この文章をご存じの方はおられませんか【調査会NEWS3566】（R4.2.18）: 荒木和博BLOG
2月3日付の3558号で書いたフィッシングメール（私の名前で加藤健・アジア調査機構代表ら何人かの方に送られたもの）に添付されていたファイル「拉致問題関連質問.docx」についてウイルス感染時に表示される文章が得られました。内容は下の通りです。
どこからか持ってきたものだと思いますが（中略）（ボーガス注：即時一括帰国を非現実的とする）Q3からすると救う会でもないでしょうし、Q4の遺骨・墓地の話から考えるとひょっとしたら、というのもあるのですが、そうするとQ8とは矛盾するかな*1、とか。
逆にこのフィッシングメールを作った人物が自分で考えたということになればそれはそれで興味深いです。もし何かお心当たりがある方はお知らせ下さい。
そんなことを調べて「何の意味があるのか？」と呆れますが、それはさておき。
「本当にそんなフィッシングメールがあったのか？（苦笑）」ですね。フィッシングメールにしては随分と手が込んでるもんです。荒木の紹介する質問とやらは
Q9：我が国の中には、北朝鮮の核ミサイルに対抗するために日本も核ミサイルを保有すべきとの声があります。日本の核保有は、わが国及び東北アジアの安全と平和に寄与すると思われますか？
は明らかに非常識ですが
Q3：現在、家族会・救う会は、認定・未認定に関わらず全ての拉害全員の即時一括帰国を求めていますが、これは非現実的な願望ではないでしょうか？
Q4：政府及び家族会救う会は、拉問題最優先との姿勢を崩していませんが、国内には遺骨・墓地問題や日本人妻問題などを先に取り上げ、交渉のテーブルに北朝鮮を着かせるべきとの意見があります。
という「それなりにまともなもの」もありますので。「俺の邪推」ですが、実際にはそんなフィッシングメールはなく「荒木がこうした質問を何らかの理由で宣伝したいだけではないのか」と疑いますね。「俺の邪推」が仮に「正しい」としてどんな理由かは分かりませんが。
Q1：我が国政府が拉致被害者と認定しているのは17名で、一番早い拉致事件が1977年9月の久米裕さん、一番遅いのが1983年7月ごろの有本恵子さんです。北朝鮮が日本人を拉致したのは1977年～1983年の間と限定して良いでしょうか？
まあ現時点では「限定していい」でしょうね。今後「拡大するに足るまともな証拠」が出れば話は別ですが、小泉訪朝から20年経った今そんな証拠は出てないのだから今後も出ないでしょう。
なお、久米さんが拉致された1977年には
1977年 - Wikipedia、1977年の日本 - Wikipedia
◆1月4日
青酸コーラ無差別殺人事件（後に未解決事件として時効が成立）
◆1月20日
米国でカーター大統領就任。
◆1月27日
ロッキード事件丸紅ルート初公判。31日全日空ルート初公判。
◆6月13日
全米女子プロゴルフ選手権で樋口久子が優勝、日本人初の世界タイトルを獲得。
◆7月13日
津地鎮祭訴訟・最高裁判決
◆7月17日
キャンディーズが日比谷野外音楽堂で行われたコンサートで「普通の女の子に戻りたい」と解散を宣言。
◆9月5日
国民栄誉賞創設。王貞治が第1回目の受賞者
◆9月28日
ダッカ日航機ハイジャック事件。福田赳夫首相が「一人の生命は地球より重い」と述べて、「超法規的措置」として、身代金支払いと収監メンバーの引き渡しを行うことを決定
◆10月1日
経営難に陥っていた安宅産業を伊藤忠商事が吸収合併
◆10月15日
長崎バスジャック事件。犯人1名を射殺、人質は全員無事
◆10月18日
ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件、特殊部隊突入で解決。
◆11月15日
新潟市で横田めぐみが下校途中に北朝鮮の工作員に拉致される。
◆11月19日
エジプトのサダト大統領がイスラエルを訪問（アラブ諸国の元首として初のイスラエル訪問）。
◆11月22日
プロ野球ドラフト会議でクラウンライターライオンズが法政大学の江川卓を指名するも、江川本人が12月3日に拒否（いわゆる江川事件の始まり）
◆12月3日
横浜市長の飛鳥田一雄が日本社会党委員長に就任
◆12月25日
喜劇王チャールズ・チャップリン死去
などの事件がありました。
有本さんが拉致された1983年には
1983年 - Wikipedia、
1983年の日本 - Wikipedia
◆1月9日
自民党の中川一郎*2が自殺
◆2月13日
ハワイアン・オープンで青木功が日本人初のアメリカPGAツアー優勝を果たす。
◆3月6日
西ドイツで「緑の党」が議会に初進出。
◆3月8日
レーガン米国大統領が一般教書演説中に「悪の帝国」発言
◆4月15日
千葉県浦安市に東京ディズニーランド開園。
◆5月9日
