珍右翼・高世仁に突っ込む(2021年12/14日分)(副題:今日も高世に悪口する)

ネット上の誹謗中傷と既存メディア - 高世仁のジャーナルな日々
 前半はDappi批判でまともですが後半から

 ネットの誹謗中傷・炎上について、作家・監督の森達也*1がこんな指摘をしている*2
ツイッター匿名率世界比較で、日本は匿名率が圧倒的に高い。75.1%です。アメリカ35.7%でイギリスは31,0%。ほぼ独走状態。匿名だからこそ平気で人を罵倒できるし、追い詰めることができる。」
「韓国も一時、ひどかったんです。SNSで誹謗中傷を受けた映画女優とか何人か自殺した。あの時に韓国は、実名制などを一時は導入しただけでなく、ツイッターユーザーも匿名をやめて名前を出そうとする動きを見せた。現在の韓国の匿名率は31.5%です。」
(『創』11月号「岐路に立たされたジャーナリズムの危機的現実」より)
 今の日本人は、人前で意見をはっきり言うことをいやがる傾向にあるようだ。(ボーガス注:ジンネット時代に?)私も経験があるが、カメラを持ってごく普通の街頭インタビューをするさいでも、応じる人が非常に少ない*3。応じてくれても、「顔はモザイクかけてミッキーマウスみたいな声にして」などと注文する人がいる。外国から日本に来た人は、テレビを見てモザイクの多さに驚く。異常だという。
 人前では何も言わずに、陰で匿名でコソコソ言う*4。これなら責任を取らないですむ。これでは民主主義的な言論に相応しくない。

などと書いて「そもそも匿名批判が卑怯だ」という無茶苦茶な話になっていきます。
 こうした高世の無茶苦茶な主張には以前、このようなことをプロのジャーナリストが発言するのはさすがに驚かされる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)という批判をid:Bill_McCrearyさんがされていますが。
 高世に反論しておけば、まず第一に「実名批判」した場合、「批判相手の恫喝や報復」が危惧される場合は「匿名にせざるを得ない」でしょう。わかりやすい例では「ウォーターゲート事件」のいわゆる「ディープスロート*5」がそうです。
 小生も「田中均氏の退官」を目にしながら、「実名で横田早紀江ら家族会を批判する度胸」は「残念ながらありません」。「我々に忖度やタブーはない」を豪語し「政財官界の不祥事を厳しく批判する」あの「共産党」ですら早紀江批判からは逃げてますからね。しかし小生は「早紀江ら家族会」の無法さが許せず「ブログで批判したい」わけです。そこで匿名*6で批判する。
 『高世が紹介する森氏の言葉』に寄れば

ツイッター匿名率世界比較で、日本は匿名率が圧倒的に高い。

だそうですが、それが事実だとして、それは「匿名の日本人が卑怯」というより「匿名にしない場合、所属組織など(出身地域、出身校、勤務会社、今住んでいる地域社会)から報復を受けることを恐れる日本人がそれだけいる」ということではないのか(もちろんそれは「ある意味異常な状況」ですが)。
 大体、こんなことを言う高世は「新聞、雑誌読者の投稿」「テレビ、ラジオ視聴者の番組への投稿」でときどき「匿名希望*7」があるのも「卑怯」というのか。

デスノート原作者の大場つぐみ(『ガモウひろしの別名義説』があるが集英社側は否定)
◆自称イタリア人*8パオロ・マッツァリーノ*9

など、いわゆる匿名作家、覆面作家*10(年齢、性別、経歴など非公開の作家)も高世的には「卑怯」なのか?(覆面作家 - Wikipedia参照)。
 もちろん「偽ユダヤ人のイザヤ・ベンダサン(正体は翻訳者を名乗る*11山本七平)」は「卑怯」ですが、それは「ユダヤ人でない人間がユダヤ人を名乗ってる上、そのユダヤ知識がでたらめだから」であって匿名それ自体が問題なのではない。一方「パオロ・マッツァリーノ」の場合は「おふざけ」であることがモロバレだから問題は無い。
 第二に問題は「匿名かどうか」ではなく「内容が真実かどうか」である。
 第三に「名誉毀損」で「産経の阿比留(小西洋之氏、辻元清美氏)」「はすみとしこ、杉田水脈(伊藤詩織氏)」が民事提訴されたことで分かるように「実名で名誉毀損する輩」はいる。勿論「匿名が誹謗を助長することはあります」がそれは「匿名=誹謗」「実名=正論」と言う話ではない。まともな人間は匿名でも誹謗しないし、下劣な人間は実名でも誹謗する。
 第四にDappiの問題は「匿名であること」それ自体ではなく「自民党が党の資金をDappi運営会社に支払って、立民や共産への誹謗中傷をやらせていた(しかもDappiの行為は名誉毀損公選法違反に当たる疑い濃厚なので自民党とのつながりを隠していた)」という「疑惑があること」でしょうに。
 1)Dappiの野党批判が「デマではない」、2)Dappiの行為が「自民党から金をもらったことによる物でない」ならDappiが匿名だろうが誰も問題にしません。
 一方で、実名だろうが、1)野党非難がデマで、2)その人物(例えば櫻井よしこ)の行為が自民から金をもらったことによる物ならば批判の対象です。
 高世がこんなことを書くのは俺やid:Bill_McCrearyさんの批判、たとえば

