ウクライナ危機に9条護憲を訴える方法 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba
【最初に追記】
松竹は「ウクライナ侵攻は改憲論を有利にしてる」と思ってるようですが、俺はそうは思いません。
むしろ「合理的(?)に考えれば」その逆ではないか。
何のことかと言えば「ウクライナ侵攻での対ロシア制裁や国連総会非難決議、安保理決議提案(ロシアの拒否権で挫折しましたが)を見て日本攻撃などしたがる国があるのか」ということです。
日本攻撃などすれば「今回同様の制裁、国連非難決議、安保理決議提案(ロシアのような五大国でない限り拒否権で潰せない)が待ってる」であろうことは間違いない。今回のロシアの場合は、制裁などの結果「ウクライナは第二のアフガンとなるのではないか」「プーチン体制終了の始まりではないか」とも言われてる。
こういうと「差別的」かもしれませんが「G7諸国」にとっては「ウクライナより経済大国・日本の方が重要」でもあるでしょう(ネット上では「同じヨーロッパ人のウクライナほどの支援が、アジア人の日本への侵略であるか(いやない)」なんて悲観論も一部見ましたが、それは認識がおかしい)。
また、ウクライナ軍と比べて、おそらく「自衛隊の方が武器の性能はいい」(将来的にはともかく現状はそうでしょう)。
それでどこに「日本攻撃しよう」という国があるのか。
むしろ護憲派が「軍拡よりも国際協調での侵略阻止を目指すべき」として強調することがある
【憲法前文】
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
が「現実的な物となったこと」を示すのが今回のウクライナ侵攻ではないか。
【追記終わり】
あの黒坂が松竹を「褒めていた」ので気づきました。
党員ではないのですがオレ流のユーモア(?)としてこの拙記事タイトルに「同志閣下」と書いてみました。
まあ「九条擁護」「歴史修正主義(河野談話否定論など)批判」などという意味では志位氏は「同志」ではありますが。
5日に講演する予定です。京都のある地域の9条の会、新日本婦人の会などつくるネットワークが主催するもの
「党から正式に除名しても、もはや何ら問題ない反党右翼分子。萩原遼の同類(俺の評価)」の松竹に講演依頼とは奇特な人もいるもんです。共産党の下部組織ではないとはいえ、九条の会、新日本婦人の会は共産党の友好団体かと思っていましたが。
現実から離れたことを言ってしまっては、どんどん世論から離れていってしまいます。
俺にとっては「ありもしない中国の軍事的脅威を放言する松竹」よりも「志位氏の認識」の方がずっと現実に合致しています。
そもそも「現実に合致しているかどうか」と「世論と合致しているかどうか」はイコールではない。例えば大阪で維新が「大阪府民多数派という世論の絶大な支持を得ている」からといって「維新の大阪でのコロナ対策が現実に合致している」わけではない(むしろ死亡率が一番高いのが大阪です)
「現実に合致してれば世論に支持される」「世論に支持されてるから現実に合致している」というほど世の中は単純ではない。そもそもこんなことを抜かす松竹が「共産党に比べてまるで世論の支持がない(そもそも、いくつか著書*1があるとはいえ松竹は無名ですが)」のだから滑稽ですが。「そんなに共産党に文句があるなら、れいわ新選組の山本太郎を見習って新党でも作れよ」と言いたくなる。
そして「不安」という意味では共産党の外交主張よりも「山本太郎(れいわ新選組代表)や鈴木宗男(維新の会)、橋下徹(建前上は維新とはつながりはないが、維新の会初代代表)が露骨にロシアに甘いこと(ロシアシンパ?)」の方がよほど不安です。
日本国民の多数が不安を抱いている中国が、これほど明白な侵略に対して、何の抗議もしていない*2。
おいおいですね。「日本国民」の俺は中国に対して「日本侵攻」「台湾侵攻」という意味では何の不安も抱いてません。
そんな非常識なことはやるわけがない。
ただし中国の「経済力」「科学技術力(千人計画など)」「経済力をバックにした外交力(例:一帯一路やAIIB)」には不安を抱いています。正直「AIIB、一帯一路」に匹敵するような「スケールの大きな外交」が今の日本にできているのか。
ありもしない軍事的脅威におびえ、「真の脅威(経済力など)」に無関心とは全く馬鹿げている。日本は「日中友好を進める」一方で、そうした中国の脅威に対して「中国の経済力、科学技術力、外交力」に負けないだけの「日本としてのそうした力」をつける必要がある。
