岸田の所信表明演説を読んで雑感(副題:改めて松竹伸幸に悪口する)(2021年12月7日)

 まず俺が岸田の所信表明演説を読んで思ったことは松竹伸幸のあほさに呆れる(副題:松竹に共産離党と自民入党をおすすめしたい) - bogus-simotukareのブログでの俺の「松竹伸幸批判、紙屋研究所批判は正しかった」ということですね。
 俺の理解では「党員でありながらなぜか右翼(松竹に至っては泉にシンパシーを感じてるらしい*1)」の松竹や紙屋は「野党共闘は左翼イメージだったから負けた」と言いたいようです。あげく「安保政策をもっと右にしろ」と言っていますが、それは「間違い」ですね。俺の理解では「そういうことは敗戦原因では無い」(俺個人が安保政策についての考えにおいて「松竹や紙屋よりもおそらく左寄りであること」は公平のために記載しておきますが)。
 まあ、立憲の泉さんは野党共闘深化に不可欠 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Amebaなどと「とんちきなことを言ってる右翼・松竹(これでも一応共産党員で過去には『党本部政策委員会職員(ただし今は退職し、かもがわ書店に勤務)』『国会議員候補(ただし落選)』だそうですが)」と俺がわかり合えるとは全く思いませんが。何せ「野党合同ヒアリング」を「つるし上げ」「人民裁判」呼ばわりするウヨに「共感する」というのだから松竹には呆れます。ならば「モリカケ、桜」を追及するなと松竹は言うのか?。もう「党執行部は松竹を容赦無く、萩原のように除籍しろよ、とっとと党から追い出せよ」と言いたい。
 そもそも「泉礼賛*2」松竹は泉が「明らかな歴史修正主義右翼」であることをどう思ってるのか?(例えば、赤旗「従軍慰安婦」強制を否定/自民・民主議員ら 米紙への意見広告/批判・怒り世界から/米副大統領も「不愉快」参照)
 俺は立民代表選きょう告示。小沢一派が推す泉健太だけは絶対に当選させるな - kojitakenの日記ブルーリボンバッジをつける泉健太を立民の代表に押し上げたと同じ向きのベクトルを持つ力が、日野を「立憲ユース」の副代表にした - kojitakenの日記澤藤統一郎の憲法日記 » 立憲民主党代表選への連合の影響力に深刻な懸念といった「泉批判」に共感する人間ですので松竹には心底呆れます。
 どうせコメント投稿しても松竹は掲載拒否するでしょう(以前掲載拒否されましたので)。全く「相互批判が大事」等と抜かしながら松竹も「呆れた嘘つき」です。どうせ「ボーガスの批判は酷い悪口で掲載する価値を認めなかった」と居直るのでしょうが。
 ですが「賛同コメントしか掲載しない松竹の嘘つきぶり、下劣さ、愚劣さ」を記録に残したいが故に「あえて」今回も松竹記事批判と提案について・下 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Amebaには今回も投稿します。
 さて「共産党野党共闘の敗戦理由」を「岸田がどう考えてるか」は施政方針演説で「わかるのではないか」と俺は思っています(後述しますが俺個人は「俺が推測する岸田が考える敗戦理由」こそが「大きな敗戦理由」ではないかと思っています)。
 では早速岸田の演説を見てみましょう。

