珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年2月14日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。赤旗は権力者を震え上がらせる、というお話ですが、どなたのことですか。桜見物*1など、大した話ではない。赤旗は中朝が危険だ、という報道をできない。
◆吉岡正史
きょうの潮流 2022年2月9日(水)
▼「記者は二重の喜びを得ることができる職業。だれよりも早く事実をつかみ、真相、真実を知る喜び。それをたくさんの人たちに知らせる喜び」。
 先日亡くなった元赤旗編集局長の関口孝夫さん*2が残した言葉です。
記者クラブから除かれるなど、さまざまな制限がありながら時の政権の不正を暴いてきました。数々のスクープを世に出した先人は後輩にこんな“遺言”も。
「権力者を震えあがらせる、赤旗のペンは不滅です」

 「最終的には」赤旗以外も報じ、また、野党各党も追及した「安倍桜疑惑」を大した疑惑ではないと放言し「そんなことより中朝の人権問題ガー」だそうです。呆れて二の句が継げません。
なお、

【中国】  
主張/香港国安法1年/中国は人権・自由の弾圧やめよ2021.6.30
中国に人権抑圧の是正と五輪憲章の遵守を求めよ│中国・台湾│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会2021.12.13
中国の人権侵害 非難を/国会決議 穀田国対委員長が会見2022.1.27
北朝鮮
北朝鮮、張氏を処刑/あまりに異常かつ残忍/志位委員長が談話2013.12.14
北朝鮮の核実験を厳しく糾弾する ―危機打開のため直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に/2017年9月3日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫2017.9.4
北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射/日本共産党が強く抗議2022.1.16

ということで「中朝の人権問題」なら赤旗でも批判してるので「はあ?」ですね。
 また「中朝の危険(黒坂)」が「中国の沖縄攻撃」「北朝鮮の日本ミサイル攻撃」を指すのなら「中朝にとってメリットがないのでその可能性は低い」と報じてるでしょうが、それは「客観的に見て事実」でしょう。中朝を擁護しているわけではない。

参考

赤旗記者が国会議員秘書に早変わりしスムーズに取材進められる|NEWSポストセブンSAPIO2016年10月号
 赤旗記者は、国会議員団秘書や地方議員らと協働するケースがよくある。
 田中角栄金脈問題追及の嚆矢とされる「信濃川河川敷買い占め」のスクープがそうだ(日曜版66年10月23日号)。元編集局長・関口孝夫氏の回顧録によると、水害の取材でたまたま立ち寄った共産党中越地区委員会で地元・長岡市の市議から「河川敷買い占めの裏に田中がいる」という情報を得たのが、取材の端緒となったという(『ザ・取材』)。

「赤旗」スクープ史 「ワタミ 選挙もブラック」など|NEWSポストセブンSAPIO2016年10月号
◆「田中金脈」追及の嚆矢
田中角栄氏の秘書グループらが 奇怪な河川敷買い占め」(日曜版1966年10月23日号)
 自民党幹事長だった田中角栄氏が、関連企業を使い信濃川河川敷99万平方メートルを買い占めている事実を報じた。立花隆氏の「田中角栄研究」より8年早く、後に続く角栄金脈の追及の嚆矢となった。
◆“学会タブー”も関係なし
公明党 言論・出版に悪質な圧力  田中(自民)幹事長を仲介に」(1969年12月17日)
 創価学会批判本の出版中止を求める公明党創価学会による脅迫・妨害行為を赤旗が報道。創価学会がタブー視されていた時期に他紙とは一線を画すスクープとなった。
安倍内閣の現職大臣に大打撃
「家賃ゼロの衆参議員会館に多額の『事務所費』支出」(2007年1月3日)
 第1次安倍政権当時、赤旗が国会議員の政治資金収支報告書を独自に調査したところ、伊吹文明*3文科相松岡利勝農水相ら複数の閣僚らが、家賃ゼロの議員会館に数千万円もの事務所費を計上していた事実が判明した。
◆九電幹部「赤旗にやられた」
「九電が“やらせ”メール 玄海原発再稼働 求める投稿 関係会社に依頼」(2011年7月2日)
 玄海原発の運転再開に向けた佐賀県民への「説明番組」で、九電が関係会社の社員らに運転再開を支持するメールを投稿するよう依頼していたとスクープ。九電幹部は「共産党赤旗にやられた」と漏らしたという。
◆新防衛大臣の政治資金疑惑
「稲田防衛相 3年間で約520万円 疑惑領収書 『白紙』で受領 認める」(日曜版2016年8月14日号)
 稲田朋美*4防衛相の資金管理団体が、同僚議員らのパーティー券購入時の領収書として白紙のものを受け取り、金額などを稲田事務所側が書き入れていた実態をスクープ。