なお、中国は確かに「ロシアをガンガン批判してない」ものの、国連総会のロシア批判決議には「反対」せず「棄権」しました(なお、反対はわずか5カ国でロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリア*3。棄権国は35カ国で、中国以外にもUAE(アラブ首長国連邦)、イラン、インド、カザフスタン、キューバ、ベトナム、ラオス*4などが棄権しました。なお、非常任理事国でもあるインド、UAEは、常任理事国・中国とともに『安保理のロシア非難決議』でも棄権しました)。
勿論「棄権」はロシアとしがらみがあると言うだけであり是非はともかく「ああした軍事行動を是とする」という話ではない。
例えばインドが棄権したからと言って「長年対立するパキスタン相手にああした軍事行動を取る」という話ではないでしょう。それにしても「中国以外も棄権したから、中国が棄権していい」というわけではありませんが「中国以外も棄権したこと」に触れない「反中国の右翼分子」松竹は「事実認識がゆがんでる」というべきでしょう。
また、ウクライナ 中国に停戦仲介要請 外相が電話会談 - 産経ニュースという報道もあります。
重要なことは「和平仲介依頼」は報道によれば「中国がウクライナに持ちかけた」のではなく「その逆だ」ということですね。
「中露分断」などウクライナにも思惑はあるでしょうが、いずれにせよウクライナは松竹ほど中国に対して否定的ではない。
むしろ中国よりも「山本太郎(れいわ)や鈴木宗男(維新)、橋下徹(維新・初代代表)」の方がずっとロシアに甘いのではないか。
なお、私見では「ウクライナ危機をネタに九条擁護を訴える」のなら志位氏のような「プーチンのような無法な行為をやらせないための九条だ」しかないでしょう。多分、松竹はそうではないのでしょうが。
なお、「ウクライナ危機をネタに九条擁護を訴える」というのとは違いますが
1)「ロシアへの国連総会批判決議」や経済制裁でわかるように「軍事以外でも対抗措置はいろいろある」
2)ウクライナ軍やNATOの存在(ウクライナはNATO加盟国ではないが、NATOが支援意思を表明していた)はロシアの侵攻を阻止しなかった
3)ウクライナへの武器供与や軍事情報の提供はしても「自国民の戦死を希望しない国民感情(だからこそ米軍はアフガンから撤退した)」のためにNATO諸国はロシア軍と戦闘まではしない
ということは指摘しておきます。「ウクライナ危機だから九条改憲、日米安保支持」というほど話は単純ではない。そもそも「ベトナム戦争やイラク戦争」などを考えれば日米安保は「日本の防衛が目的」とはとても言えませんが。
志位さんのウクライナと絡めた9条論で一言 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba
「憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮に(ロシアの)プーチン*5大統領のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです」
こうした志位氏の発言には俺は全く同感ですね。
「憲法九条の制約」もあって「自衛隊」は「日中戦争、太平洋戦争を起こした戦前の日本軍」「ベトナム戦争で参戦した韓国軍」「イラク戦争で米軍と共同作戦した英国軍」などと違い「国外で戦争すること」はありませんでした。
もちろんそれを「国外で戦争する国」に変えることがアメリカや自民党などが目指す「九条改憲」の目的であるわけですが。
さて、こうした志位氏の発言に「例えばベトナム戦争では日本は米軍を後方支援した*6。九条があっても日本は戦争に『参加』した。志位氏はそれを容認するのか」と無茶苦茶な言いがかりをつける「党員にあるまじきバカ」が松竹です。もはや「萩原遼」のように除名すべきではないか。
前後の文脈からここで志位氏が言う「九条のおかげで参戦しなかった」とは「自衛隊の海外での武力行使」であることは明白です。
そこで「ベトナム戦争などの後方支援ガー」と言い出すのは愚劣な「話のすりかえ」でしかない。松竹のバカさには心底呆れます。
松竹が言うほど「憲法九条が無力」なら自民党も産経も「九条改憲」を主張したりしないでしょう。
現行憲法では「自衛隊の海外での軍事力行使が困難だから*7」こそ自民党や米国は九条改憲を主張する。
松竹の主張は「『残業代不払いのサービス残業』があるから労働法は無意味」並のアホ発言です(労働法があるからこそサービス残業がまだ少ないのであって、完全になくしたらもっと増加する)。
