さいたま市で「基礎疾患のない10代」がコロナ死亡

 「衝撃的事件」として報じられたので、ご存じの方も多いでしょうが紹介しておきます。「10代でも死去」とは勿論レアケース(埼玉では初)ですが「体中に血栓ができて死亡」とは「コロナは風邪」とはとてもいえないことは明白でしょう。
 しかも恐ろしいのは
1)ワクチン2回接種済みなのに死亡(おそらくは、3回目接種を1ヶ月後などにすべき状況、つまり接種から時間がたって、かなり抗体が減っていたのでしょうが)
2)マスコミ報道に寄れば基礎疾患がなかった(そのために自宅療養にされた)
3)自宅療養中に容態が急変
4)「病床不足」を理由にすぐに救急搬送できなかったこと(計10カ所の医療機関に救急搬送を断られた)が「死につながった疑いがあること」ですね。

新型コロナ感染の10代男性が死亡 基礎疾患なし さいたま | 新型コロナウイルス | NHKニュース2022.2.16
 さいたま市新型コロナウイルスに感染した市内に住む10代後半の男性が死亡したと発表しました。
 男性に基礎疾患はないということで、市は感染症に伴う血栓などが生じたことで死亡した可能性があるとしています。
 さいたま市によりますと、亡くなったのは市内に住む10代後半の男子学生で、今月2日に発熱の症状が出て検査を受けた結果、6日に新型コロナへの感染が確認されました。
 男性は40度を超える高熱が出ていた*1ものの、保健師が健康観察を行って自宅で療養していたところ、7日に体調が急変して救急車で病院に搬送され、2日後の9日に亡くなったということです。
 男性の家族からは6日に最初の救急搬送の要請がありましたが、基礎疾患がないことに加え、血液中の酸素の値などに問題はなく、せきや呼吸困難などの症状も出ていないことなどから、市は入院調整の基準に達していないと判断し、保健師による健康観察を行っていたということです。
 また体調が急変した7日は、救急車が午前8時に自宅に到着した際、男性の意識が薄れ血圧が低下していたものの、すぐに対応できる医療機関が見つからず、搬送を開始したのは50分後、県内の病院に到着したのは午前9時半から10時ごろだったということです。
 さいたま市は男性が感染症に伴う血栓などが生じたことで、死亡した可能性があるとしています。
 男性はワクチンを2回接種していたということです。
 さいたま市は「若い方が亡くなるのは非常に残念です。症状の変化が早かったので難しいケースだった」と話しています。

コロナ感染死亡の10代男性 10の医療機関から受け入れ断られる | 新型コロナウイルス | NHKニュース2022.2.17
 さいたま市新型コロナウイルスに感染した基礎疾患のない10代の男性が死亡したことが16日明らかになり、男性は体調が急変して搬送先が見つかるまでに少なくとも10の医療機関から断られていたことが分かりました。
 男性は、7日に体調が急変し救急車を自宅に呼んだものの、少なくとも10の医療機関から満床などを理由に受け入れを断られたということです。
 消防によりますと、最終的に県内の病院への搬送が決まるまで1時間以上かかったということです。

新型コロナ: さいたま市で10代死亡 「若い世代の呼吸器疾患注視」: 日本経済新聞2022.2.18
 埼玉県の大野元裕知事は18日、さいたま市新型コロナウイルスに感染した基礎疾患のない10代の男性が死亡したことについて「埼玉県では初めてのケース。心からお悔やみ申し上げたい。(変異型の)オミクロン型は相対的に呼吸器系疾患は少ないというものの、我々も気をかけなければならない」と述べ、若い世代の症状についてもより注意深くチェックする考えを示した。
 さいたま市によると、この男性は計10カ所の医療機関に救急搬送を断られた。大野知事は今回の対応について「一般的には不適切だ。最終的には消防本部から依頼を受けた県の入院調整本部が紹介した医療機関に入った」として、救急体制に問題があったとの認識を示した。

*1:これでも「基礎疾患がない」「血液中の酸素濃度に問題が無い」「病床不足、宿泊療養施設不足」等を理由に「軽症扱いで自宅療養」というのが恐ろしい。普通なら「40度の高熱」なら入院してもおかしくないでしょう。