第2次岸田内閣発足直後の首相記者会見を読んで拉致の風化を改めて実感する

令和3年11月10日 岸田内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

 新型コロナ対応は引き続き最優先の課題です。今週中に新型コロナ対応の全体像を取りまとめ、国民の皆さんにお示しいたします。
 まず、今後感染力が2倍になった場合にも対応できる医療体制をしっかり確保いたします。公的病院の専用病床化を始め、新たな病床を確保し、病床使用率を8割以上といたします。この夏に比べて3割増しの3.5万人以上の方が確実に入院できる体制を11月末までに作ります。軽症者向けの宿泊療養施設についても、今年の夏と比べて2割増、1万室以上増やしてまいります。全ての自宅、宿泊療養者に、遅くとも陽性判明の翌日までには連絡を取り、健康観察や診療を実施できる体制を確保いたします。これらの取組に加え、ワクチン、検査、飲める治療薬の普及による予防、発見から早期治療までの流れを更に強化いたします。
 ワクチンについては、12月から3回目のブースター接種を始めます。2回目接種完了からおおむね8か月以降のタイミングで、18歳以上の希望する全ての方が接種を受けられるようにいたします。12歳未満の子供についても、薬事承認された後、接種を開始いたします。いずれも専門家の意見も踏まえた上で対応してまいります。
 検査については、感染拡大時に無症状者でも無料で検査が受けられるようにいたします。感染が拡大した場合でも、ワクチン・検査パッケージを活用することで、行動時の安心・安全を確保いたします。
 そして治療薬。今後の切り札となる飲める治療薬について、年内実用化を目指します。2倍以上の感染力に対応できるよう、薬事承認が行われれば、まず速やかに合計60万回分を医療現場に提供いたします。さらに、100万回分を確保し、今後に万全を期してまいります。
 また、これまでの新型コロナ対応を徹底的に検証し、来年の6月までに司令塔機能の強化も含めた感染症危機管理の抜本的強化策を取りまとめてまいります。
 来週中に数十兆円規模の経済対策を取りまとめます。年内できるだけ早期に補正予算を成立させ、国民の皆さんに一刻も早くお届けいたします。総裁選のときから、非正規、女性、子育て世帯、学生を始め、コロナでお困りの皆様へ給付金をお届けすると申し上げてきました。
 非正規など(ボーガス注:コロナで)経済的にお困りの世帯に対して、1世帯当たり10万円の現金給付を行います。また、コロナ下で厳しい経済状況にある学生に対しても、就学を継続するための10万円の緊急給付金を支給いたします。困窮されている方々には、このほか生活困窮者自立支援金の拡充など様々なメニューを経済対策において用意いたします。
 事業者向けの給付金については、昨年の持続化給付金並みの支援を事業規模に応じて、11月から3月までの5か月分まとめて、一括で給付いたします。雇用調整助成金については、感染が拡大している地域、業況の厳しい事業者の方々向けの特例を3月まで延長いたします。

 ということで「ある意味当然」ですが「岸田の発言」で一番分量が多いのは「コロナ関係(感染予防、治療、経済支援など)」です(岸田発言についての評価は今回はしません)。
 拉致などたかが

 拉致問題は最重要課題であり、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、あらゆるチャンスを逃さず、全力で取り組みます。私自身、条件をつけずに*1金正恩(キムジョンウン)(ボーガス注:国務委員会)委員長と直接向き合う決意であります。

で終わりです。岸田にとっての重要性が「コロナ>絶対に越えられない壁>拉致」であることは疑いない。
 で、岸田の回答は引用を省略しますが、マスコミの質問も

(記者)
 幹事社を務めます、NHKの長谷川と申します。
 成長と分配の在り方について伺います。

(記者)
 西日本新聞の古川と申します。
 先ほど総理は防衛力の強化に取り組まれるというふうにお話をされましたけれども、いわゆる敵基地攻撃能力の保有について、総理はこれまで選択肢の一つだと述べておられましたが、公明党の方は否定的な考えを示しております。

(記者)
 毎日新聞の小山です。
 経済再生策に伺いたいと思います。コロナ禍からの経済再生策ですけれども、GoToトラベルの再開とか観光客の水際対策の緩和、この辺に関してはどの時点で再開されるか

(記者)
 朝日新聞の星野です。
 今回、人権問題担当の首相補佐官が新設されましたが、(中略)日本でも名古屋の出入国在留管理局に収容中だったスリランカ国籍のウィシュマさんですが、3月に死亡した問題が人権侵害に当たるという指摘もありますけれども、こうした問題について、今度の担当補佐官はどのように対応されるのでしょうか。

(記者)
 ニコニコ、ドワンゴの七尾です。
 給付金についてお聞きします。

(記者)
 東京新聞の生島といいます。
 モリカケ桜と言われている安倍政権や菅政権の負の遺産清算という問題ですけれども、これについては再調査ですとか真相解明というものに対して基本的には否定的な考えを示されていると思うのですけれども、この考えは今でも同様なのか

(記者)
 産経新聞の長嶋です。
 総理は、先ほど、党是である憲法改正について、自民党の方に体制の強化を指示したというふうにおっしゃいました。具体的にその体制の強化というのはどんなことを想定されていらっしゃるのか

(記者)
 ビデオニュースの神保です。
 地球温暖化対策についてお伺いしたい

ということで「敵基地攻撃能力(西日本)」「給付金(ニコニコ)」「モリカケ桜などの疑惑、不祥事(東京)」「九条改憲(産経)」「温暖化(ビデオニュース)」ということで、拉致についての質問なんか一個もありません。産経ですら「九条改憲」について質問しても、拉致について質問しない。
 岸田だけでなくマスコミにとってももはや拉致など興味関心などないわけです。

*1:以前から何度も書いていますが「条件をつけずに金正恩と向き合う」とはどういう意味なのか。「首脳会談後、一人も拉致被害者が帰国しなくても、金正恩と会談する決意だ」という意味なのか(おそらくそうではないでしょうが。そんなことをして救う会や家族会に攻撃されるリスクをおかす度胸は岸田にはないでしょう)。全く意味不明で話になりません。