「しんぶん赤旗」あす2万号―創刊78年/未来をひらく 歴史をきざむ
◆タブー打破 世論動かす
 日本のマスコミ界には「これだけは絶対書けない、書かない」という“タブー”があります。“菊*5タブー”、“鶴タブー”(創価学会のマークが黒い鶴丸であることからこう呼ばれた)、“角*6タブー”、“「解同*7」タブー”。タブーのない「赤旗」は、真実を堂々と書き、タブーを打ち破る報道で世論を動かしてきました。
◆出版妨害をスクープ
 一九六九年、公明党創価学会による藤原弘達著『創価学会を斬る』の出版妨害事件が表面化します。
 十二月十三日夜、NHK総選挙特集番組で、共産党松本善明氏が公明党の出席者に事実関係をただすと、公明党側は即座に否定しました。
 「赤旗」は著者の藤原弘達氏にインタビューし、妨害の事実を明らかにしました。
 藤原氏によると。
 ある秋の日の早朝、藤原氏のもとへ自民党田中角栄*8幹事長から「出版をやめてくれないか」と電話がかかってきました。公明党竹入義勝委員長からの要請だと言うのです*9
 その後、料亭に二回呼ばれ、田中氏から「初版分は全部買い取る。損はさせない」と強い説得を受けます。二回目の時は、階下に竹入委員長が来ていた様子で、話がついたら三人で宴会までやるおぜん立てのようだったといいます。
 藤原氏は断ります。すると、書店には並べてもらえない、広告も軒並み断られる…。
 「赤旗」は十二月十七日の一面にこのスクープを掲載しました。
 「公明党 言論・出版に悪質な圧力 田中(自民)幹事長を仲介に」
 これを契機に国会でも大問題として取り上げられ、共産党をはじめ、社会党民社党も追及しました。不破哲三*10議員(当時)は、七〇年二月二十七日の衆院予算委員会で、佐藤首相を追及します。こうして公明党創価学会は“反省”を表明せざるを得なくなりました。
◆“首相の犯罪”を追及
 「庶民宰相」ともてはやされ、一九七二年に首相の座に就いた田中角栄氏もまた、マスコミ界のタブーの対象でした。
 角タブーは首相就任のはるか以前から始まっています。
 戦後復興期。
 政治と企業の癒着が骨太く横たわっていた時代。長く続く自民党政治の後継者争いの中で、「数は正義なり」と“金の力”と“支配する力”を駆使してのし上がってきた典型的な人物が角栄でした。
 「オレは各社全部の内部を知っている。記事を中止させるのも簡単だ」(「赤旗」七二年十月十日付)
 この言葉に象徴されるように、「土地転がし」で手に入れた都心の一等地を大新聞社やテレビ局の社屋建設用地に払い下げてやり、記者にはプレゼント攻勢で“貸し”をつくる…。マスコミも思いのままに動かしてきました。本来“政敵”のはずの社会党*11公明党までもが角栄と関係を築いていったのです。
 角タブーを打ち破る口火を切ったのは角栄による信濃川河川敷買い占め事件を暴いた「赤旗」日曜版六六年十月二十三日号でした。架空の会社を作って開発が予定されている土地を買い占めていたことを突き止め、国会議員と連携して角栄を追及。翌月、角栄は「まさか共産党にやられるとは」とせりふを残し、幹事長を更迭されました。
 「飛ぶ鳥落とす勢いの政治家が相手ですから絶対間違えちゃいけないし、そりゃあ緊張したしこわかった」
 この事件を皮切りにスクープを連発した関口孝夫さん(前編集局長)は、当時の心境をそう語ります。
 愛人邸建築疑惑(「赤旗」七二年十一月八日付)では、「赤旗」一面報道と松本善明氏の国会質問のWパンチで、絶頂にあった角栄人気は失墜します。
 「『赤旗』だけが“金”も“脅し”も効かなかったんです」と関口さん。
 一般のマスコミが角タブーに触れ始めたのは、角栄が落ち目になった七四年、ようやく月刊雑誌が書いてから。七六年、ロッキード事件をとどめに角栄は政界の表舞台から姿を消しました。

