「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年11/17日分:荒木和博の巻)

栗栖事件「超法規」について(R3.11.18) - YouTube

(お知らせ)冒頭お話ししていますが12月10日に東京市ヶ谷の防衛省内で予備役ブルーリボンの会のシンポジウムを行います。
 令和3年11月18日木曜日のショートメッセージ(Vol.593)。昭和53年(1978)7月、当時の栗栖弘臣統幕議長が雑誌のインタビューで「現行の自衛隊法には穴があり、奇襲侵略を受けた場合、首相の防衛出動命令が出るまで動けない。第一線部隊指揮官が超法規的行動に出ることはありえる」と語り当時の金丸信防衛庁長官に解任された事件がありました。民社党は栗栖さんを東京選挙区に擁立して昭和55年の参議院選挙を闘いました。当選はさせられませんでしたが、自分たちにとっては誇りです。

 8分35秒の動画です。呆れて二の句が継げませんね。
 まず第一に『防衛省内で予備役ブルーリボンの会のシンポジウム』つうのに呆れる。
 「何でそんなことを防衛省が許すのか?」と思ったら、荒木によれば、シンポジストの一人が

海上幕僚長統合幕僚長などを歴任した河野克俊(河野克俊 - Wikipedia参照)

だそうです。河野のような元自衛隊幹部が『荒木のような極右とズブズブ』で『防衛省での右翼集会をごり押し』というのだから「自衛隊は右翼の巣窟なのか?」とぞっとしますね(とはいえ、そんな河野ですら統合幕僚長在任中に荒木の『自衛隊拉致被害者救出』には同調しないわけですが)。
 河野は

河野克俊 - Wikipedia参照
◆2014年(平成26年)12月に訪米した際、アメリカ陸軍参謀総長レイモンド・オディエルノに「平和安全法制は来年夏には成立する見込み」と伝えていたことが発覚し、文民統制違反の実例として国会で中谷元防衛大臣が追及される事態に発展した(これについては例えば、赤旗統幕長 戦争法案「夏までに」 昨年12月、米軍に成立約束/自衛隊 暴走の実態 再び/仁比氏、内部文書示し追及参院安保特(2015.9.3)参照)。また河野は国防副長官ロバート・ワークと会談した際に、事故が相次ぎ危険視されているオスプレイについて「不安を煽るのは一部の活動家だけだ」と発言した(これについては例えば、赤旗統幕長 まるで“軍人政治家”/「新基地」強力に推進 オスプレイの不安一蹴/仁比氏暴露の文書(2015.9.3)参照)。
◆安倍首相が『憲法自衛隊の存在を明記すべき』としたことに対し、2017年5月23日の講演で質問を受け、「憲法という非常に高度な政治的問題なので、統幕長という立場から申し上げるのは適当ではない」と前置きした上で、「一自衛官として申し上げるならば、自衛隊の根拠規定が憲法に明記されるということであれば、非常にありがたいと思う」と述べた。この発言について、『自衛隊法で自衛隊員に高度の政治的中立性が求められていること』や『公務員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法第99条』に抵触するのではないかといった批判がされた。しかし、24日に菅官房長官が河野の発言について「個人の見解として述べたもので、全く問題ない」として、自衛隊法に抵触せず問題ないという見解を示した。これに対し、日本共産党は25日に記者会見を行い、河野の統合幕僚長からの罷免を求めた(これについては例えば、赤旗河野統幕長の罷免を/憲法尊重擁護義務に反する 小池書記局長が要求(2017.5.26)参照)。

といった問題があったこと、また河野がウヨであることで安倍に気に入られたのでしょうが

河野克俊 - Wikipedia参照
 自衛隊法施行令で定める定年年齢(62歳)を越えた後も3度の定年延長を経て、64歳まで統合幕僚長の地位に留まり、初代統合幕僚会議議長の林敬三に次いで歴代第二位の在職(統合幕僚長としては最長)となった。

といったことを指摘しておきます。
 第二に「栗栖の発言」云々に呆れる。栗栖の発言と「拉致被害者帰国」と何の関係があるのか。「栗栖がいうように自衛隊北朝鮮に突っ込んで救出すべきだ」と放言する気か。「拉致被害者の居場所もわからないのにできるか、バカ!」ですね。
 しかも栗栖のようなウヨを民社党参院選候補に担いだことを自画自賛(当時、荒木は民社党職員)。呆れて二の句が継げません。
 なお、荒木が金丸氏*1に悪口するのは「金丸訪朝」が最大の理由でしょうが、「栗栖更迭」も理由の一つでしょう。
 荒木が福田赳夫*2(栗栖更迭当時の首相)に対して

