珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年1/22日分)(副題:今日も高世に悪口する)

田口八重子さん拉致事件の謎2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 最大の矛盾は、北朝鮮田口八重子さんの拉致を認める一方で、「李恩恵なる日本人女性はいない」と言っていることだ。
 そもそも「李恩恵(リウネ)」という日本人女性がいたという金賢姫の証言ではじめて、八重子さんの拉致が分かったのである。

 高世は「李恩恵=田口さん」と決めつけていますが、それは「日本政府の主張」にすぎず、「ボーガスは北朝鮮シンパ」の誹りを受ける恐れをあえて犯せば「争いのない事実」ではありません(勿論、仮に『李恩恵が田口さんではない』としても故意に日本政府が嘘をついているとは思いませんが)。
 金の証言で分かったのは「彼女の日本語教育係が李恩恵なる人物で、それは『日本人拉致被害者らしい』」という事実に過ぎません。
 金の証言だけでは「李恩恵が誰か」は全く分かっておらず「その後の様々な情報(どんな情報かは『北朝鮮に手の内を明かすことを避けたい』という理由でしょうが必ずしも明らかにされてないと思いますが)」によって「田口さんの可能性が強い」と「推定された」にすぎません。
 それにしても、何で今回高世は「田口さん」云々なのかと思いましたが、要するに「大韓機爆破」をネタに北朝鮮に悪口したいだけなのだろうと言うことがうかがえます。高世もいつもながらくだらない男です。
 なお、仮に1)李恩恵が田口さんだとして、2)また、北朝鮮が「大韓機爆破への関与を公式に認めたくない」が故に「李恩恵=田口さん」と認めたくないと前提しての話ですが、それでも「田口さんの帰国(彼女が生きてる場合)」「田口さんの遺骨回収や死亡経緯の把握(彼女が死んでる場合)」は「困難ではあるにせよ不可能とまではいえない」でしょう。
 要するに「彼女が李恩恵かどうか、曖昧にした形で解決を図る」ということですが。
 「彼女の帰国なり遺骨回収なり」を最優先にすれば十分あり得る解決法です。ただし、「拉致を口実にした国交正常化妨害」が真の目的である救う会はそうした解決法を望まないでしょうが。
 なお、仮に「田口さんについて北朝鮮が帰国等に乗り気でない」にしてもそれは「だから拉致問題で交渉しなくていい」という話ではない。たとえ「たった一人でも」拉致被害者について「帰国(生きてる場合)」「遺骨回収や死亡経緯の把握(死んでる場合)」が可能なら交渉してしかるべきです。
 まあ、そもそも「俺個人は」1)日本人妻問題、残留邦人遺骨問題にも取り組むべきであり、救う会や家族会の言いなりになって「拉致最優先」を口実にそれらをネグる今の日本政府はおかしい、2)「拉致解決なくして国交正常化なし」ではなく「まずは国交正常化(国交正常化亡くして拉致解決なし)*1」ではないか、と思っていますが。
 例えば「シベリア抑留(スターリンロシア版の日本人拉致と言っていい)」「北方領土問題*2(未だ領土問題として存在)」について「日ソ国交正常化」前に全て決着したかと言えばそんなことはないわけです。
 シベリア抑留について「現地で死亡した人間の死亡経緯の把握や遺骨回収」は日ソ国交正常化前に「全てやること」は出来なかった(というか今ですら完全にはできていない)。しかしそれでも国交正常化したのは「日ソ間の戦争状態の正式終結」「ソ連が拒否権発動で日本の国連加盟を拒否する可能性を封じる(日本の国連加盟は日ソ国交正常化後)」と言う意味で「国交正常化自体に意味がある」という判断とともに「国交正常化した方がむしろ抑留され現地で死亡した日本人の死亡経緯や遺骨回収、北方領土問題の解決も進む」という判断があったからです。北朝鮮拉致も同じではないのか。

