今日の中国ニュース(2021年11月3日分)

福島香織のツイート

福島香織
 中国との対立をこれ以上先鋭化させてはならじ、という意図の外相起用なんだろうな。来年の日中国交正常化50年*1を盛り上げたいとか、それに合わせての習近平訪日とか考えているんだろうな。でも、今の日本が最重視すべきは台湾断交50周年目の国際社会枠組み再編成*2の見通しじゃないか。

 新外相に内定した林芳正*3が「日中友好議連会長だったこと」での福島ツイートですが、基本的に誰が外相になろうとも「アンチ中国の極右」などありえないので「はあ?」ですね。


【正論12月号】仏研究所が警鐘 中国の沖縄浸透工作 産経新聞パリ支局長 三井美奈 - 産経ニュース

 フランス軍と関係の深いシンクタンクフランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)」

 産経のデマ記事でなく事実だとしても「沖縄の基地反対運動のバックには中国ガー」なんて報告を出す研究所がまともなわけがない。
 「おフランス」の名前を出せば日本人は信用すると産経が思っているなら大きな間違いです。
 「フランス軍と関係が深い」と言う記述も「フランス軍付属の研究機関」ではない点に注意が必要でしょう。
 「元自衛官・田母神が関わる民間右翼団体」を「自衛隊と関係が深い」と強弁しているような話に過ぎない疑い(つまり元フランス軍幹部の右翼活動家による民間団体に過ぎない)が濃厚です。


台湾統一問題:武力統一か平和統一か|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

環球時報社説「台湾海峡戦争と平和 メインスイッチは大陸の掌中にあり」

 タイトルは一見、物騒ですが、実は内容は「タイトルから予想される物」とは違い、比較的に穏健で、かえって拍子抜けします。
 「台湾が独立宣言しても、米国との全面対立を恐れて、中国は侵攻できないと台湾がもし甘いことを考えてるのなら大間違いだ」というのが環球時報のいう「メインスイッチは(台湾や米国ではなく)大陸の掌中にあり」であり、「『独立宣言したら侵攻も選択肢にある』という発言は決してハッタリやフカシではない」という「改めての政治的牽制」に過ぎません。浅井先生も指摘していますが、「台湾が独立宣言(あるいは国連加盟申請など独立宣言に準じる行為)をしない限り」中国が「自分から侵攻すること」はまずあり得ないとみていいでしょう。


<ご意見募集>中国との確執の焦点「台湾危機」に日本の関与は | 櫻田淳さんのよびかけ | 櫻田淳 | 毎日新聞「政治プレミア」
 まさか毎日新聞に「産経文化人のウヨ」桜田のこんな与太文章が載るとは思いませんでした。
 問題の立て方は「中台間の緊張をどう緩和すべきか」であり、桜田のように「中国が台湾を侵攻したらどうするか」という話ではない。


台湾人の6割「有事なら自衛隊派遣」 中国軍機の挑発受け世論調査:朝日新聞デジタル
 事実ならば「おいおい」と唖然です。憲法九条について知らないのは「仕方が無い」かもしれない。しかし日本であれ、米国であれ「必ず軍事支援に来る」と決めつけるのはあまりに脳天気すぎる。そもそも「台湾が独立宣言しない」限り、中国も侵攻しないとは思いますが、この脳天気さでは「独立宣言しても米国や日本が助けてくれる」と勘違いして台湾が暴走しないかと危惧を感じます。


前副首相との不倫告白 中国の有名テニス選手:時事ドットコム
 この記事だけで詳細がわかりません。事実*4だとして、単なる不倫に過ぎないのか、それとも「張高麗*5・前副首相の圧力でこの選手が性的関係を強要された(ある種のセクハラ*6)」「張氏と愛人関係になることで、この選手が不当な優遇を受けた(モリカケ、桜のような疑惑)」などの問題行為があったのかどうかで話は大きく変わってきます。単なる不倫なら「道徳的問題」にすぎませんが「セクハラや不当な優遇」では「犯罪に該当する」でしょう。
 なお、この有名テニス選手ですが

彭帥 - Wikipedia
・2013年ウィンブルドン選手権全英オープン)と2014年全仏オープンの女子ダブルス優勝者

だそうです。

*1:田中首相訪中による日中国交樹立は1972年(9月)です。ちなみに1972年と言えば「札幌冬季五輪、あさま山荘事件(2月)」「沖縄返還、テルアビブ空港乱射事件(5月)」「ミュンヘン夏季五輪(8月)」などもありました。

*2:「再編成って何?」ですね。

*3:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次、第三次安倍内閣農水相、第四次安倍内閣文科相などを経て岸田内閣外相(予定)

*4:勿論、現時点では1)張高麗氏(前副首相)失脚を狙う政治勢力の謀略、2)張氏を何らかの理由で逆恨みする選手のデマ中傷といった虚偽の可能性もありますが。

*5:深圳市党委員会書記、山東省長、山東省党委員会書記、天津市党委員会書記、第一副首相(党中央政治局常務委員兼務)など歴任(張高麗 - Wikipedia参照)

*6:ただしセクハラの場合「不倫呼ばわり」は「女性選手に対する侮辱」にあたり、かえって問題でしょう。【追記】どうも真偽はともかく「セクハラ主張」のようですが、それなら、やはり「不倫呼ばわり」はまずいのではないか。