ダッカ事件で身代金なんか払う(いわゆる超法規的措置)から北朝鮮になめられて拉致が起こったのではないか

などと悪口するのも、『小泉訪朝(当時、福田氏は官房長官)』などを理由に福田康夫*3(赳夫氏の息子)に悪口するのも、理由の一つは実は「福田赳夫内閣での栗栖更迭」ではないか。
 ちなみに荒木がこの動画で

◆過去の防衛庁長官(防衛相)は加藤紘一*4(中曽根内閣)、山崎拓*5(宇野内閣)、衛藤征士郎(村山内閣)、石破茂*6(小泉、福田康夫内閣)など、金丸(福田赳夫内閣)以外もろくでもない人間ばかりだった
→勿論、「非常識極右」荒木が悪口すると言うことは「むしろまともな人間だ」ということです。
 荒木の批判が「自民党離党(後に復党するが)に追い込まれた金庫番秘書の逮捕(加藤氏)*7」「議員落選を招いた女性醜聞(山崎氏)*8」ならまだしも勿論そうではありません(何せモリカケ、桜疑惑の安倍をかばうのが荒木です)。
 いずれにせよ、歴代防衛庁長官(防衛相)は荒木の悪口でもわかるように『タカ派、極右』では必ずしもなく『リベラル派』もいます。有名なリベラル派の防衛庁長官としては、安保闘争時、『デモ鎮圧に治安出動を検討したい』とした岸首相に対し、『自分が長官である限りは治安出動はしない』と反対した赤城宗徳*9がいます。

と悪口するのには予想の範囲内ですが馬鹿馬鹿しくて吹き出しました(歴代防衛庁長官、防衛相については防衛大臣 - Wikipedia参照)。そうした悪口自体が『俺の考え』では『不当な誹謗』ですが、それ以前にそんな悪口と『拉致被害者の日本帰国(荒木ら救う会の建前)』と何の関係があるのか。何の関係もない。
 リベラル派の加藤氏(荒木のようなウヨが加藤氏を嫌悪してることについては例えば稲田朋美が加藤紘一の実家の放火を笑った集会も「立ち上がれ!日本」だった - kojitakenの日記稲田朋美の悪行「加藤紘一の実家の放火を笑いものにした暴言」を忘れるな! - kojitakenの日記赤旗加藤氏実家 放火事件/官邸沈黙 批判の声参照)は勿論、荒木らウヨは嫌悪していますが

◆「日朝国交正常化を強く主張する」「先日の衆院選で辻元氏*10を応援した」など山崎氏は「中曽根の子分」「改憲右派」でリベラルではないが荒木のような極右とは違うので、荒木ら極右が嫌悪
◆衛藤氏も

衛藤征士郎 - Wikipedia参照
・2000年、第2次森改造内閣で外務副大臣を務める。外務副大臣在任中、台湾総統(当時)・李登輝の訪日を実現[要出典]。なお当時の河野洋平外相は、李登輝へのビザ発給に最後まで難色を示していたため、衛藤は河野に抗議し、河野派を退会。その後、清和政策研究会森派)に入会[要出典]。
自民党における台湾ロビー議員の代表格であり、2011年5月5日には台湾による東日本大震災の被災者支援に感謝の意を示すため、台湾を訪問。当時、衛藤は参院副議長だったが、衆参両院の正副議長の台湾訪問は、1972年に日本が台湾との国交を断絶して以来、初めてのことである。翌2012年3月には再度台湾を訪問し、馬英九総統に面会した
・選択的夫婦別姓制度導入について、2016年の西日本新聞によるアンケートで、「結婚したら全員が夫婦同姓にすべき」としている
女性宮家の創設に反対。

などのエピソードからわかるように山崎氏同様にリベラルではないが、衛藤衆院副議長、北朝鮮訪問を検討|日テレNEWS24(2011.11.3)などが報じるように一時、訪朝を計画(ただし救う会、家族会の反発に抵抗しきれず挫折)したことでわかるように荒木の(以下略)
◆石破も山崎氏、衛藤氏同様にリベラルではないが、『平壌に常駐事務所』設置論でわかるように荒木の(以下略)

わけです。まあ、世間的には荒木が何を言おうと

◆ろくでもないのはお前らのようなバカウヨの方だろ、荒木(呆)
◆お前らが持ち上げ続けた「ニッキョーソ野次」「モリカケ、桜疑惑」の安倍の方がろくでもないだろ
◆ろくでもない防衛庁長官(防衛相)はもっと他にいるだろ