【参考:シベリア抑留】

赤旗主張/シベリア抑留/政府は実態解明に責任果たせ2019.8.23
 政府は死者の数を約5万5千人としますが、正確な人数は不明です。遺骨が収集できたのは約2万2千人で、半分以上が残されたままです。
 先月、厚生労働省が2014に収集した遺骨のうち16人分が「日本人ではない」と鑑定されたこと、それを公開しなかったことが明らかになりました。元抑留者は「国の命令で戦地に行った戦友たちがどのような思いで死んでいったのか。これでは浮かばれない」と怒りを隠しません。遺骨収集をめぐる政府のずさんなやり方は、これまでも問題になっています。フィリピンでは遺骨に日本人以外の骨が混じっていたことが分かり、収集事業が一時中断しました。
 元抑留者は年々減少し、平均年齢は96歳です。戦後75年の節目を前にして政府の姿勢が問われます。

青森)シベリア抑留者、岩泉さんの遺骨が大間町に里帰り:朝日新聞デジタル2020.8.7
 第2次世界大戦で旧満州(今の中国東北部)へ出征し、終戦翌年の1946年、抑留先のシベリアで24歳の若さで亡くなった青森県大間町出身の岩泉長治(ちょうじ)さんが6日、青森県大間町奥戸(おこっぺ)の実家へ遺骨となって戻った。国のDNA鑑定で本人とわかり、召集されてから「77年と半年ぶりの里帰り」となった。
 実家を守る、おいの岩泉盛利さん(76)は、遺骨を仏壇に置いて手を合わせると、「長い間、本当にご苦労様でした」と声をかけた。

社説:シベリア抑留 遺骨収集進め実態解明を | 毎日新聞2020.8,23
 過酷な環境の中、栄養失調や病気などで約5万5000人が亡くなったとされる。約1万5000人は身元不明のままだ。
 10年前に成立したシベリア特措法は、国に実態解明を求めている。だが、抑留の具体的な実行責任者や、何人がどこに連れていかれ、どのような経緯で亡くなったのか全容は分かっていない。
 遺骨の収集も進んでいない。1990年代から継続的な収集が始まり、約2万2000人分が帰ってきた。だが、ロシアなどに眠ったままの遺骨は依然多い。埋葬地の荒廃も指摘される。
 2016年には戦没者遺骨収集推進法が成立した。無念の思いで亡くなった人々の遺骨を故国に帰すのは国の責務のはずだ。
 それなのに遺骨の取り違えという、あってはならないことが昨年発覚した。厚労省が再調査した結果、日本に持ち帰った遺骨460人分が外国人のものだった。
 専門家から指摘があったにもかかわらず、長年放置されてきた。収集数ありきと取られかねないずさんなやり方で、日本人遺族や現地の人に対して礼を欠く。
 再発防止策をまとめた厚労省は先月、「戦没者遺骨鑑定センター」を設置した。外部専門家も登用し、遺骨の科学的な鑑定や研究を諸外国の機関と連携して進めるという。信頼回復に努め、二度と過ちを犯さないようにしてほしい。
 死亡の経緯や正確な埋葬地を知るには資料を持つロシア側の協力が不可欠だ。外交ルートを通じて粘り強く交渉を続けるべきだ。
 抑留体験者は年々減り、平均年齢も97歳になった。遺族も高齢化している。

