常岡浩介に突っ込む(2021年12月31日、2022年1月1日分)

◆常岡浩介*1ツイート

常岡浩介
 どれくらいの旅客が見込めるかといった調査もろもろが5日間で完了するとは思えない。つまり、なにもかもすっ飛ばす独裁体制を証明してるだけでは?
「なぜ直通ない」プーチン氏が調査約束…5日後に直通列車が誕生 | 毎日新聞
 「鶴の一声」は健在。
 ロシアの主要テレビ「第1チャンネル」は31日までに、西部マリーエル共和国から北西部サンクトペテルブルクに向かう直通夜行列車の運行がプーチン大統領の指示で実現し、最初の列車が28日深夜に出発したと伝えた。
 23日のプーチン氏の年末記者会見で地元紙の記者が「共和国の首都ヨシュカルオラから、サンクトペテルブルクのような大都市に列車で乗り換えなしに行けないのはなぜか」と質問。プーチン氏が調査を約束していた。わずか5日で新列車を走らせたことになる。
 ヨシュカルオラからの長距離列車は50年以上にわたりモスクワ行きだけだった。

 俺もこれは「プーチン体制の問題点を露呈している」とは思います。
 とはいえ、それは常岡の言うようなことではない。
 常岡は「プーチン発言直後、ろくな調査もせずに5日で直通列車を強行した(プーチン独裁の証明)」と描き出そうとしますが、それはさすがに「非現実的」でしょう。
 これはむしろ「いわゆる出来レース質問、やらせ質問」と見るべきではないのか。
 というか、本当は常岡も「出来レース」の疑いには気づいた上で「ろくな調査もせずに5日で直通列車を強行」と描き出すのが「プーチン批判として有効」と思って「出来レースの可能性」を故意に無視してるだけでしょうが。
 つまり「直通列車の開通自体は質問以前から内定していた」がプーチンの「鶴の一声」で決まったかのように「演出」し「プーチンの力の強大さ」をアピールする*2ため、プーチン政権(おそらく親プーチンであるだろうマリーエル共和国の政権を含む)の息のかかった記者に「出来レース質問」させたということです。
 日本だって「読売による『前川バー通い報道(明らかに安倍官邸の仕込み)』」があるのだからロシアにそうしたことがあってもおかしくない。まあ、出来レースの証明は必ずしも容易ではないでしょうが。
 「質問後5日で実現」というあまりのハイスピードなので、「出来レース」と疑う俺も、例えば「3ヶ月後」など「通常かかると思われる時間」なら出来レースとは疑わない普通の質問ですし。

常岡浩介
 来年*3の抱負は旅券奪回

常岡浩介
 新年の抱負は旅券奪回

 そんなことより常岡が起こした行政訴訟の現状について報告しろ、ですね。そもそも「旅券奪回」を目的として起こした訴訟の「はず」ですし。したがって「来年(あるいは新年)の抱負は裁判勝利による旅券奪回」というべきでしょうに、なんでツイートに「裁判」についての言及が全くないのか。
 「相手に起こされて被告になった訴訟」について「(敗訴しそうなど)自分に都合が悪いので黙り」というのは理解できる。常岡のように「原告として自分が起こした訴訟について何の報告もしない人間」というのは全く理解に苦しみます。そんな人間は「常岡以外には」見たことが未だかつて無い。

常岡浩介がリツイート
有田芳生*4
【2021年読書 私的ベスト5】
 2002年に講談社文庫になった高世仁さん*5の『拉致』。いまや古典です。小泉訪朝の2002年9月17日。平壌に向かう機内で外務省担当者たちが読んでいた名著です。何度目かの再読です。

 吹き出しました。高世の本がそれほどの「名著」とは俺は思いません。本当に「外務官僚が読んでいたかも疑問」ですし、何故ここまで有田氏が「ジンネット倒産後はオワコン」の高世にへいこらするのかさっぱり分かりません。
 つうか拉致関係でプッシュするならむしろ「安倍や家族会、救う会拉致議連に批判的な」

