常岡浩介に突っ込む(2022年2月17日分)

常岡浩介がリツイート
◆福田充*1
 ジョー・バイデン大統領、「ロシアによるウクライナ侵攻の脅威はかなり高い」。ロイター報道。近日中に侵攻の可能性を示唆。

 「プーチンシンパ」と誤解されることを恐れず「あえて書きます」が、こうしたバイデン発言が「どこまで根拠があるのか」は何ともいえません。バイデンも「重要機密(ロシアに手の内を明かせない)」ということで「そう判断する具体的根拠」を詳細に説明などしないからです。勿論「そう判断する根拠はあるが、実際に機密だから説明しない」こともあり得ますが「機密」を口実に「説明から逃げてるだけ」かもしれない。
 「侵攻の可能性は不明」として侵攻された時に「バイデンの認識は甘い!」「そういう発言がロシアの侵攻を助長した」と批判されたら「嫌だ」という怯えは「アフガンからの米軍撤退→タリバン政権奪還」で批判され、支持率も下落させたバイデンにはあるでしょう。
 しかも「侵攻の可能性が高い」といえば「結果として、NATO諸国における米国への求心力が高まる」効果も期待できる(勿論、「ロシア侵攻のリスク」を強調する最大の理由は「アフガンからの米軍撤退時に叩かれたようなことを避けたい」でしょうが)。
 つまり実は正直な話「侵攻の可能性は不明(単なる恫喝かもしれない*2)」なのにあえて「侵攻の可能性が高い」と言ってる可能性がある。
 ここで「侵攻の可能性は高い」と言って、結果として侵攻がなくても、「よほどのプーチンシンパか、アンチバイデン」でも無い限り、「侵攻しなかったじゃないか!、バイデンは嘘つきだ」とバイデンを批判する人間はいないでしょう。
 ロシアがウクライナとの国境付近に軍を動員している以上、それが「恫喝目的」にとどまるとしても、外見上は「侵攻の恐れ」が否定できません(実際、ロシアも『侵攻の恐れ』をいわゆる『瀬戸際外交』として外交交渉に利用する気でしょう)。侵攻がなくても、バイデンとしても「最悪の事態を想定した結果、それが回避できたのだから良かった。我々が牽制したからロシアの侵攻がなくなった。牽制してなかったら侵攻したかもしれない」と言い訳が可能です。

常岡浩介が池内恵リツイート
池内恵*3が奥山真司をリツイート
 証拠隠滅か
◆奥山真司
 鈴木&佐藤ペアの登場で有名になったBSフジのプライムニュースの回、リンク先のページがなくなってませんか?

 吹き出しました。
 「サイト上の動画や記事の掲載」について「時間の経過で古い動画や記事が削除されること」は「BSフジ以外でもあること」で珍しくない。
 本気で「証拠隠滅」を主張するのなら、1)その番組よりも古い番組も多数、BSフジのサイトに残っている、2)番組内での鈴木宗男佐藤優発言が批判されてから突然動画が削除されたなど「隠滅を疑うまともな根拠」がなければいけない。しかし、そんなものはおそらく何もないでしょう(そもそもこのツイートにそうしたまともな指摘が何もないのだから呆れます)。
 下手したら奥山、池内、常岡は「疑念を呈しただけで断定してない」などと居直るのではないか。勿論、こんな発言は「そう疑う根拠」がないなら「BSフジ」への誹謗でしかない。こんな発言をすれば「学者としての常識が疑われる」という常識は池内には無いわけです。

常岡浩介がリツイート
◆ユーリィ・イズムィコ(小泉悠*4
 自衛隊将官の発言で印象に残ってるのは「小泉さん、私はね、陸自に入る時ソ連軍と刺し違えて*5死ぬつもりで親に遺書書いたんですよ」

 吹き出しました。冗談でも「非常識」すぎるし、本気なら「キチガイの沙汰」です。
 「終戦直後の北方領土占拠*6」を除いて、ソ連軍が日本侵攻する可能性なんか一体どこにあったのか。
 まだ「警官や消防士」が「犯罪者との格闘や火災被害で殉職を覚悟して遺書を書く」方が説得力がある。
 さすが「田母神(奴は空自ですが)」を幹部にする「右翼団体自衛隊)」だけのことはあります。勿論褒めていません。心の底から呆れ、軽蔑しています。
 しかし「本気なのか、ウヨへのこびか」はともかく常岡と小泉がこれを「アホ発言」として呆れるのではなく、どう見ても名言扱いしてるのには心底呆れます。
 ちなみに、小泉ツイートについた

subaru8811
 今、ビッグコミック連載中の「空母いぶきGREAT GAME*7」で、ロシア軍に北海道本土上陸、基地占拠されていますね。

というウヨのリツイートには呆れるとともに大笑いしました(かわぐちのウヨマンガは読む気にならないので、全く内容を知りませんでしたが。というかビッグコミック自体、俺的に『ちばてつやのエッセイマンガ』であるちばてつや「ひねもすのたり日記」 | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館以外、読む気にならないので、『コンビニなどの立ち読みでちばの部分』だけしか読んでいませんが。俺的にはああいう「アットホームな漫画」は割と好きです)。
 プーチンが侵攻するかどうかはともかく(単なる軍事的威圧の可能性もある)ウクライナは「ソ連時代は、ウクライナもロシアもソ連の一部」だったため「ロシア系住民が多数いる」という事情があるのであり、仮に侵攻したとしても、それは「北海道にも侵攻するかもしれない」なんて話には全くなりません。
 しかしそんなウヨマンガをかく「かわぐちかいじ」といい、掲載する「ビッグコミック」といい呆れたバカです。

*1:日本大学教授。著書『メディアとテロリズム』(2009年、新潮新書)、『リスクコミュニケーション』(2022年、平凡社新書)など

*2:勿論「恫喝にとどまるなら、ロシアがそうした行為をやっていい」と言う「ロシア擁護」ではなく単なる事実の指摘です。

*3:東京大学教授。著書『現代アラブの社会思想』(2002年、講談社現代新書)、『中東 危機の震源を読む』(2009年、新潮選書)、『イスラーム国の衝撃』(2015年、文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(2016年、新潮選書)、『【中東大混迷を解く】 シーア派スンニ派』(2018年、新潮選書)など

*4:東京大学先端科学技術研究センター専任講師。著書『軍事大国ロシア』(2016年、作品社)、『プーチンの国家戦略』(2016年、東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学』(2019年、東京堂出版)、『現代ロシアの軍事戦略』(2021年、ちくま新書)など

*5:勿論「専守防衛自衛隊」である以上「ソ連の日本侵攻」と言う前提であって「自衛隊の軍事作戦による北方領土奪還」など日本から開戦する前提ではないでしょう。

*6:これについてはいわゆる「ヤルタ密約」で米英が侵攻を容認していたことを指摘しておきます(例えばそんな過去があったのなら、ますます北方領土なんか返還される見込みがない - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)。

*7:前作『空母いぶき』の時の「中国の侵攻ガー」でもいい加減非常識でしたが。こんなんを読みたがるウヨも読者に多数いるんですかね。