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が、地動説を支持したガリレオ・ガリレイに対する宗教裁判の誤りを認める。
◆7月8日
永山則夫の連続射殺事件に関して、最高裁判所が東京高裁の無期懲役判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。同時に死刑適用基準（いわゆる「永山基準」）を示した。
◆7月15日
任天堂が「ファミリーコンピュータ」（ファミコン）を発売
◆8月21日
フィリピンのアキノ元上院議員暗殺。
◆9月1日
大韓航空機撃墜事件。ソ連の領空を侵犯したボーイング747をソ連軍が撃墜、乗員・乗客269人全員死亡
◆9月7日
日本社会党の飛鳥田一雄委員長がこの年の参議院選挙での敗北を理由に委員長を辞任。同日、後任の委員長に石橋政嗣が就任
◆10月9日
ビルマのラングーン（現・ミャンマーのヤンゴン）で全斗煥韓国大統領暗殺未遂（ラングーン事件）。
◆10月12日
ロッキード事件丸紅ルート裁判の第一審で、田中角栄元首相に懲役4年、追徴金5億円の有罪判決
◆10月25日
米軍、グレナダに侵攻
◆11月12日
この日放送のNHK朝の連続テレビ小説『おしん』が視聴率62.9%（ビデオリサーチ関東）を記録、テレビ小説の歴代最高視聴率となる。
◆12月18日
衆院総選挙で自民党大敗。12月27日の 第2次中曽根内閣では新自由クラブと連立（田川誠一・新自由クラブ代表が自治相・国家公安委員長として入閣）
◆12月28日
米国がユネスコからの脱退を宣言。
などの事件がありました。
Q3：現在、家族会•救う会は、認定・未認定*3に関わらず全ての拉害全員の即時一括帰国を求めていますが、これは非現実的な願望ではないでしょうか？
Q4：政府及び家族会救う会は、拉問題最優先との姿勢を崩していませんが、国内には遺骨・墓地問題や日本人妻問題などを先に取り上げ、交渉のテーブルに北朝鮮を着かせるべきとの意見があります。
俺も全く同感ですね。「実現可能なことからやるべき」「100点満点（拉致被害者の即時全員帰国）を目指してゼロよりは10点でも20点でも点を得ること（一部帰国、段階的帰国でもいいから拉致被害者帰国）を目指すべき」「拉致被害者最優先など思い上がりも甚だしい。何様のつもりか」というのが俺の考えです。
そもそも我々は日常生活でいろいろと「妥協をしている」。
◆「東大以外入学する気は無い」「早稲田や慶応じゃダメだ」などといって「何10年も大学浪人する」ような人間
◆「財務省以外就職する気は無い」「他の中央省庁（例：浅井基文氏、田中均氏のいた外務省、前川喜平氏のいた文科省）や地方自治体、民間企業じゃダメだ」などといって「何10年も就職浪人する」ような人間
はいません。しかし拉致問題だけは何故か家族会は「バーター取引なんかしない」「即時一括全員帰国以外認めない」と無茶苦茶なことを言い出して「何10年も拉致敗戦」ですから絶句です。
Q5：政府の対北朝政策の方針は「日朝平壌宣言に則って、拉致、核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決する」というものです。周辺諸国にも関係する核・ミサイル問題と分離して、拉致問題だけを解決するという外交交渉は実現するでしょうか？
「小泉訪朝で拉致被害者5人帰国」を考えれば「核、ミサイル問題と分離して拉致を先行解決」は「たとえ困難ではあっても十分、実現可能」と俺は思っています。
Q6：政府が示す拉致問題解決の条件とは、①全ての拉致被害者の安全を確保し、すぐに帰国させること、②北朝鮮が、拉致被害の真相を明らかにすること、③北朝鮮が、拉致を実行した者を日本に引き渡すことです。拉致問題が解決したら国交正常化交渉に入るとの政府方針は、この先も堅持すべきでしょうか？
①、②はともかく、③は「明らかに非現実的」であり、諦めるべきでしょう。また「国交正常化が拉致解決に先行しても構わない」と俺は思っています。なお、「全ての拉致被害者帰国」が「最終目標」ならともかく、「全て帰国しなければ国交正常化しない」と言う意味なら俺は支持しません。
また「全て」に「特定失踪者」などというガセネタを入れるべきではないし、「根拠もないのに横田めぐみ生存説を主張する」のはいい加減辞めてほしい。病死した拉致被害者がいても不思議ではないでしょう。
Q7：安倍、菅、岸田と続く政権は拉問題解決を念頭に入れ、北朝鮮トップである金正恩氏と「条件を付けないで首脳会談を開きたい」旨の発言を繰り返していますがいまだに実現していません。原因は何でしょうか？
