今日の産経ニュース(2021年12/8~12日分)

ニューカレドニア独立否決 賛成派、投票結果拒否も - 産経ニュース
 独立したらおそらくフランスが経済支援を辞めるわけで「それで経済的にやっていけるか」という懸念が大きかったのでしょう。とはいえそれはもちろん「フランスに対して不満がない」ということではないでしょう。今後フランスが思い上がった態度をとれば、再度「独立論は浮上する」でしょうし、その際に、場合によっては、つまり「経済的に食える状況に仮にある」のなら、「独立派の政治的勝利すら」あり得るのではないか。


【産経抄】12月12日 - 産経ニュース

 日本大学の「ドン」と呼ばれた前理事長の田中英寿容疑者が塀の向こうに消え*1、黙っていた人たちがようやく口を開いた。加藤直人学長いわく、実権を握られた13年余り、理事会は前理事長の言いなりだったという。

 「そんなことでいいのか!」と非難する産経ですが、東京裁判東条英機*2元首相らが死刑になっても、「東条らは間違ってない、あの戦争はアジア解放の聖戦だ」と居直る産経よりは「日大の方がずっとまし」でしょう。
 あるいは「名誉毀損裁判で阿比留が二度も敗訴しても、論説委員に出世させる産経よりはマシ」といってもいい。
 そういえば田中角栄*3元首相がロッキード事件で起訴されても、有罪判決*4が出ても「最大派閥田中派のボス」として権力を保ち続けたこと(たとえば大平正芳*5福田赳夫*6に総裁選で勝利したのは盟友・田中の協力が大きい)、田中の権力喪失は彼が「脳梗塞で倒れ、言語能力に支障を抱え、それを契機に子分・竹下登*7が事実上、田中派を乗っ取ったからであること」は有名ですが、産経的には「起訴されて有罪判決が出ても田中が有力政治家であり続けたこと」は「日大以下の不祥事、汚点」と評価されるのかどうか。


世田谷一家殺害 未解決のまま21年 「情報が解決の糸口に」 - 産経ニュース
 残念ながら「今更どうにもならない」でしょう。そもそも当初の時効は「15年」ですしね。15年以上たってまともな証拠が出てこない事件が「今後解決する可能性」は「よほどの僥倖がない」限りまずあり得ない話です。


ユダヤ難民救った樋口中将 北海道に銅像建立へ実行委設立 - 産経ニュース
 以前も別記事で指摘しましたが、実は「杉原千畝の功績」とは全く違い、「樋口が本当にユダヤ人を救出したかどうか?」自体にまともな証拠は何もなく「そんな事実はない疑い」も濃厚です。
 それは、この産経記事の

その数は2万人におよぶとも言われており

でも明白でしょう。「確実な証拠」があるのならば救出者数について「言われており」などという曖昧な書き方になるわけがない。
 にもかかわらず銅像を建てるなどと言うのは「歴史捏造主義」「デマの流布」以外の何物でも無い。


茂木氏「違和感」 大岡副大臣の党支部が助成金受給 - 産経ニュース
 「党として調査し問題があれば処分する」といえないあたり自民らしいでたらめさです。
 「返金してすむ問題」ではない。「泥棒しても後で返せばいいのか?」という話です。


石原官房参与が辞任へ 助成金受給めぐり - 産経ニュース
 これで石原伸晃*8も完全に政治生命が終わったとみていいのでしょう。


維新代表、30人で2時間半会食「反省」 - 産経ニュース
 「給与の返納」などするならまだしも「舌先三寸の反省」で済ませようとするのだから維新のでたらめさには心底呆れます。


【一筆多論】「大東亜戦争」と呼ぼう 岡部伸 - 産経ニュース
 勿論そんなことをすれば「大東亜共栄圏を掲げたあの戦争を美化してるのか」と疑われるので、すべきではない(勿論、産経らウヨの場合は美化する気でしょうが)。
 「当時そう読んでいた」などというのは全く理由になりません。ならば産経は日中戦争を「シナ事変」というのか(平然と言いそうではありますが)。
 そして「地名として適切か」という意味でも「サイパン」「パラオ」など「戦場となった太平洋の島々」を「大東亜」といえないでしょう。あれらの島々はアジアではない。そもそも「東亜」は「東アジア(中国、韓国など)」を意味するのに「大東亜」だと「東南アジアやサイパンなどを含む」というのは「わかりやすい適切な用語法」とは思えません。「太平洋戦争(あるいはアジア・太平洋戦争)」の方が適切でしょう。と言うか今時ウヨ以外「大東亜戦争」なんて言いませんが。
 なお、こうなったのはもともと「東亜新秩序」を掲げて始まった日中戦争を、真珠湾攻撃やマレー攻撃によって「東南アジア」などに拡大するに当たって「大東亜共栄圏」を掲げたからです(それ以前はおそらく「大東亜」と言う言葉はなかった)。「東亜」に「大」をつけただけとは実に安直ですが。


自民改憲実現本部が会合 国民の機運醸成へ - 産経ニュース
 「バリアフリーの実現」など「国民の機運が低いが、やるべきと考えられてること」ならともかく「改憲」なんてもんはそんなものではない。「機運がないなら改憲しなければいい」だけの話であり、馬鹿馬鹿しいとしか言い様がない。


自民・茂木氏、連合会長と会談 - 産経ニュース
 共産党を異常なまでに敵視する一方で、自民党幹事長と会談というのだから心底呆れます。「まさに労働貴族」というべきでしょう。

*1:逮捕されたとはいえ、当人は容疑を否定しており、推定無罪であり「有罪判決が出たわけではない」ので「塀の向こうに消え」は適切な表現ではないでしょう。

*2:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任

*3:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、などを経て首相

*4:ただし最高裁に上告中に田中が死亡したので田中生前に確定判決は出ていない

*5:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*6:岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*7:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*8:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、自民党幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任