リベラル21の「アンチ中国(アンチ習近平)」に突っ込む(2022年1/17分)

リベラル21 五輪を踏み石にゴールの党大会へ?それともコロナが・・・?(田畑光永

 今は中国にとって大変な時期であり、この時代を乗り切れるリーダーは習近平しかいない、というふうに多くの国民に思わせることが必要である。

 「リーダーが習近平しかいない」かどうかはともかく、米中対立が深刻な今「今は中国にとって大変な時期」であることは事実でしょう。そして多くの国民に思わせることが必要という田畑の言葉は、「皮肉にも」中国が「英米仏独などの複数政党制国家」とは同一視できないにせよ「ある種の民主性を持っていること(それが言い過ぎなら民衆の意思を無視して何でも出来るわけではないこと)」を示しているわけです。田畑ら反中国分子はそうした「ある種の民主性」を無視したがりますが。
 そうした「ある種の民主性」を指摘しているのが新刊紹介:「経済」2021年9月号(特集:中国と日本)(副題:浅井基文ブログ記事(中国関係)をこの機会に「多数」紹介する)(追記あり) - bogus-simotukareのブログで紹介した

「中国的民主」とは何か|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ2020.5.2
「人民」と「中国的民主」|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ2020.5.27
中国の「全過程民主」|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ2020.6.13
中国共産党統治に対する中国人の満足度|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ2020.7.20

といった浅井基文氏の記事であり、これだけでも俺は「浅井氏>絶対に越えられない壁>田畑、阿部治平らリベラル21のアンチ中国分子」ですね。まあ「リベラル21の民主性欠如(いつも寄稿者が固定メンバーの上、批判コメントは平然と掲載拒否)」を考えれば「中国の方がリベラル21よりましでは?」と言いたくなります。

 「農村に最後まで残っていた最貧困層1億人を貧困から脱出させた、これは世界史的な偉業である」とか、「コロナ禍で欧米では多くの死者を出したが、中国の死者は人口比では非常に少ない、これは中国の社会制度が優れているからである」とか、「中国はどこの国よりも多く、何億人分ものコロナ・ワクチンを他国に提供した」とか、「宇宙開発で大きな成果を上げた」とか、自国をほめそやす報道がこれほど多い国はほかにない。すべて「習近平新時代」のたまものと国民に刷り込むためである。

 習氏が三期目を狙うかどうかはともかく、「政府が自国の成果をアピールする」のは民主国家でもある話です。
 日本において「鳩山一郎首相の日ソ国交正常化」「佐藤首相の沖縄返還、日韓国交正常化」「田中首相日中国交正常化」などは宣伝されなかったとでも言うのか。

 習近平をトップにいただく政府は国民が首を傾げるようなことや、困っていることには素早く手を打って、社会を健全なものとするのに力を尽くすというアピールにも余念がない。
 大儲けしているアリババのような企業に独占禁止法違反や脱税などを理由に巨額の罰金を課したり、芸能人のファンクラブが募金の多寡で人気を競うのをやめさせたり*1、男性タレントの女性まがいの服装、態度をもてはやすのを禁じたり、かと思えば、激しい受験競争の産物である学習塾や予備校を取り締まったり、閉校させたり、学校での試験のやりかたに注文をつけたり、それなら子供はもっと遊ばせろというのかと思えば、家庭でオンライン・ゲームで遊ぶのを認める時間を週日は何時間、習末は何時間と細かく制限したり、とまあ口うるさいこと大変なものがあった。
 特に驚かされたのは、日本でもよく見かけるいわゆるテレビ・ショッピング番組で人気の商品プレゼンターの黄薇さん(芸名「薇娅」)というタレントに昨年末、浙江省杭州市の税務当局が脱税でなんと13.41億元(日本円でざっと240億円)という巨額の追徴金やら罰金やらを課したニュースだった。
 どんな事情があったのか分からないが、そんなに多額の追徴金やら罰金やらを課すところまで、いったい税務当局は何をぼんやりしていたのかという疑問がわく。なにかからくりが潜んでいるのではないかと勘繰ってしまう

 既に書きましたが赤字部分こそが「ある種の民主性」が中国にあることの証明の訳です。
 それにしても「巨額の追徴金や罰金」というだけでろくな根拠もあげずに「なにかからくりが潜んでいるのではないかと勘繰ってしまう」のだから田畑のバカさには呆れて二の句が継げません。

 政権の意向を忖度して庶民の不都合をないがしろにする事例は相変わらずである。最近ではこんな話が伝えられている。
 昨年12月22日の『人民日報』によれば、あの万里の長城の東端の街として有名な河北省秦皇島市山海関区の古城区域内(昔からの城壁内)では、去る2019年から石炭を燃やすことが禁じられているが、それが昨年からは薪を燃やすことも禁じられたという。
 記事は「現地の管理者は真面目に反省し、具体的な方法を提示して、民衆の現実の困難を解決すべきである」と言う

 勿論「温暖化防止」つう話でしょう。「生活の不便さ」はあるでしょうが、「温暖化」の問題を考えればなかなか難しい話です。
 「アンチ中国分子」田畑のように、河北省行政当局に悪口してすむ簡単な話でもないでしょう。
 なお、田畑は指摘しませんが、この記事が党機関紙『人民日報』と言う点が重要ですね。人民日報も何も「何でもかんでも政府万歳」ではないわけです。

 命令は党大会を控えてなんとか威信を高めたい習近平に自分の働きを認めてもらおうという役人たちのあがきと言える。

 習主席や「中国の一党独裁」がどうこうという話ではないですね。中国ではない「民主国家」でも「出世のために成果を上げよう」と役人が動くのは普通だし、その場合に「適切な認識でなければ」不具合が起こるのも当たり前の話です。無理矢理「中国の独裁批判」にこじつけてるのが全く馬鹿馬鹿しい。

*1:法律で規制することの是非はともかく、こうした行為への批判(CD購入金額などの多寡でファンを競わせるいわゆるAKB商法など)は日本でもあります。