プーチンがついにウクライナに侵攻 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
ロシアは欧米に圧力をかけたいだけで、まさか軍事侵攻まではやらないだろう、そんなことをしたら欧米からの制裁もあってロシアにとって失うものが大きすぎる、と分析する識者が多かった
識者(ロシアやウクライナの専門家)ではありませんが澤藤氏も
澤藤統一郎の憲法日記 » 軍事侵攻に踏み切ったプーチンに、最大限の国際世論の非難を。
まさか軍事侵攻はあるまいと思っていたのは、ロシアにとって、ウクライナに対する軍事侵攻が合理的な国家政策とは考えられなかったからだ。
ロシアの対ウクライナ政策の主たる目的は、ウクライナをNATOの影響から引き離し、ウクライナを緩衝地帯として確保しておくことだということと理解していた。それなら、武力による威嚇はあっても、武力の行使にまでは踏み切ることはないだろう。
国境線を越えて侵攻し、発砲し、爆撃し、国民を殺傷すれば、憎悪の禍根を残すばかりではないか。傀儡政権をデッチ上げようとも国民の支持を得られるはずもない。ウクライナを緩衝地帯として確保するどころか、くすぶり続ける火種をのこし、西側に押しやるばかりではないか。
と書くとおり、普通に考えてそう思うでしょう。仮に軍事侵攻する場合でも「親ロシア派支配地域での局地戦」ならともかく「ゼレンスキー政権打倒、傀儡政権樹立が目的ではないか」といわれるような「首都攻勢」をするとは普通思わない。
プーチン自身が「侵攻の意思はない、米国の誹謗だ」「ウクライナのNATO加盟に反対しているだけだ」と公言していた。
勿論、それを「鵜呑みにする」ほど俺も識者も澤藤氏も「お人好し」ではありませんが、プーチンは「一国の国家元首(大統領)」です。
発言はそう簡単に反故にできるもんではない。反故にするには「それなりの言い訳が必要」です。
どう見ても「侵攻が必要だった」と言える言い訳は示されてませんからね。
「台湾の独立宣言がない」現状で、中国が日頃の発言「独立宣言しない限り侵攻しない(ただし独立宣言すれば侵攻もあり得る)」を反故にして「台湾に侵攻する」位無茶です。
勿論、過去にも
◆満州事変(1931年、戦前日本)
◆トロツキー暗殺(1940年、スターリンソ連)
◆金大中拉致(1973年、朴正熙・韓国)
◆ラングーン事件(1983年)、大韓機爆破事件(1987年)など(北朝鮮)
◆パンナム機爆破事件(1988年、カダフィ・リビア)
など「違法行為(政敵暗殺など)をやる国家」はありますが、やる前から「近々やるだろう」といわれ、それに対して「誹謗はやめろ」と公言していたのに「まともな言い訳もせずに前言撤回」、違法行為を実行なんて今回のようなケースは過去に例が少ないでしょう。
しかもロシアには「旧ソ連時代のアフガン撤退」の悪夢がある。「本格侵攻なんかしたらウクライナが第二のアフガン化しないか」とは誰もが思うことでしょう。
ロシアの言い分;
「ウクライナの侵攻は起こっていない。今起きているのは、露大統領の決定による特殊軍事作戦で、目的は(露側が独立を承認した)ドネツク人民共和国とルガンスク*1人民共和国の住民の保護だ」(ガルージン駐日ロシア大使が)林外相に対して)
「ドネツク、ルガンスク限定」なら侵攻していいわけではありませんが、マスコミ報道によればどう見ても「本格的侵攻」のようですから、成り立たない言い訳です。
ガルージン*2大使はさらに、記者団の取材に応じ、《日本政府が検討する対ロ制裁に関し、「(日ロ関係の)良い雰囲気をつくるためには役に立たない」と指摘。北方領土交渉にも悪影響を及ぼすとけん制した》そうだ
ウクライナに対してこんなひどいことをやらかす国が「北方領土」云々言っても「返す気が本当にあるのか?」とまともな人間なら思うでしょう。
大体、国連事務総長や欧米各国がロシア非難してるのに、日本だけ脳天気に「ロシアに甘い態度」がとれるわけもない。
「プーチンとともに北朝鮮を支援する」など、「ロシアと共闘することも少なくない中国」も「安保理制裁には否定的」とはいえさすがに「ロシアの行為」を擁護はしない。
駐日大使にこんなことを言わせる「プーチンの頭は大丈夫なのか?」と頭痛がします。
「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」(2019年9月、ゾッとする言葉だが)などとプーチンに秋波を送った(表現が古いな)安倍氏は今何思う。
さすがに安倍は、今回の件は批判していますが、過去のプーチン持ち上げについて「私の人を見る目がなかった」位は言ってもいいでしょう。一方、「前米国大統領」トランプが「プーチンを賞賛するような発言」をしていることには頭痛がします。トランプって未だに「共和党に対して無視できない政治力がある」んでしょうか?