コロナ禍で朽ちゆくシベリア抑留の記憶…ロシア人墓地が日本人埋葬地を侵食:東京新聞 TOKYO Web2021.8.16
 ロシア全土における昨年のコロナ死者数は、独立系メディアの試算で約30万人に達した。ウスリースクでも墓地は急速に拡大し、日本人抑留者の埋葬地を侵食しつつある。
 この墓地では1997年、日本政府が土を掘り起こし、一部の日本人の骨を回収した。だが遺骨回収済みの場所はくぼ地となって、ごみの不法投棄場所に。ロシア人はこの一帯が日本人の埋葬地だとは知らぬまま、ごみを捨てている状態だ。
 「『日本人の埋葬地』という立て札さえ設置されれば、ロシア人もごみを捨てないはずなのに」とフョードロフさん夫妻は残念がる。
 厚生労働省によると、抑留に関わる日本人墓地は旧ソ連で約660カ所あるが、すべての位置が把握できているわけではない。目標物もない原野の真っただ中に遺体が埋められた場合もあり、フョードロフさん夫妻など有志による調査で正確な地点が判明することもしばしばだ。
一方、日本の抑留者団体が埋葬地周辺で建てた慰霊碑も荒れつつある。理由の1つが墓参者の急減だ。
 厚労省や抑留者団体は毎年、日本人墓地の慰霊ツアーを企画してきた。ロシアの自治体は、日本側から墓参の予定を伝えられると、慰霊碑周辺の草刈りなどを行い、日本の訪問団を迎えるのが常だった。
 ところがコロナ禍で慰霊ツアーは2020、21年度と続いてキャンセルに。訪問客が途絶えた結果、地元自治体による墓地清掃の機会は減った。草に覆われ、慰霊碑の土台が朽ちるケースも見受けられる。
 「抑留の歴史遺産が消えていく」。
 こう憤るのは父を抑留で亡くした岩手県立大名誉教授の増子義孝さん(84)。コロナ禍前にウスリースクを訪ね、父の埋葬地周辺がごみだらけだったことにショックを受けたという。「日本政府は墓標を立てるなり、慰霊にふさわしい環境を整えるべきだ」と訴える。

シベリア抑留者追悼の集い 実態解明や遺骨収集求める:朝日新聞デジタル2021.8.23
 あいさつに立った新関(にいぜき)省二さん(95)は(中略)抑留の実態調査の基本方針を定めることを政府に義務づけたシベリア特措法(2010年制定)にふれ「元抑留者の平均年齢は98歳になる。特措法が制定されて11年たったが実態解明は進まず、コロナで往来が止まり、遺骨収集事業の先も見えない状態。もう何年も待てない」と参列した国会議員らに訴えた。

元シベリア抑留者、90代3人「遺骨収集の態勢強化を」:朝日新聞デジタル2021.12.15
 戦後の旧ソ連によるシベリア抑留問題の解決を求める集会が15日、国会内であり、90代の元シベリア抑留者3人が出席して、抑留犠牲者の遺骨収集事業の態勢強化などを訴えた。
 集会は1956年調印の日ソ共同宣言65周年を記念して開催。主催した「シベリア抑留者支援・記録センター」世話人の西倉勝さん(96)が「犠牲者の半数以上の遺骨が収集されず、外国籍抑留者への特別給付金も支給されていない」と課題を列挙した。
 北海道利尻町の吉田欽哉さん(96)は埋葬地の写真を示し、「永久凍土は人力では掘れない。重機などを導入し、遺骨が早く日本に帰れるよう取り組んでほしい」と求めた。厚生労働省や外務省の担当者は「コロナ禍で移動が制限されているが、ロシア政府とオンラインで協議し、(遺骨収集)事業を進める」などと答えた。

*1:ただしこう主張すると家族会や救う会によって「北朝鮮シンパ」という称号が授与されます。

*2:俺個人はもはや島の返還は諦めています。なぜなら「竹島のような無人島(これだって返還を俺は諦めていますが)」と違って北方領土は「有人島」だからです。「今、島に住むロシア人についてロシア本土に移住してもらうか、日本がそのままロシア系日本人として引き取るか」その点に決着をつけることが果たして出来るのか。ロシア本土に移住なら「ロシア本土住民の理解がいる」し、日本で引き取るなら「日本国民の理解」がいる(勿論、島民であるロシア人の理解は当然いる)。日本では与野党ともに「現在、島に住むロシア人をどうするか」マトモに議論しないで逃げているから呆れます(この点は俺の支持政党・共産党も残念ながらそうした議論から逃げています)。