郎の反共演説に呆れる - bogus-simotukareのブログ参照)などと「自民が反共デマ攻撃」をするから反論してるだけです。むしろ「自民の反共デマ攻撃」を問題にしたらどうなのか。
 なお、「無料記事」とはいえ会員登録してないと途中までしか読めませんが、正直「ここまで読めば、後は予想がつく」し、実際その予想通りです(俺は無料記事限定ですが会員登録しているので産経抄は全文読めます)。
 「甘利幹事長や河野太郎氏は正しい」という与太です。正直、自民や産経ですら本気でそんなことは思ってないでしょう。
 本気で思ってるのなら何で「自民が弱体勢力だから」とはいえ「維新が強い大阪(ダブル選挙での共産党との共闘)」や「小沢一郎氏が強い岩手(中里長門共産党市議が自民の支援を得て、小沢系候補を破り陸前高田市長に当選)」で共産党と共闘したのか。
 ぶっちゃけ「自民の反共デマ」は「細川、羽田政権当時(公明党が与党として参加)」に野党だった自民党が「創価学会が母体の公明党政教分離原則違反の疑いがある*1」と因縁つけたこととまるで変わらない。
 細川、羽田政権当時は「そこまで悪口した公明党」を「小渕政権以降は連立パートナー」だから全く自民もデタラメです。
 そんなことはあり得ませんが「今の公明党との関係」のような親密関係になれば、共産党を礼賛するのが自民でしょう。
 それはともかく「細川、羽田政権当時」のトラウマ(自民から散々攻撃される)が「公明党が連立を続ける理由の一つ」ではないか。

 志位氏は平成27年11月のテレビ東京番組では、北朝鮮と中国について「リアルの危険があるのではない」と擁護していた。

 北朝鮮は通常戦力が明らかに弱体であり、韓国軍や米軍の侵攻にはとても対抗できないでしょう(それを補う意味でミサイル、核開発している)。そういう意味では「北朝鮮の脅威」などない。北朝鮮が先制攻撃などしかけたら、韓国軍などの反撃で自滅するだけです。
 最近は北朝鮮は「ヨンビョン島砲撃」のような小競り合いしかやってない。
 一方、中国にしても「尖閣侵攻」したら「自衛隊や米軍とのバトル」は確実です。軍事的に勝てる保証はないし、勝ったところで大して利益もない。尖閣は現時点では「石油や天然ガスが大量に埋まってるかもしれない」程度の話でしかない。
 台湾侵攻にしても「独立宣言しない限り侵攻しない」と国際公約してる以上「独立宣言なしで侵攻などできない」。そんなことをしたら欧米の経済制裁は確実です(裏返せば蔡英文が、中国の警告を無視して独立宣言を強行したら軍事侵攻が危惧されると言うことですが)。
 つまり「中国と北朝鮮にはそれなりに政治的計算ができる」と評価するなら「リスクが高すぎる」軍事侵攻なんか自分からするわけがない。志位氏の話はその程度の話です。擁護ではない。

▼筆坂氏の日本戦略研究フォーラム季報秋号への寄稿によると、平成13年12月の鹿児島県奄美大島沖の北朝鮮の不審船沈没事件の際、政策委員長だった筆坂氏は海上保安庁の対応は間違っていないとの結論を導いた。ところが、志位氏らは「中国はやり過ぎだと批判している」と反撃し、認めなかった。

 筆坂の主張が仮に事実だとしても、そして、志位氏の考えを否定的に評価するにせよ、これは「北朝鮮問題では中国の協力が絶対に必要だ。その意味で中国が反発するような行為を手放しで評価するのは外交上まずい」という認識でしょう。
 「中国の言いなり」という話ではない。それにしても筆坂の話が仮に事実だとしても「渋々であろうとも」、平成13年当時は「一応納得した話」を20年も経った今更蒸し返す(しかも日本戦略研究フォーラム季報秋号という反共ウヨ雑誌)とは筆坂も呆れたバカです。

*1:もちろん通説的見解はそういう立場ではありませんが