ロシアのウクライナ侵攻を糾弾する運動を広めたい
過去に
◆長井健司さんの死によせて―独裁を倒した記者の死 - 高世仁のジャーナルな日々2007.10.5
拉致という行為の非道さを思い、金正日体制打倒の決意を固める。
◆金正日体制打倒と外交1 - 高世仁のジャーナルな日々2008.6.19
大事なのは、金正日体制を崩壊させる「決意」であり「戦略」だ。
◆さあ、金正日にも逮捕状を! - 高世仁のジャーナルな日々2009.3.5
私は当時国際刑事裁判所の裁判官に選出されたばかりの齋賀富美子氏*3(つい先日、再選された)とシンポジウムで同席し、金正日を国際法廷へ引きずり出せと主張した
◆ICC裁判官 齋賀冨美子氏の訃報 - 高世仁のジャーナルな日々2009.4.26
金正日を国際法廷に引きずり出すことがいかにして可能になるかを考えている
◆カダフィの末路と北朝鮮2 - 高世仁のジャーナルな日々2011.2.26
かねがね、金正日をICCで裁きたいと思ってきた。
金正日に逮捕状を!1 - 高世仁のジャーナルな日々
◆北朝鮮体制の打倒は憲法の要請 - 高世仁のジャーナルな日々2017.5.17
金正日体制がもたらすような「恐怖と欠乏」から、全世界が解放されていなければ真の平和とは言えないのではないだろうか。
といっていた高世(とはいえ「金正男暗殺疑惑」金正恩についてはこんなことは書かずに完全に北朝鮮問題から高世は逃げていますが)が今回
ウクライナ侵攻という行為の非道さを思い、プーチン体制打倒の決意を固める。
◆プーチン体制打倒と外交
大事なのは、プーチン体制を崩壊させる「決意」であり「戦略」だ。
私はプーチンを国際法廷へ引きずり出せと主張した
プーチンを国際法廷に引きずり出すことがいかにして可能になるかを考えている
◆カダフィの末路とロシア
かねがね、プーチンをICCで裁きたいと思ってきた。
◆プーチン・ロシア体制の打倒は憲法の要請
プーチン体制がもたらすような「恐怖と欠乏」から、全世界が解放されていなければ真の平和とは言えないのではないだろうか。
と書かないのは興味深い。まさに「北朝鮮の時だけバカになる高世」です。
レアメタルをめぐって540万人が犠牲に - 高世仁のジャーナルな日々
高世がこの記事で紹介している「華井和代・東大講師」には
という著書があるので紹介しておきます。
なお、「高世が紹介する華井発言」に寄れば
1)コンゴはコバルトの主要な産出国
2)電気自動車のバッテリーにはコバルトが不可欠
3)電気自動車開発に取り組む中国がコンゴのコバルト鉱山の採掘権を多数獲得(以上は俺の要約)
だそうです。
改めて「中国も経済大国になったものだ」と感慨深い。
それにしてもコンゴも「技術力」があれば「自力で電気自動車開発が出来る」ところ「単なるコバルト売買」で大して儲からないのは「何だかなあ」ですね。