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。赤旗記者にとって最大の制限は、日本共産党の理論、方針の枠内でしか記事や論説を書けない事です。
◆吉岡正史
きょうの潮流 2022年2月9日(水)

 そりゃ党機関紙なんだから当たり前でしょう。そうした制約はどんなメディアでも大なり小なりあります。
 例えば文春を除き「多くのマスコミ(特にテレビ局)」が「ジャニー喜多川ジャニーズ事務所創業者)のホモセクハラ疑惑」を報じたがらなかったことは「その一例」です。
 いずれにせよそんなことは赤旗の「事務所費疑惑追及」「モリカケ、桜疑惑追及」などの意義とは何の関係もない。

黒坂真リツイート
 中村正男さん。日本共産党の平和理論なら、ウクライナNATOと絶縁を宣言し、軍隊を解散したらロシアはウクライナに侵攻できない、という結論になりませんか。自衛隊解散、日米安保廃棄と同じだから。

 「はあ?」ですね。日本共産党の「日米安保批判、自衛隊違憲論」というのはそういう話ではない。
 「専守防衛なら、戦前(例:日中戦争、太平洋戦争)のように、日本が自分から戦争を始めることがなくなる」と言う話であって「侵略されることがなくなる」と言う話ではない。
 ロシアを例にすれば「ロシアに憲法九条があれば、専守防衛ではないので、ウクライナ侵攻もシリア軍事介入もそもそも出来ない」という話です。
 日本共産党への言いがかりも大概にしろという話です。そんなことより「ウクライナ問題」についてまともな話をしたらどうなのか。
 いずれにせよ「軍隊解散」はともかく「ウクライナNATO加盟」についていえば「ロシアとの緊張を高めるので、すべきではない」というのは「一つの考えとしてはあり得る」でしょう。「ウクライナNATO加盟」は「それ以外に選択肢がない」という話ではない。
 なお、これは「事実の指摘」であって「加盟に否定的なプーチン支持」「現時点では加盟に積極的なウクライナ政府批判」ではないことを断っておきます。

*1:「安倍首相の桜を見る会疑惑」とはっきり書けないあたり、むしろ「黒坂も逃げ腰」と言うべきでしょう。

*2:著書『汚職の構造学』(1980年、汐文社)、『欺民・田中角栄伝:わが巨億の利権に乾杯』(1981年、汐文社)、『株と政治家たちの饗宴』(1990年、新日本出版社、アマゾンの著書紹介に寄れば『藤波・元官房長官(中曽根内閣)が1989年に収賄リクルートからの未公開株譲渡)で起訴され、また起訴はされなかったものの中曽根元首相、竹下首相、宮沢蔵相、安倍幹事長、宮沢蔵相ら自民党幹部連の名が浮上したたリクルート事件』『稲村・元環境庁長官(中曽根内閣)が脱税で1990年に起訴された国際航業株買い占め事件(小谷光浩を代表とする仕手筋集団「光進」の仕手戦に稲村も関与)』がテーマのようです)

*3:橋本内閣労働相、森内閣国家公安委員長、第一次安倍内閣文科相自民党幹事長(福田総裁時代)、福田内閣財務相衆院議長など歴任

*4:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相など歴任

*5:昭和天皇の戦争責任問題」など、皇室への批判記事のこと

*6:田中角栄のこと

*7:部落解放同盟のこと

*8:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*9:こうした自民党公明党との腐れ縁が「今の自公連立につながる」わけです。

*10:共産党書記局長、委員長、議長を経て現在、常任幹部会委員(党附属社会科学研究所長兼務)

*11:こうした自民党社会党の腐れ縁がその後の「金丸訪朝での田辺・社会党副委員長の動向」「自社さ連立政権」につながるわけです。