珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年2月13日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 中野顕さん。天武天皇騎馬民族型の中央集権国家を目指したというお話ですが、これは一昔前の学説で現在では否定されているのではないですか。騎馬民族征服王朝説。
◆中野顕
 大海人皇子(天武天皇)は(中略)北方騎馬民族型の強力な中央集権国家をめざしました。

 中野氏の主張が正しいかどうかはひとまずおきます。黒坂が「騎馬民族征服王朝説」をまともに理解してないことがわかるアホツイートです。中野氏の主張は何一つ「騎馬民族征服王朝説」とは関係ない。
 そもそも「騎馬民族型の中央集権国家を目指した」というのは「騎馬民族征服王朝を立てた」という意味ではない。

黒坂真リツイート
 日本共産党が皇室廃止を宿願とする政党であることは、中野顕さんのこの一連の呟きからもよくわかります。
◆中野顕
▼現行憲法の意義は、天皇から一切の政治権力を奪い、国民の意思で天皇制を廃止できるようにしたことです。政府の権力は、神や天皇からではなく、国民から与えられるものになり、政治と宗教は分離されました。
▼新天皇即位式を、戦前の神道形式で行い、宗教行事に税金を使い、「天皇陛下万歳」と叫び、恩赦まで出したのは、あらゆる意味で間違いなんです。

 中野ツイートを「日本共産党が皇室廃止を宿願」云々と理解するのが「曲解」であることは説明する必要すら無いかと思います。
 一応「説明しておけば」法律によって天皇制を廃止すら出来る現在、天皇は「国家元首だった戦前」と違い、「国民の上に君臨する代物」ではなく、「にもかかわらず」、戦前の形式で「天皇陛下万歳」と叫ぶのは「時代錯誤で問題だ」と言う話です。それは「天皇制廃止」と言う話とは違う。

黒坂真リツイート
 石川康*1先生と、日本平和委員会の皆さんにとって中国共産党人民解放軍は味方なのでしょうか

 石川氏のツイートは省略しますが「日中、米中関係が緊張するから中国を仮想敵とした日米合同軍事演習をすべきではない」という指摘をこのように理解するのは曲解でしかない。「対立を助長すべきでない」というのは「味方」という話とは違う。

黒坂真
 中野顕さん。日本共産党天皇制は奴隷制の産物だ、と考えている事はわかりました。

 中野氏のツイートは省略しますが、「古代において天皇制は奴隷制に立脚していた(俺もその通りだと思いますが)」という中野主張を「天皇制は」と「現代の天皇制」についての指摘であるかのように曲解する黒坂のあほさにはいつもながら呆れます。

黒坂真リツイート
 川田忠明さん*2とべーにゃんさんは、金正恩が日本に核ミサイル攻撃をしたら米軍が核ミサイルで反撃すると見ていますね。金正恩もそれを予測しているから、日本に核ミサイル攻撃をしないとみる。これは、日米軍事同盟が日本の平和と安全を守っているという見方ですよ。
◆べーにゃん#比例は日本共産党@新基地建設反対
 黒坂氏の発言にある「日本に核ミサイル攻撃をして民族の英雄になれば、体制が維持できると判断しうるという見方」は、黒坂氏の独自の考えである。
 川田さんは、北朝鮮が実際に日本や韓国を核攻撃で壊滅状態にすれば、北朝鮮も(米国による攻撃で)壊滅状態になるだろうことも指摘している

 黒坂の詭弁にはやれやれですね。
 「在日米軍の反撃があるから、黒坂氏の言うようなミサイル攻撃を北朝鮮はしない」という批判に対して反論するならば「北朝鮮の攻撃で在日米軍は壊滅的打撃を受け反撃できなくなる」「在日米軍の反撃があっても北朝鮮は攻撃する」などでしょうが、「日本共産党在日米軍に反対の立場ではなかったのか?」と話のすり替えを始める黒坂には心底呆れます。
 「在日米軍の反撃があるから、黒坂氏の言うようなミサイル攻撃を北朝鮮はしない」というのは「単なる事実の指摘」であって「在日米軍の存在を日本共産党が肯定している」という話ではない。いくら日本共産党が「日米安保廃棄論」だからといって「北朝鮮がミサイル攻撃しても在日米軍は何もしない」といったら正気を疑われるでしょう(そのときは黒坂も「日米安保廃棄論の立場から在日米軍を過小評価している」と日本共産党に悪口でしょう)。
 なお、在日米軍が「ベトナム戦争イラク戦争」に出撃したように「日本防衛の軍隊」とはいえず「世界中に出撃していること」で日本共産党在日米軍の存在を批判しているわけです。俺個人は1)在日米軍はそもそも日本防衛が目的ではないし、2)自衛隊で抑止力としては十分と認識しているので「日米安保廃棄論」の立場です。

黒坂真
 日本共産党員と左翼人士*3は、大日本帝国は破壊されるべきだったとみています。日韓併合を認めないのですから。日清、日露戦争帝国主義戦争だから、日本は負けたほうが良かったとみる。

 何故「韓国併合を認めない*4」と「大日本帝国は破壊されるべきだった」になるのか理解自体が困難です。
 もしかして「韓国を併合しないと、ロシアが日本に侵攻する危険があった」と強弁する気か。
 勿論、そんな理由で併合したわけではなく、「植民地化することによる経済的利益」を狙って併合したわけですが。
 おそらく韓国併合などしなくても、ロシアの日本侵攻はなかったでしょう。
 「日清、日露戦争帝国主義戦争」が何故「日本は負けるべきだった」になるのか。普通に考えて「戦争すべきでなかった」という認識でしょうに。 

*1:神戸女学院大学教授。全国革新懇代表世話人。著書『現代を探究する経済学』(2004年、新日本出版社)、『いまこそ、憲法どおりの日本をつくろう! 政治を変えるのは、あなたです。』(2007年、日本機関紙出版センター)、『覇権なき世界を求めて』(2008年、新日本出版社)、『人間の復興か、資本の論理か:3・11後の日本』(2011年、自治体研究社)、『マルクスのかじり方』(2011年、新日本出版社)、『橋下「日本維新の会」がやりたいこと:何のための国政進出?』(2012年、新日本出版社)、『「おこぼれ経済」という神話』(2014年、新日本出版社)、『社会のしくみのかじり方』(2015年、新日本出版社)など。個人サイトはげしく学び はげしく遊ぶ-石川康宏研究室

*2:日本共産党平和運動局長(中央委員兼務)。日本平和委員会常任理事。原水爆禁止日本協議会原水協)常任理事。著書『それぞれの「戦争論」』(2004年、唯学書房)、『名作の戦争論』(2008年、新日本出版社)、『社会を変える23章』(2015年、新日本出版社)、『市民とジェンダーの核軍縮』(2020年、新日本出版社)、『アート×ジェンダー×世界』(2022年、新日本出版社

*3:黒坂の言う「日本共産党員以外の左翼人士」が誰を意味するかは不明です。どうせ「戦前日本の侵略、植民地支配に否定的=左翼」という無茶苦茶な理解でしょうが。

*4:ここでの「認めない」が1)韓国併合違法・無効説なのか、2)法的な有効性はともかく政治的、道義的には正当化できない(韓国併合はすべきでなかった)と言う意味なのかはひとまずおきます。どちらの意味でも黒坂の非難「大日本帝国は破壊されるべきだった」云々は成り立たないからです。