これじゃあ「ジャーナリスト」でなくて「反北朝鮮活動家」だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2012.2.27
このようなことをプロのジャーナリストが発言するのはさすがに驚かされる - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2015.12.4
そういう例を出すのなら、拉致問題だってやっぱり金(対価)次第じゃないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2018.11.15
そういうことであるなら、小泉元首相、田中均氏、蓮池透氏らに陳謝する用意くらいはあるんだろうな - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2020.12.21
北朝鮮が崩壊する前に自分の会社を倒産させた無様で無残な話 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.4.18
けっきょく「横田めぐみ拉致問題における安明進証言」などというものにのっかったのが、高世仁が会社をこかした淵源(の少なくとも1つ)ではないか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.5.25
巣食う会とか家族会系の連中とかかわった北朝鮮関係の言論人は、その後ろくな状況でないと思う(関川夏央や高世仁、恵谷治、李英和ほか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)2021.7.14

などに「匿名で俺の批判をしやがって!」と反発してるからでしょう(俺の高世関連記事は多数あり、そのほとんどが高世批判なので改めての紹介は省略します)。
 しかし、ここで、「俺やid:Bill_McCrearyさんの批判」に対して「ボーガスらの匿名批判は卑怯だ」といえないあたりが高世の滑稽なところです。「ボーガスらの批判は間違ってない」「高世の拉致問題での態度はおかしい」などの反応が来ることがよほど怖いのでしょう。だったら最初からこんなあほ記事書くなという話ですが。
 それにしても「ワイドショーの小室君個人攻撃は酷かった」ねえ。おそらく「ボーガスらは俺(高世)への個人攻撃を辞めろ」とでも言いたいのでしょうね。
 「救う会や家族会の田中均氏への酷い個人攻撃」を容認したクズ「高世」がよくも言ったもんです。
 全くそういうことであるなら、小泉元首相、田中均氏、蓮池透氏らに陳謝する用意くらいはあるんだろうな - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)ですね。

*1:著書『「A」:マスコミが報道しなかったオウムの素顔』、『職業欄はエスパー』(以上、2002年、角川文庫)、『悪役レスラーは笑う:「卑劣なジャップ」グレート東郷』(2005年、岩波新書)、『世界が完全に思考停止する前に』(2005年、角川文庫)、『下山事件(シモヤマ・ケース)』(2006年、新潮文庫)、『クォン・デ:もう一人のラストエンペラー』(2007年、角川文庫)、『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』(2007年、集英社新書)、『視点をずらす思考術』(2008年、講談社現代新書)、『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』(2008年、ちくま文庫)、『ぼくの歌、みんなの歌』(2012年、講談社文庫)、『死刑』、『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』(以上、2013年、角川文庫)、『いのちの食べかた』(2014年、角川文庫)、『たったひとつの「真実」なんてない:メディアは何を伝えているのか?』(2014年、ちくまプリマー新書)、『「テロに屈するな!」に屈するな』(2015年、岩波ブックレット)、『オカルト』(2016年、角川文庫)、『ニュースの深き欲望』(2018年、朝日新書)、『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』(2018年、講談社文庫)、『すべての戦争は自衛から始まる』(2019年、講談社文庫)、『FAKEな日本』(2020年、角川文庫)、『U:相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(2020年、講談社現代新書)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか:生粋の文系が模索するサイエンスの最先端』(2020年、ちくま文庫)、『桃太郎は鬼ヶ島をもう一度襲撃することにした』(2021年、ワニブックスPLUS新書) など

*2:『俺だけじゃない、森も匿名を批判している』と言いたいらしい高世には失笑です。別に俺にとって森氏は「権威者でも何でも無い」ので「森氏は何バカなこと言ってるんだろう?」ですね。

*3:そもそも応じる義務はどこにもないのに何をバカなことを言っているのか。また応じない人間の中には「テレビやラジオに顔を声を出したくない(高世)」という人もいるでしょうが、すべてそうだと決めつける高世の主張には何の根拠もない(そもそもそうした「顔や声を出したがらない人」を「匿名なら陰口三昧」であるかのように印象操作する高世もゲスですが)。「忙しいから」「(応じようと思えば応じられるが)街頭インタビューに応じる時間がもったいない」「特にメディア相手に話したいこともない」「右翼のフジテレビは大嫌いだから(NHKなら応じてもいい)」などと言う人だっているでしょう。

*4:街頭インタビューの何が「匿名でこそこそ」なんですかね。ネットでデマ中傷するのと全然違うでしょう。

*5:まあ、この場合はディープスロートとつきあいのあるメディア企業には実名は分かっていますが

*6:とはいえ、勿論はてな社などには実名は分かっていますが

*7:まあ、この場合は「投稿先であるメディア企業」には実名は分かっていますが

*8:どう見ても「イザヤ・ベンダサン」「ポール・ボネ」「ヤン・デンマン(週刊新潮)」などインチキ外人のパロディです。

*9:個人サイト反社会学講座ブログ。著書『つっこみ力』(2007年、ちくま新書)、『反社会学講座』(2007年、ちくま文庫)、『続・反社会学講座』(2009年、ちくま文庫)、『日本列島プチ改造論』(2012年、角川文庫)、『誰も調べなかった日本文化史:土下座・先生・牛・全裸』(2014年、ちくま文庫)、『「昔はよかった」病』(2016年、新潮新書)、『みんなの道徳解体新書』(2016年、ちくまプリマー新書)、『日本人のための怒りかた講座』(2016年、ちくま文庫)、『世間を渡る読書術』(2017年、ちくま文庫)、『歴史の「普通」ってなんですか?』(2018年、ベスト新書)、『偽善のトリセツ: 反倫理学講座』(2019年、河出文庫)、『サラリーマン生態100年史』(2020年、角川新書)など

*10:まあ、この場合は彼らと付き合いのあるメディア企業(大場の場合の集英社、パオロの場合の筑摩書店など)には実名は分かっていますが

*11:翻訳者を名乗りながら批判派に「ならば翻訳前の原文を見せて下さい」と批判派に言われて「黙り」というのだから無様な男です。