今日の中国ニュース(2022年3月6日分)(副題:ウクライナ情勢&全人代開催)

全人代いろいろ
中国 人身売買めぐる犯罪 去年1500人近くを起訴 全人代で報告 | 中国 | NHKニュース

中国・全人代閉幕 来年退任の李克強首相、人身売買に「憤り」 | 毎日新聞
 李克強首相は閉幕後のオンライン記者会見で(中略)「最近、ある地方で女性の権利を激しく侵害する事件が起きた。我々の心は痛み、憤りを感じた」と感情をあらわにする場面もあった。今年1~2月に鎖でつながれた女性の動画がインターネット上で拡散した人身売買事件を指すとみられ「このような女性や子供の人身売買に関する犯罪は厳格に取り締まる」と強調した。国民の関心を集めた事件について、トップダウンで迅速な対応を取る姿勢をアピールした形だ。

中国、女性・児童の人身売買を集中取り締まりへ 「鎖の女性」事件で:朝日新聞デジタル
 5日に開幕した中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)の李克強(リー・コーチアン)首相による政府活動報告では、「女性・児童の人身売買を厳重に取り締まり、女性・児童の合法的な権利・利益を断固として守る」との方針が示された。

中国全人代 景気対策に取り組む方針強調 指導部のかじ取り焦点 | 中国 全人代 | NHKニュース
 政府活動報告では、中国の農村部などで横行する女性や子どもの人身売買の問題を取り上げ「誘拐や人身売買といった犯罪行為を厳しく取締り、女性や子どもの合法的な権利を守らなければならない」と強調しました。
 中国では今年1月、東部・江蘇省の農村で人身売買の被害者の女性が首を鎖でつながれ、小屋に閉じ込められている動画がインターネット上で拡散したのをきっかけに、女性の夫が逮捕されたほか、問題を放置していたなどとして地元当局の幹部らが大量に処分されました。

 これからわかることは当たり前の話ですが「今の中国は毛沢東時代とは違い、国民世論が大きく政治に影響する」ということです。
 いかに一党独裁とはいえ「政府に対する批判」を全く無視して政治をすることはできる話ではない。
 さすがに「大規模な人身売買事件の発生」はいい加減な扱いができる話ではないので政府としても徹底取り締まりをやらざるを得ない。
 また、一方で「犯罪組織の徹底取り締まり」は「民主化」云々と直結する話でもないので「政府としてもやりやすい」面がある。


全人代、安定基調 民政に重点 小嶋華津子慶大教授 - 産経ニュース

 国防費は伸び率が前年比0.3%増えたが、緊張する国際関係を考えると軍拡と呼べるものではない。
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP*1)への加盟を目指す中国は安定的な国際環境を必要とし、ロシアのウクライナ侵攻で難しい判断を迫られる。中露両国は専制国家とひとくくりにされがちだが(ボーガス注:同盟関係ではなく)戦略的関係に過ぎず、侵攻は主権尊重などの原則を掲げる中国の意に反する。ロシアと同一視してほしくないのが本音だろう。

 産経なら「国防費増加→中国の脅威ガー」「ウクライナ侵攻→台湾の危機ガー&中国はロシアとグル」と放言するかと思いましたが、「小嶋華津子*2(こじま・かずこ)慶大教授」は反中国極右ではないまともな研究者なのでしょう。
 

ウクライナ情勢を見て中国が台湾侵攻する可能性は低い(ニッポン放送) - Yahoo!ニュース
 「ウクライナ情勢がよほどロシアに有利に展開しない限り」当たり前の話でありニッポン放送のウヨ番組に出る人間でもある程度まともな人間はこういうわけです。


ロシアのウクライナへの軍事侵攻 中国の台湾・尖閣での「力による現状変更に繋がる」86% JNN世論調査【詳報】|TBS NEWS
 日本のマスコミがまともな中国報道をしないことも大きいのでしょうが「日本人はアホか」ですね。
 ロシアに対する制裁を見て「台湾に侵攻しよう」と思うわけがない。


【中国ウォッチ】台湾侵攻、心理戦がカギ─「中国超大国論」浸透なら追い風:時事ドットコム時事通信解説委員・西村哲也
 時事通信のバカさには心底呆れます。
 上にも書きましたが「ロシアの侵攻ですぐにでもキエフが陥落」ならまだしも今のぐだぐだ状態で何で「台湾侵攻の脅威ガー」なのか。

*1:参加国はオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポールベトナム。トランプ時代に離脱した米国は将来はともかく現時点では復帰していない。

*2:著書『中国の労働者組織と国民統合』(2021年、慶應義塾大学出版会)