救いなのは「裸の王様」「夜郎自大」松竹がどんなに自画自賛しようとも、どんなに志位執行部に悪口しようとも、奴には「社会的影響力や知名度は皆無」ということですが。
それと松竹の文章は「共産党は自衛隊を合憲と認めるべきだ」などの「軍事ネタばかり」で「政治ブログを自称してるけど、お前は景気対策、福祉(医療、介護など)、教育、環境問題(例:地球温暖化)とか軍事以外のことは興味ねえのかよ(呆)」とマジでうんざりします(軍事について語る内容も右寄りでその点にもうんざりしますが)。
「日本においては軍事云々など選挙の票にはならない(菅がアピールしたのはデジタル庁、岸田がアピールしたのもこども家族庁やデジタル田園都市国家構想などで軍事ではない。安倍ですら「アベノミクス」「働き方改革」「日露平和条約締結(挫折しましたが)」など軍事以外をアピールしていた)」「軍事云々など戦争の危機にない日本において重要問題ではない」という意味で「軍事偏重」の松竹は全く馬鹿げています。
*1:大手出版社からの著書としては松竹『憲法九条の軍事戦略』(2013年、平凡社新書)、『改憲的護憲論』(2017年、集英社新書)、『対米従属の謎:どうしたら自立できるか』(2017年、平凡社新書)、『集団的自衛権の深層』(2020年、平凡社新書)、『〈全条項分析〉日米地位協定の真実』(2021年、集英社新書)。「かもがわ出版」など中小出版社からも著書を出していますがそれは紹介を省略します。なお、初期の松竹の著書が『「基地国家・日本」の形成と展開』(2000年、新日本出版社)、『「集団的自衛権」批判』(2001年、新日本出版社)、『反戦の世界史:国際法を生みだす力』(2003年、新日本出版社)、『ルールある経済社会へ』(2004年、新日本出版社)と「新日本出版社が多かった」のに今は「松竹も党執行部もお互いに好感を持っていない」せいか「新日本出版社からの刊行がない」のには苦笑します。しかし「松竹の興味」が異常なまでに「軍事に偏重してること」にはうんざりします。
*2:むしろ中国の方が「河野談話否定論の安倍」に政権を任せた日本人に対して「過去の侵略を反省してるのか?」と「不安」を感じてるでしょう。「日本は加害国だから中国批判できない」とは思いませんが、日本人は「中国への加害」について真摯に反省する必要があります。そうした反省を棚上げして「中国の軍事的脅威ガー」とは醜悪なだけです。
*3:北朝鮮は「ロシアからの経済支援」、シリア、ベラルーシは「ロシアからの軍事支援(反体制派弾圧にロシア軍の力を借りた)」で反対理由は理解できるのですがエリトリアはよくわかりません。
*4:カザフスタン、キューバ、中国、ベトナム、ラオス(共産国または旧ソ連)は「ソ連時代からのしがらみ」、イランは「イスラム国イランを敵視する米国との対立のためにロシアの力を借りたい」と理解できますがUAEとインドはよくわかりません。
*5:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領
*6:勿論「ベトナム戦争は一例」にすぎず「朝鮮戦争」「タリバン打倒のアフガン戦争」「フセイン打倒のイラク戦争」などでも日本は後方支援しました。
*7:松竹は「安倍政権での解釈改憲(集団的自衛権容認)とそれに基づく安保法制定で、九条があっても『自衛隊の海外での軍事力行使』が可能になった」といいそうですが、1)安倍の解釈改憲については違憲という批判が有力で野党に政権交代した場合、そうした解釈は廃棄され、安保法も廃止される可能性が高い(また今の最高裁では統治行為論で憲法判断を逃げる可能性があるが、安保法に違憲判決が出る可能性も一応ある)、2)安倍の解釈改憲では海外での武力行使には一定の制約がある(安保法の『存立危機事態』に該当する必要がある)、3)実際、安倍は首相在任中、世論の批判を恐れ、海外での武力行使ができなかった(南スーダンの自衛隊も撤退させた)という意味で九条の価値はなくなってはいません。「安保法があるから九条護憲の意味がなくなった。志位発言は間違ってる」と松竹が言いたいのであるならばそれはデマでしかない。そもそも「安保法があるから九条護憲の意味がなくなった。安保法制定以降は志位発言は間違ってる」のなら自民党や産経も明文改憲を目指さないでしょう。また「百歩譲って」松竹の主張「安保法があるから九条護憲の意味がなくなった。安保法制定以降は志位発言は間違ってる」を認めるにしてもそれはむしろ「安倍政権による安保法制定前は自衛隊の海外での武力行使ができなかったこと」を意味し「九条によって自衛隊の海外での武力行使が阻止されてきた」という志位発言の正しさを示しています。