今週の『青天を衝け』の渋沢描写が見るに堪えない

 演技が酷いとかそういう話ではなく「政治的、歴史的な意味あい」です。
 確かに「財界の大物」渋沢栄一(主人公)が「日露戦争」開戦前において、政府の要請で「ロシアとの戦争における日本の正当性」を訴え、「戦費獲得」のために外債募集に動いたこと(当時の日本は税金だけでは戦争が困難なので)は「事実」なのでしょうが、それをそのまんま批判もせずに描いたのでは、自民党の圧力で「日露戦争(ひいてはその後の韓国植民地化)の正当化をNHKがやってる」と疑われても文句は言えないでしょう。
 後で「批判的な言及」が何かあればいいですが、多分ないんでしょうねえ。
 正直「近現代史の実在の人物」というのは「そうした政治的問題」が多くの場合「不可避」なので、「安易にドラマ化すべきではない」でしょう。
 「歴史学的な正しさ」はともかく来年の大河ドラマの主人公「北条義時」などはそうした「政治的に不安な点」なないところは「安心して見れます」。