令和3年12月6日 第207回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ
二 コロナ克服・新時代開拓のための経済対策
 コロナ予備費を含めて十三兆円規模の財政資金を投入し、感染拡大に備えることとしました。
三 新型コロナ対応
 第一に、次の感染拡大を見据えた医療提供体制を確保します。
 公的病院に、法律に基づく要請を行い、新型コロナの専用病床化を進める。個別の病院名を明らかにして新たな病床の確保を行う。都道府県と医療機関が、書面で、緊急時に確実に入院を受け入れることを明確化する。
 これらの取組により、既に、この夏に比べて三割、一万人増の約三万七千人が入院できる体制を確保しました。
 第二に、新型コロナの脅威を社会全体として、可能な限り引き下げます。ワクチン、検査、飲める治療薬の普及により、予防、発見から早期治療までの流れを抜本強化します。
 ワクチンについては、医療従事者の方から、三回目の接種を始めました。二回目の接種から八か月以降の方々に順次、接種することを原則としておりましたが、感染防止に万全を期す観点から、既存ワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認されるモデルナを活用して、八か月を待たずに、できる限り前倒しします。
 無料で受けられる検査を抜本的に拡充します。三千二百億円を計上し、健康上の理由でワクチン接種を受けられない方や、感染拡大時については、無症状の方でも、無料で検査を受けられるようにします。
 今後の切り札となる、飲める治療薬は、年内の薬事承認を目指します。既に百六十万回分を確保しました。薬事承認が行われ次第、速やかに医療現場にお届けします。
 第三に、息の長い、感染症危機への対応体制を整えます。
 今回の感染症危機では、海外産ワクチンを活用しましたが、変異株も含め、次の感染症危機に備えるため、国産ワクチン、治療薬の開発・デュアルユースでの製造に、五千億円規模の投資を行います。
四 経済回復に向けた支援
 新型コロナでお困りの方の生活を支え、事業の継続と雇用を守り抜きます。
 かねてより申し上げているとおり、経済的にお困りの世帯、厳しい経済状況にある学生、子育て世帯に対し、給付金による支援を行います。特に生活に困窮されている方には、生活困窮者自立支援金の拡充など、様々なメニューを用意します。総額七兆円規模を投入します。
 事業者向けには、二・八兆円規模の給付金により、事業復活に向けた取組を強力に後押しします。
五 未来社会を切り拓く「新しい資本主義」
 一九八〇年代以降、世界の主流となった、市場や競争に任せれば、全てがうまくいく、という新自由主義的な考えは、世界経済の成長の原動力となった反面、多くの弊害も生みました。
 市場に依存し過ぎたことで、格差や貧困が拡大し、また、自然に負荷をかけ過ぎたことで、気候変動問題が深刻化しました。
 これ以上問題を放置することはできない。米国の「ビルド・バック・ベター」、欧州の「次世代EU」など、世界では、弊害を是正しながら、更に力強く成長するための、新たな資本主義モデルの模索が始まっています。
 我が国としても、成長も、分配も実現する「新しい資本主義」を具体化します。世界、そして時代が直面する挑戦を先導していきます。
六 新しい資本主義の下での成長
(1)イノベーション
 科学技術によるイノベーションを推進し、経済の付加価値創出力を引き上げます。 
 十兆円の大学ファンドを年度内に創設するとともに、イノベーションの担い手たる研究者が、大学運営ではなく、研究に専念できるよう、研究と経営の分離*3を進めます。
 さらに、地域の中小企業と連携した大学発ベンチャーの創出にも取り組みます。
(2)デジタル田園都市国家構想*4
 新しい資本主義の主役は地方です。
 四・四兆円を投入し、地域が抱える、人口減少、高齢化、産業空洞化などの課題を、デジタルの力を活用することによって解決していきます。
 デジタル田園都市国家構想実現会議の下、「デジタル田園都市国家構想」を推進します。
 世界最先端のデジタル基盤の上で、自動配送、ドローン宅配、遠隔医療、教育、防災、リモートワーク、スマート農業などのサービスを実装していきます。
(3)気候変動問題*5
 人類共通の課題である気候変動問題。この社会課題を、新たな市場を生む成長分野へと大きく転換していきます。
(4)経済安全保障
 国が、五千億円規模に向けた基金を設け、人工知能・量子・ライフサイエンス・宇宙・海洋といった世界の未来にとって不可欠な分野における研究開発投資を後押しします。
七 新しい資本主義の下での分配
 国が率先して、看護・介護・保育・幼児教育などの分野において、給与の引き上げを行います
 介護、保育、幼児教育の現場で働く方については、来年二月から三%、年間十一万円程度給与を引き上げます。
 看護職の方を対象に、まずは、地域で新型コロナ医療対応など、一定の条件を満たす医療機関で勤務する方については、段階的に三%、年間十四万円程度給与を引き上げていきます。
 その上で、民間企業の賃上げを支援するための環境整備に全力で取り組みます。
 下請けGメン倍増による下請け取引の適正化や、大企業と中小企業の共存共栄のためのパートナーシップ構築宣言推進により、賃上げに向けた環境を整えます。
 建設業では、官と民が協働して、公共調達単価の引き上げや下請けの適正発注の徹底により、直近六年間で年平均二・七%と、全産業平均を大幅に上回る賃上げを実現しました。こうした官民協働の取組を、他業種に広げます。
 世界の物価が上昇し、我が国に波及する懸念が強まる中、我が国経済を守るためにも、賃上げに向け、全力で取り組みます。
 非正規雇用の方を含め、学び直しや職業訓練を支援し、(ボーガス注:失業者の?)再就職や(ボーガス注:非正規の?)正社員化、ステップアップを強力に進めます。
日本の未来を担う「若者世代・子育て家庭」にターゲットを置き、その所得を大幅に引き上げることを目指していきます。
 カギは、「人への分配」に加え、「男女が希望通り働ける社会づくり」、社会保障による負担増の抑制」です。
 全世代型社会保障構築会議を中心に、女性の就労の制約となっている制度の見直し、勤労者皆保険の実現、子育て支援、家庭介護の負担軽減、若者・子育て世帯の負担増を抑制するための改革、さらには、こども中心の行政を確立するための新たな行政組織の設置に取り組んでいきます。
 これらの政策を総動員することにより、分厚い中間層を取り戻していきます。

 「かなり長い引用になりましたが」岸田の所信表明演説の主な内容が「コロナ対策(感染防止、治療、そして生活困難者の支援)」と「新しい資本主義(岸田はこの言葉に明らかに格差是正新自由主義脱却のイメージを持たせようとしていますが)」であることが見て取れます(勿論拉致など明らかに重要課題扱いされていません。まあ、それは安倍や菅義偉も同じですが)。