で終わる話ですが。
 ちなみに過去に批判された防衛庁長官(防衛相)としては

防衛大臣 - Wikipedia参照
◆増原恵吉(池田、佐藤、田中内閣)
 田中内閣防衛庁長官在任中のいわゆる「増原内奏問題」が「憲法違反」の「天皇の政治利用発言」と批判され引責辞任
◆久保田円次(大平内閣)
 防衛族議員ではなかったことから度々「重大な問題ですので防衛局長(政府委員)から答弁をさせます」といった答弁をして無責任だと批判された(衆議院予算委員会昭和55年2月1日など)。2月4日にいわゆる「宮永スパイ事件」を理由に、陸上幕僚長永野茂門*11とともに引責辞任
久間章生(橋本、第一次安倍内閣
 第1次安倍内閣防衛相在任中の2007年6月30日に開かれた講演会での『原爆投下は仕方がなかった』発言で、被爆者や遺族などから批判を浴び、7月3日、引責辞任。これについては例えば、赤旗被爆者を傷つけた/久間防衛相の原爆投下での暴言/長崎・広島から抗議(2007.7.2)など参照
稲田朋美*12(第三次安倍内閣
 南スーダン日報問題と都議選での失言が批判を浴びる(内閣改造で防衛相に再任されず事実上の更迭)。これについては例えば、赤旗自衛隊は自民党のものか/稲田防衛相の即刻罷免を(2017.6.30)、南スーダン日報 稲田防衛相 隠ぺい了承か/陸幕長らと会合(2月15日)認める(2017.7.20)など参照

などがいます。


短波国際放送の政府管理について(R3.11.17): 荒木和博BLOG
 6分17秒の動画です。
 その理屈なら、そもそも「荒木ら巣くう会が関与などせずにすべて国が処理すること」にすればいいでしょう。
 しかし、「放送設備のメンテナンスは国が面倒を見ろ。俺たちがメンテナンスの対応するんじゃ、金と手間がかかって厄介だ」「でも、しおかぜ放送の放送番組は今まで通り俺たちが作る」「今まで通り、国は俺たちに委託経費を払え」、つまり「手間がかかることは国がやれ、利益だけは俺たちがもらう」つうんだから「ふざけんな」つう話です。
 「税金へのたかり」以外の何物でもない。まあ、荒木の「煽り」の可能性もありますが「このままじゃ、メンテナンスがうまくいかず、しおかぜ放送ができなくなる恐れがある(荒木の動画での発言)」という荒木です。
 本当に「放送できなくなる恐れがある*13」のか「そういう口実でさらに税金にたかりたいだけ」なのかはともかく、何としても「岸田政権において自分たちの主張を何でもいいから岸田に飲ませたい」ようです。
 つまり、「しおかぜ放送を推進してくれたのは第一次安倍内閣総務相当時の菅前首相だ(動画での荒木発言)」という荒木は「安倍、菅の首相辞任」に「岸田と俺たちは大してつながりがない、このままではどんどん組織が衰退するかもしれない」つう焦りがあるようですね。

*1:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*2:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*3:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*4:中曽根内閣防衛庁長官、宮沢内閣官房長官自民党政調会長(河野総裁時代)、幹事長(橋本総裁時代)など歴任

*5:宇野内閣防衛庁長官、宮沢内閣建設相、自民党国対委員長(河野総裁時代)、政調会長(橋本総裁時代)、幹事長、副総裁(小泉総裁時代)など歴任

*6:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生等担当相など歴任

*7:これについては例えば、赤旗「金庫番」逮捕、加藤元自民党幹事長を直撃/"代議士の言葉と思え"/脱税容疑の事務所前代表(2002.3.9)、加藤氏が自民離党/「党に迷惑」議員辞職は拒否(2002.3.19)参照

*8:これについては例えば、赤旗国会議員の資質問う/山崎自民幹事長告発女性が会見(2003.4.23)参照

*9:岸内閣農林相、官房長官防衛庁長官、池田、佐藤内閣農林相など歴任

*10:社民党政策審議会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣民主党政調副会長、民進党幹事長代行、立憲民主党政調会長国対委員長、副代表など歴任

*11:後に参院議員、羽田内閣法相。法相在任中に南京事件否定発言を行ったことで批判を浴び引責辞任

*12:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

*13:そもそもしおかぜ放送に意義があると思えませんのでできなくなっても俺は一向にかまいませんが。そもそも「本当に必要な放送」なら荒木など巣くう会が関与せずに国が直接やればいい話です。