今日のロシアニュース(2022年3月23日分)

【主張】ゼレンスキー演説 大統領の期待に応えたい - 産経ニュース

 ロシア軍の攻撃で同国内の原発は危険な状況にある。

 と書いても「脱原発」とは絶対に主張しない産経です。

 プーチン政権のロシアによる侵略は絶対に許されない。国連憲章国際法をふみにじり、市民への無差別攻撃をためらわないロシアの無法がまかり通れば、世界の秩序の根幹は崩れる。
 それは、台湾や朝鮮半島尖閣諸島など日本周辺で有事が起きる可能性も高めてしまう。

 おいおいですね。「国連総会での非難決議」「経済制裁」を考えれば既に「まかり通る」といえる状況ではない。
 この状況を見て「台湾や朝鮮半島尖閣諸島など」で有事を起こす国(中国や北朝鮮?)もないでしょう。「経済大国」中国はともかくそもそも「経済小国」北朝鮮について言えば侵攻能力自体があるか自体に大きな疑問符がつきます。

 ウクライナ支援はもとより、日本と世界の平和を確かなものにする抑止力強化にも取り組んでもらいたい。

 やれやれですね。是非はともかく*1既に自衛隊は「世界有数の軍事力」です。むしろ軍縮が必要でしょう。
 「格差問題」「コロナ問題」などそっちのけで「軍事的脅威ガー」。あほかと呆れます。


【主張】地下鉄サリン27年 その残虐性を広く伝えよ - 産経ニュース
 「オウム残党の危険ガー」「ロシア軍のウクライナでの化学兵器サリンなど)使用の危険ガー」だそうです。
 前者についてはそんな危険はない。後者については「その危険は否定できない」ようですが、別に「オウムのサリン事件」を訴える必要はないでしょう。
 しかし「ロシア軍の化学兵器使用の危険ガー」で「オウムのサリン事件」云々と言い出す産経が「ドンバス共和国(親ロシア派の支配地域、ロシア軍が支援)はまるで満州国のようだ」などといわれると「関係ない!」と怒り出すのだから全く滑稽です。
 「ロシア軍の化学兵器使用の危険ガー」と「オウムのサリン事件」の方がよほど「関係ない」でしょうに。


侵攻に抗議か、ロシア高官辞任 大統領特別代表チュバイス氏:時事ドットコム
 「側近とまでは言えない人間チュバイス*2」がプーチンから離反したという話です。「プーチンの羽振りがいいからすり寄った」レベルの人間は今後もこのように離反していくのでしょう。
 そもそも「報道によれば」チュバイスは「元々は反プーチンを主張してた」という「昔は野党ぶっていたが今や自民にすり寄る国民民主の玉木」「衆院選惨敗後、急速に維新にすり寄る大阪自民党」のような代物です。
 プーチンも「そんな奴が出て行こうがあまり痛くない」でしょうし、プーチン批判派も「羽振りが良かった頃はプーチン批判を引っ込めてすり寄ったくせに今更かよ」とチュバイスには「今の玉木に対する自民や野党各党」「今の大阪自民に対する維新批判派」のような冷たい評価でしょう。


【主張】露の領土交渉中断 「プーチン後」を見据えよ - 産経ニュース

 日本がプーチン政権と良好な関係を築いて、覇権主義的な中国を牽制させようとした企ては幻想だったと指摘しておきたい。

 「プーチンと良好な関係でロシアの天然ガスを安く手に入れる、北方領土の返還を目指す」ならまだしも「プーチンの侵攻」に関係なく「中国牽制」など最初から幻想です。
 理由は簡単でロシアに限らず「経済大国・中国とけんかしよう」なんて国は普通ありません。ロシアに限らず、多くの国にとっては中国は「重要な貿易相手国」です。
 ましてやロシアは「BRICS」「上海協力機構」(いずれも中露が主要メンバー)で強いつながりがあります。
 ロシアからすれば「一部日本ウヨの中国牽制論」には「アホか」と呆れたでしょうが「アホか」と突っ込んでもメリットもないので適当に調子を合わせていただけの話です。「適当に調子を合わせる」はロシアに限らず「インドで中国を牽制」「領土問題で中国と対立するフィリピン、ベトナムを応援しよう」に対する「インドやフィリピン、ベトナムの態度」なども同じですが。

 岸田首相は22日、萩生田光一*3経済産業相が兼務するロシア経済分野協力担当相を外さない考えを示したが、誤りだ。この無用の職務は即刻廃止すべきである。

 そうした親ロシア路線を取ったのは首相時代の安倍です。ロシア経済分野協力担当相も「安倍政権時代に初めて設置」なのに安倍批判しない辺りが産経らしい。
 そもそも岸田が「廃止しない」のも「廃止して俺の面子を潰すな」という「安倍の圧力」が理由かもしれないのに。
 こうした「親ロシア外交の実施者」が安倍ではなく産経が敵視する「鳩山由紀夫首相」「菅直人首相(現在、立憲民主党最高顧問)」などなら名前を出して悪口雑言でしょうに。

*1:勿論俺は是としませんが。

*2:エリツィン政権で大統領府長官、第一副首相兼財務相を歴任

*3:第三次安倍内閣官房副長官、第四次安倍、菅内閣文科相を経て岸田内閣経産相