看護・介護・保育・幼児教育などの分野において、給与の引き上げを行います*6
下請けGメン倍増による下請け取引の適正化
公共調達単価の引き上げや下請けの適正発注の徹底
職業訓練を支援し、(ボーガス注:失業者の?)再就職や(ボーガス注:非正規の?)正社員化
「若者世代・子育て家庭」にターゲットを置き、その所得を大幅に引き上げること
子育て支援、家庭介護の負担軽減
分厚い中間層を取り戻

など「新自由主義脱却」を印象づける言葉が多数登場している演説です(もちろんその一方で社会保障による負担増の抑制」という「新自由主義的な言葉」もありますが)。
 つまりは「紙屋や松竹が異常なまでにこだわる安保政策」などではなく「コロナ対策」と「経済政策&福祉政策(つうか、いわゆる新自由主義からの脱却)」で自民が勝った、立民や共産は負けたと「岸田はおそらく認識」しているし「そうした認識」には俺も同意します。
 「岸田なら菅と違うまともなコロナ対策をやるのではないか」「岸田なら格差是正をある程度やるのではないか」、そうしたイメージを野党共闘が「崩せなかったこと」が野党共闘共産党の「敗因の一つ」ではないのか(俺も敗戦後にこんな後出しじゃんけんを書いていて恥ずかしいですが)。
 だから岸田も所信表明演説でそこを主としてアピールする。「紙屋や松竹が異常なまでにこだわる安保政策」などこの所信表明演説では明らかにウエイトが置かれてない(勿論、それは岸田が「安保政策において何もしない」と言う意味ではありません。安倍ほどには「安保政策をアピールすること」に思い入れがない上に「安保政策など、国民受けせず、得票に役立たない」と言う理解の元、そこを積極的にアピールはしないという意味です)。
 であるのならば、共産党野党共闘が「本格的に取り組むべき」は自民に対抗した「コロナ対策」と「経済政策&福祉政策(つうか、いわゆる新自由主義からの脱却)」でしょう。間違っても、「紙屋や松竹が異常なまでにこだわる安保政策」などではない。
 つまりあえて言えば(あくまでもあえて、ですが)、「松竹や紙屋の理解とは逆に」俺は「左翼イメージが野党共闘に足りなかったが故に負けた」と思っています。
 「左翼イメージが足りなかった」というのが不適切なら「新自由主義からの脱却イメージが足りなかったから負けた(岸田の『新しい資本主義でも別にいい、それで新自由主義脱却としては十分ではないか』と思われたから負けた)」ですね。
 しかしこうなると「改憲の危機は当面ない(おそらく参院選まで岸田が封印するので)」と思われるものの、参院選で「改憲派2/3」となれば岸田は「ここぞばかりに改憲に打って出る」でしょう。
 それを「封じるため」にはやはり共産党野党共闘が「本格的に取り組むべき」は「コロナ対策」と「経済政策&福祉政策(つうか、いわゆる新自由主義からの脱却)」でしょう。
 「岸田の『新しい資本主義』ではだめなんだ」ということをわかりやすく、説得力ある言葉で伝えていく必要があります。
 なお、「我ながら、共産支持者としての負け惜しみ、ひいきの引き倒し」が「かなりある」とは思いますが「新自由主義・極右(明らかに共産とは逆方向)」の維新の躍進はともかく、「新自由主義脱却派ぶる岸田自民の巻き返し」は「共産党市民連合などの自民批判もあって岸田が舌先三寸でも新自由主義脱却を言わざるを得なくなった」と言う意味では「共産、市民連合などのある種の手柄」といっていいのではないか。

*1:江田三郎を尊敬している」と語るid:kojitaken氏が立民代表選きょう告示。小沢一派が推す泉健太だけは絶対に当選させるな - kojitakenの日記ブルーリボンバッジをつける泉健太を立民の代表に押し上げたと同じ向きのベクトルを持つ力が、日野を「立憲ユース」の副代表にした - kojitakenの日記で泉を批判し「逢坂や西村」を「よりましな候補」と評価してることでわかるように「共産党支持者ではない社民左派」ですら泉支持など普通しません。松竹の右傾は半端ないですね(呆)。本当にとっとと松竹には離党してほしい。まあ「萩原遼みたいに除籍」でもかまいませんが。

*2:共産党も一応「祝辞」は出しましたが、どう見てもリップサービスでしょう。「泉が反共右翼で野党共闘を壊したがってること」は「アホの松竹」と違い、さすがに理解してるでしょう。

*3:「研究と経営の分離」と言えば聞こえはいいですが「教授会の力を弱め、『外部の財界人や政治家などからなる理事会など』の力を強める」という形での「教員自治の否定」と言うふざけた話でしょう。

*4:岸田の話を単純化すれば、要するに「デジタル化で生活が便利になりバラ色の未来」と言う話です。

*5:明らかに「グリーンニューディール的なイメージ」を与えようとする岸田です。とはいえ「脱原発」「再生可能エネルギー」と言った言葉は全く出てきませんが。

*6:つまりは「いわゆるエッセンシャルワーク」あるいは「介護、医療、教育」の重視ですね。