「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年1/2日:島田洋一の巻)

【書評】『ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは』福田ますみ著 思想の押しつけ 戦えるか - 産経ニュース島田洋一
 「産経&島田」らしいあほ記事です。「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」とは単に「差別や偏見に当たる物言いはすべきではない」という当たり前の話でしかありません。
 例えば「表日本(東京や名古屋など大都市圏のある太平洋側)、裏日本*1日本海側)」「女だてら」「日本のチベット岩手県などの過疎地のこと)」「ちゃんころ(中国人への蔑称)」「バカでもチョン*2でも」「露助(ロシア人への蔑称)」等という言葉が最近「全くorあまり」使われない*3のも「ポリコレ」の一種です。
 「こじき→ホームレス」「シナソバ→中華そば、ラーメン」「シナチク→メンマ」「精神分裂病統合失調症」「私生子→非嫡出子」「痴呆症→認知症」「ライ病→ハンセン病」等も「ポリコレ」の一種です(ポリティカル・コレクトネス - Wikipediaも参照)。
 「産経&島田」も過去に「日本のチベット(石井一氏など)」発言等に対して「石井一*4チベットに失礼だ」等と言っていたのに、良くもこんな記事が書けたもんです。
 勿論「具体的なポリコレ主張」の中には「不適切なもの」もあり得るでしょうが、それは「ポリコレが間違ってる」と言う話ではない。

◆贈収賄事件など「違法なロビー活動」の存在を理由に「ロビー活動それ自体」を否定する
◆「太陽寺院」「オウム真理教」などの「違法カルト」の存在を理由に「宗教それ自体」を否定する

レベルの暴論が「産経&島田」であり、「(島田の紹介が正しければ、ですが)島田が紹介する福田本」です。
 しかし島田の「書評」を信じる限り、福田本(方丈社)は「ポリコレを不当に敵視する差別ウヨの寝言」でしかない。
 この「低レベルな阿呆ウヨの福田氏」が以前は『されど我、処刑を望まず:死刑廃止を訴える被害者の兄』(1998年、現代書館)なんて本を出していたというから「絶句」です。金のために「商売右翼に鞍替えした」のか。
 まあ、「内容の是非(読んでないので評価できません)」はともかく、

◆『でっちあげ:福岡「殺人教師」事件の真相』(2010年、新潮文庫
◆『暗殺国家ロシア』(2013年、新潮文庫
◆『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』(2019年、新潮文庫

と大手出版社から本を出していた福田氏が「方丈社」なんてマイナー出版社から著書を出すのも意味不明です。
【参考】

埼玉)「馬鹿でもチョンでも…」 自民県議が発言後撤回:朝日新聞デジタル2017.6.30
 「馬鹿でもチョンでもできる」
 県議会6月定例会の一般質問で29日、自民党県議団の日下部伸三県議(58)=南第3区(さいたま市西区)=が差別的表現を用い、その後撤回した。他会派からは「不穏当きわまりない発言」と非難の声が上がった。該当部分は議事録から削除される見通し。
 日下部氏は少子化対策の費用対効果に関する質疑の中で、県側の「多変量解析による検証は行っていない」とした答弁を批判。統計学的な手法を用いないならば「(政策は)はっきり言って、馬鹿でもチョンでもできる」と発言した。議場は騒然とし、日下部氏はすぐ「不適切な発言だった。撤回する」と述べた。
 チョンには「取るに足らない者」のほか、韓国・朝鮮人を差別する意味でも使われることがある。
 質疑後、日下部氏は記者団に「ああいう言葉を言う場面ではなかった。誰でもできるって言えばよかった」と話した。同県議団は日下部氏を厳重注意した。


◆島田のツイート

島田洋一
謹賀新年
 今年もよろしくお願いします。
 昨年末、心臓に違和感があり緊急入院、現在3日目です。
 病院スタッフのおかげで、息苦しさが消え、食欲も出てきました(もちろん病院食です)。
 他にすることがないので、しばらくスマホで研究、執筆に専念するつもりです。

 島田のツイート「緊急入院」が大げさなふかしではなく事実ならば「入院中に研究、執筆なんかすべきでないだろうに(体調的な意味で)」と思いますがよく考えたら「ウヨ論文の執筆はともかく島田はまともな研究論文なんか一度でも書いたことがあるのか?」と言うことに気づきました。

島田洋一
 公明党に関してよく「党の持ち味である清廉なイメージ」という枕詞が用いられる。私は一度もそう感じたことがない
公明、参院選に危機感 遠山氏在宅起訴で逆風強く - 産経ニュース
 公明党が夏の参院選に向けて危機感を強めている。昨年末、公明の衆院議員だった遠山清彦元財務副大臣らが貸金業法違反罪で在宅起訴されたのを受けて野党は17日召集予定の通常国会でも追及する構えで、党の持ち味である清廉なイメージが損なわれかねないためだ。

 俺も「安倍のモリカケ桜疑惑」を擁護するような公明にそんなイメージは全くなく、むしろそうしたイメージがあるのは共産党だと思いますし、過去に「砂利船汚職田代富士男」「リクルート事件の池田克也」

社会リポート/公明区議汚職で自公民/百条委設置否決、疑惑そのまま/東京・足立2005.6.12
 東京・足立区議会副議長も務めた公明党の忍足(おしたり)和雄議員(62)=辞職=が保養所の業務委託会社選定をめぐるあっせん収賄容疑で逮捕・起訴された

などと公明の議員が起訴されたこともあるのに「何を言ってるのか?」と思いますがそれはさておき。
 島田の場合「公明党のせいで中国非難決議が出来なかった」などという理由による公明非難でしかないので馬鹿馬鹿しい。
 そもそも安倍の「モリカケ桜疑惑」を擁護する輩がよくも言ったもんです。

*1:これについては阿部恒久『「裏日本」はいかにつくられたか』(1997年、日本経済評論社)、 古厩忠夫『裏日本:近代日本を問いなおす』(1997年、岩波新書)といった著書がある。

*2:「ちょっと足りない」の意味で精神障害者知的障害者を意味するとされる。昔は「バカチョンカメラ(バカでもチョンでも使えるカメラの意味でオートフォーカス機能付きコンパクトカメラのこと)」なんて言葉もありました。

*3:つうことで、これらの言葉を最近の若者はそもそも知らないでしょう。大変いいことです。

*4:海部内閣国土庁長官、羽田内閣自治相・国家公安委員長民主党国対委員長、選対委員長など歴任