「条件をつけないで」の意味が全く不明ですからね。素直に考えれば「首脳会談後、拉致被害者は一人も帰国しなくても構わない。あえて会う＝条件をつけない」でしょうが、とてもそんなことを意味してるとは思えません。しかし「拉致被害者が帰国しないと首脳会談しない」というのではそれは無条件ではない。勿論俺は「拉致被害者が一人も帰国しなくても首脳会談しろ」とは言っていません。「意味不明な言葉」である「無条件で会う」は使うなという話です。
むしろ「こういう条件なら会う」と言った方が会談にこぎ着けるのではないか。勿論「竹取物語でのかぐや姫の求婚相手への無理難題（誰一人実現できず、求婚を皆が諦める）」「屏風の虎を縛れ（一休さんとんち話）」のような無茶苦茶な条件ではなく北朝鮮が実行可能な条件である必要はありますが。
「『無条件で会う』発言が意味不明だから北朝鮮は安倍、菅、岸田と会わないのだ*4」と思う一方で「無条件では北朝鮮は会談しないだろう」とも俺は思っています。つまりは「経済支援とのバーター取引」と言う話ですが。「小泉訪朝から20年に及ぶ拉致敗戦」を考えれば日本は「バーター取引なんかしない」と「上から目線」で「横柄な態度」を北朝鮮相手にとれる立場ではない。
Q8：我が国には、「誠意は、必ず相手に通じるものだ」という文化があり、北朝鮮にも誠意をもって臨めば道は開けると考えている人が少なからず存在します。独国国家、共産主義国家である北朝鮮に通じる「誠意」とはどのようなものでしょうか？
「誠意は、必ず相手に通じるものだ」なんて「脳天気な人」はまずいないでしょう。俺もそんなことは全く思っていない。
「誠意が通じる相手」と「通じない相手」が世の中にはいる。
とはいえ、交渉において「それなりの誠意」が必要なのも事実です。
少なくとも「特定失踪者（国内で既に40人以上発見され、ほとんどが自発的失踪）」という「救う会の明らかなデマ」を日本政府が容認することは辞めるべきでしょう。「デマで北朝鮮を誹謗」など「誠意がない」にもほどがあります。そんなことで北朝鮮が交渉したがるわけがないし、交渉しなければ拉致は解決しません。
Q9：我が国の中には、北朝鮮の核ミサイルに対抗するために日本も核ミサイルを保有すべきとの声があります。日本の核保有は、わが国及び東北アジアの安全と平和に寄与すると思われますか？
荒木、島田、西岡の「救う会右翼」なら「日本の核保有は極東の平和に寄与する」と回答しても全く不思議ではない。何せ「荒木らのウヨ仲間・西村真悟」は「核武装放言」で「小渕内閣防衛政務次官」を更迭された男ですし。
そんな「非常識右翼」と「家族会がべったり」なのだから拉致が解決するわけがない。もはやまともな人間は「蓮池透除名」の時点で「家族会」に呆れ完全に見放してるでしょう。俺もその一人ですが。
「答弁は差し控えさせていただきます」（怒ろう!ニッポン人②R04.2.18）: 荒木和博BLOG
6分24秒の動画です。一応、動画を見ましたが、説明文だけで馬鹿馬鹿しくて見る気が失せます。
こんなことが拉致被害者の帰国と何の関係があるのか。何の関係もない。
拉致認定おかしくないか（怒ろう!ニッポン人①R04.2.17）: 荒木和博BLOG
9分36秒の動画です。
一応、動画を見ましたが、説明文だけで馬鹿馬鹿しくて見る気が失せます。実際、視聴したところ、「説明文から予想される」通りの内容でした。
何が馬鹿馬鹿しいか。
いつも通り（？）「特定失踪者を拉致認定しない政府が許せない」と放言する荒木です。
「国内で40人以上も発見され、そのほとんどが自発的失踪。一部、犯罪被害（足立区女性教師殺害事件）もあるが北朝鮮とは何一つ関係ない」の特定失踪者のどこが拉致なのか。
しかも「特定失踪者・山本美保さん」にいたっては「彼女の山形県の海岸での遺体発見」を「山梨県警の捏造だ。彼女は今も北朝鮮で生きている」とデマまで飛ばす。荒木『山本美保さん失踪事件の謎を追う：拉致問題の闇』（2012年、草思社）というデマ本まで書く。
まともな人間なら荒木には不信や怒りしかない。実際、蓮池透氏は荒木を批判した。
ところが家族会は荒木べったりで、蓮池さんを会から除名した。
呆れて二の句が継げません。そんなことで拉致が解決するわけがないでしょう。そんなに荒木と縁切りすることが嫌か。
特定失踪者を拉致認定しない理由を荒木は「仕事を増やしたくないからだ」と強弁しますが、単に「認定する証拠がない」だけの話です。
「桶川ストーカー事件」などがわかりやすいですが、例えば「山本美保さんの件」で本当に警察の側に非があれば、荒木の主張は支持されて、警察が謝罪に追い込まれてるでしょう。
そして「仕事を増やしたくないからだ」という荒木の言葉は「語るに落ちています」。
荒木が「特定失踪者」などというデマを飛ばすのは「仕事を増やしたいから」なのだということです。
しかし、デマを放言したあげく、そのデマを認めない警察を逆に「警察はやる気が無い」と誹謗する。まともな人間にはできない所業です。荒木を「党本部職員にしていた民社党」「大学教員にしている拓殖大」にも心底呆れます。
