珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年3月6日分)(追記あり)

◆黒坂のツイート

黒坂真
 中野顕さん。日本共産党日露戦争を(ボーガス注:植民地獲得のための)帝国主義戦争と見ているのですね。
◆中野顕
NATOの東方拡大は理由にならない】
 軍事ブロックが拡大するのはよくないこと。しかしだからといってウクライナを侵略していい国連憲章破っていいということにはなりません。ロシアが東方進出してきたから日本は韓国を植民地にした」「ABCD包囲網があったからアジアを侵略した」のと同じ論理です。
【ロシアを批判したらアメリカ側につくことになる?】
 それは大間違い。今回は「プーチンvs人類((ボーガス注:平昌五輪フィギュアスケート女子の銀メダリスト、エフゲニア・メドべージェワなど、プーチンを批判する)ロシア国民を含む)」のたたかいであって「ロシアvsNATO」ではありません。日露戦争の時、日本とロシアの社会主義者は連帯して戦争に反対。片山潜プレハーノフアムステルダムでエールを交換しました。ロシア国内の平和の世論と連帯し、プーチンを孤立させましょう。

 赤字部分からは中野氏の理解が「日露戦争は韓国植民地化のための帝国主義戦争」というものだと評価できますが「日本共産党が」ではなくそれが「通説」ですね。黒坂の「日露戦争はロシアの脅威ガー。ロシアの南下政策が悪い。日本が戦争しなければいずれ日本はロシアの植民地になっていた」はプーチンの「ウクライナ侵攻はNATOの脅威ガー。NATOの東方拡大が悪い。ロシアが戦争しなければいずれNATOがロシアに侵攻していた」と同レベルですが、プーチン批判しながらよくも似たり寄ったりの詭弁がはけるもんです。

黒坂真リツイート
 ロシアと異なり、日本では古代から独裁者といえるような権力者は稀です。最晩年の豊臣秀吉ぐらいでしょうか。
志位和夫
 私は、「ロシアが憲法9条をもったら」などという空論をのべたのでなく、「日本でプーチン氏のような人物が出た場合」に9条が歯止めの力を発揮するという現実の問題について語った。そのことをまったく理解できない元首相。
赤旗指摘の意味理解できない安倍氏/志位氏に的外れな批判

 黒坂が「平清盛太政大臣)」「織田信長」「徳川家康征夷大将軍)」「大久保利通(内務卿)」「伊藤博文(初代首相。貴族院議長、枢密院議長、韓国統監などの要職を歴任。元老の一人)」などの「日本歴史における独裁的政治家」と比べ「豊臣秀吉(関白)」を「独裁的性格が格段に強い」と評価する理由が全くわからないので「はあ?」ですね。
 そもそも豊臣秀吉政権における「徳川家康五大老)」が秀吉も無視できないそれなりの政治力を持ち、秀吉死後にはついに「豊臣氏を滅ぼして徳川政権(徳川幕府)を作ったこと」を考えれば、秀吉に黒坂が言うほどの絶大な力があったかどうか。
 それにしても黒坂はこんな物言いが「志位氏に対する反論」になると本気で思ってるんでしょうか(呆)。
 なお「ロシアが憲法9条をもったら」という主張を志位氏がしていないのは確かにその通りなのですが、一方で「もしロシアに憲法九条があったら」という「思考実験をすること」それ自体は「空理空論」ではないでしょう(勿論、その現実性が低いことは事実ですが)。
 「ロシアに憲法九条があれば、プーチンのような人間が現れても海外での軍事行使は困難であり、だからこそ憲法九条には意義がある」と主張することが「間違いだ」とは俺は思いません。
【追記】
 ふと思ったのですが、

平野耕太
 歴史上の人物で秀吉(ボーガス注:の朝鮮侵攻)とか年食うと途端に若い頃の理知さとか忘れたかのように無茶苦茶やりだす指導者とかいるじゃないすか
 今、(ボーガス注:プーチンによって)それ*1見させられてんのかなあっていう

などという御仁と「似たり寄ったりの価値観」、つまり「秀吉の朝鮮侵略なみにプーチンウクライナ侵攻は無謀」「朝鮮侵攻は結果として、徳川氏による政権乗っ取りを助長したのではないか。そしてプーチン政権も秀吉政権のように崩壊するのでは?」から黒坂は

 最晩年の豊臣秀吉ぐらい

といってるんでしょうか?(苦笑)。ただし、秀吉の朝鮮侵略をどう評価するにせよ、あれは「嫌がる大名たちを、秀吉が独裁者として無理矢理、朝鮮侵攻に動員した」という話でもないでしょう。大名たちも「戦果を上げれば秀吉に評価される」とノリノリだったと思いますが(少なくとも戦争初期は)。
 そしてむしろ日本史において「プーチンウクライナ侵攻以上に無謀」だった「戦争」は「秀吉の朝鮮侵攻」より「昭和天皇、東条首相らの対米開戦(太平洋戦争)」でしょう。当初から「勝ち目が乏しい」という指摘はありました。
 その結果、昭和天皇は「国家元首から象徴」に転落し、東条は戦犯として処刑されます。

*1:ウクライナ侵攻のこと