高嶋伸欣*6拉致問題で歪む日本の民主主義』(2006年、スペース伽耶
蓮池透*7『拉致』(2009年、かもがわ出版
青木理*8『ルポ 拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総連』(2011年、岩波書店
蓮池透『13歳からの拉致問題』(2013年、かもがわ出版
蓮池透拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年、講談社
◆太田昌国*9『【増補決定版】「拉致」異論』(2018年、現代書館
◆和田春樹*10『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)

でもプッシュしたらどうなのか。
 高世なんぞにみっともなくこびてる時点で俺的には「有田はどうしようもないバカだな」ですが、それはさておき。
 常岡が必死に高世にこびようとしているのには吹き出すとともに呆れます。
 よほど『イスラム国とは何か』(2015年、旬報社)の共著者「高世」に見捨てられたことがつらいのでしょう。必死に高世にこびて今の苦境を打開したいのでしょう。
 とはいえ高世が「プライドが高くて扱いづらいのに、無能で何の利益ももたらしてくれなかった」常岡を今更助けることはないでしょう。
 と言うか高世自体「ジンネット倒産後は事実上オワコン」で常岡に何か出来るような体力は無いでしょう。
 高世の方こそ「俺の方こそ誰かに助けてほしいわ」でしょう。
 なお、「有田氏のその他のベスト」としては

有田芳生
石牟礼道子*11苦海浄土』 (講談社文庫)
◆岡田充*12共同通信客員論説委員『米中新冷戦の落とし穴:抜け出せない思考トリック』(2021年、花伝社) 
◆樋田毅*13『彼は早稲田で死んだ:大学構内リンチ殺人事件の永遠』(2021ねん、文藝春秋

とのこと。

*1:著書『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2011年、アスキー新書)など

*2:勿論「それ」が「意味あることだ」とプーチンや取り巻きが思ってるのでしょう。俺個人は「馬鹿馬鹿しい」と思いますが。

*3:2021年でのツイートなので2022年のこと

*4:著書『歌屋 都はるみ』(1997年、文春文庫)、『テレサ・テン十年目の真実:私の家は山の向こう』(2007年、文春文庫)、『何が来たって驚かねえ!:大震災の現場を歩く』(2012年、駿河台出版社 )、『ヘイトスピーチとたたかう!:日本版排外主義批判』(2013年、岩波書店)、『50分でわかる!立憲民主』(2019年、弓立社新書)

*5:著書『スーパーKを追え』(1997年、旬報社)、『娘をかえせ息子をかえせ:北朝鮮拉致事件の真相』(1999年、旬報社)、『金正日「闇ドル帝国」の壊死』(2006年、光文社)、『神社は警告する:古代から伝わる津波のメッセージ』(共著、2012年、講談社)など

*6:琉球大学名誉教授。著書『八〇年代の教科書問題』(1984年、新日本新書)、『旅しよう東南アジアへ:戦争の傷跡から学ぶ』(1987年、岩波ブックレット)、『教育勅語と学校教育』(1990年、岩波ブックレット)など

*7:著書『私が愛した東京電力福島第一原発の保守管理者として』(2011年、かもがわ出版)、『告発:日本で原発を再稼働してはいけない三つの理由』(2018年、ビジネス社)

*8:著書『日本の公安警察』(2000年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、講談社現代新書)、『絞首刑』(2012年、講談社文庫)、『増補版・国策捜査:暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(2013年、角川文庫)、『トラオ:徳田虎雄・不随の病院王』(2013年、小学館文庫)、『抵抗の拠点から:朝日新聞慰安婦報道」の核心』(2014年、講談社)、『青木理の抵抗の視線』(2014年、トランスビュー)、『ルポ国家権力』(2015年、トランスビュー)、『誘蛾灯:二つの連続不審死事件』(2016年、講談社+α文庫)、『日本会議の正体』(2016年、平凡社新書)、『安倍三代』(2019年、朝日文庫)、『暗黒のスキャンダル国家』(2019年、河出書房新社)、『時代の抵抗者たち』(2020年、河出書房新社)、『時代の異端者たち』(2021年、河出書房新社)、『情報隠蔽国家』(2021年、河出文庫)、『破壊者たちへ』(2021年、毎日新聞出版)など

*9:著書『「異世界・同時代」乱反射』(1996年、現代企画室)、『「ペルー人質事件」解読のための21章』(1997年、現代企画室)、『ゲバラを脱神話化する』、『日本ナショナリズム解体新書』(以上、2000年、現代企画室)、『「国家と戦争」異説』(2004年、現代企画室)、『暴力批判論』(2007年、太田出版)、『チェ・ゲバラプレイバック』(2009年、現代企画室)、『テレビに映らない世界を知る方法』(2013年、現代書館)、『極私的60年代追憶』(2014年、インパクト出版会)、『〈脱・国家〉情況論』(2015年、現代企画室)、『さらば! 検索サイト:太田昌国のぐるっと世界案内』(2019年、現代書館)など

*10:東京大学名誉教授。著書『血の日曜日ロシア革命の発端』(共著、1970年、中公新書)、『農民革命の世界:エセーニンとマフノ』(1978年、東京大学出版会)、『私の見たペレストロイカゴルバチョフ時代のモスクワ』(1987年、岩波新書)、『北方領土問題を考える』(1990年、岩波書店)、『ペレストロイカ:成果と危機』(1990年、岩波新書)、『開国:日露国境交渉』(1991年、NHKブックス)、『歴史としての社会主義』(1992年、岩波新書)、『金日成満州抗日戦争』(1992年、平凡社)、『歴史としての野坂参三』(1996年、平凡社)、『北朝鮮:遊撃隊国家の現在』(1998年、岩波書店)、『北方領土問題』(1999年、朝日選書)、『日朝国交交渉と緊張緩和』(編著、1999年、岩波ブックレット)、『朝鮮戦争全史』(2002年、岩波書店)、『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社)、『東北アジア共同の家:新地域主義宣言』(2003年、平凡社)、『同時代批評:日朝関係と拉致問題 2002年9月~2005年1月』(2005年、彩流社)、『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』(2005年、山川出版社)、『ある戦後精神の形成:1938〜1965』(2006年、岩波書店)、『日露戦争 起源と開戦(上)(下)』(2010年、岩波書店)、『これだけは知っておきたい日本と朝鮮の一〇〇年史』(2010年、平凡社新書)、『北朝鮮現代史』(2012年、岩波新書)、『領土問題をどう解決するか』(2012年、平凡社新書)、『「平和国家」の誕生:戦後日本の原点と変容』(2015年、岩波書店)、『慰安婦問題の解決のために』(2015年、平凡社新書)、『アジア女性基金慰安婦問題:回想と検証』(2016年、明石書店)、『米朝戦争をふせぐ:平和国家日本の責任』(2017年、 青灯社)、『レーニン:二十世紀共産主義運動の父』(2017年、山川出版社世界史リブレット人)、『ロシア革命』、『スターリン批判・1953〜56年:一人の独裁者の死が、いかに20世紀世界を揺り動かしたか』(以上、2018年、作品社)、『韓国併合110年後の真実:条約による併合という欺瞞』(2019年、岩波ブックレット)、『朝鮮戦争70年』(共著、2020年、かもがわ出版)、『慰安婦問題の解決に何が必要か』(2020年、青灯社)など

*11:1927~2018年。著書『十六夜橋』(1999年、ちくま文庫)、『食べごしらえおままごと』(2012年、中公文庫)、『妣たちの国』(2004年、講談社文芸文庫)、『椿の海の記』(2013年、河出文庫)、『西南役伝説』(2018年、講談社文芸文庫)、『魂の秘境から』(2022年、朝日文庫)など

*12:共同通信香港支局長、モスクワ支局長、台北支局長、編集委員論説委員を経て客員論説委員。著書『中国と台湾』(2003年、講談社現代新書)、『尖閣諸島問題』(2012年、蒼蒼社)、『「領土問題」の論じ方』(共著、2013年、岩波ブックレット)など

*13:著書『最後の社主』(2020年、講談社