今日のロシアニュース(2022年4月3日分)

「平和国家」議論進まず ウクライナへの殺傷兵器提供(1/2ページ) - 産経ニュース
 呆れて二の句が継げませんね。憲法九条の観点からロケット砲や小銃のような殺傷兵器なんか提供すべきではない。当然ながら「支援イコール武器支援」ではない。医薬品、食料などいくらでもあり得る。ウクライナも日本に武器支援なんか求めてない。
 「プーチンが無茶苦茶であること」への同情を悪用して武器支援を正当化しようなど全くふざけています。


安倍元首相、自衛隊明記「抑止力強化」山口で改憲集会 - 産経ニュース

 自衛隊の明記については「私にとって戦後レジーム(からの脱却)の核心で、自衛隊違憲論争に終止符を打つことは政治家の責任だ」と訴えた。

 勿論こうした主張は嘘八百であり、憲法学会はともかく政界や日本社会においては違憲論など支持されてない。
 一方で、安倍の改憲目的がそんなことではなく「集団的自衛権行使の正当化」であることは見え透いています。
 「国旗であると明確化するだけ→実際には日の丸掲揚反対派の教師を懲戒処分で弾圧」という「国旗法制定での暴挙」と同じパターンの訳です。

「もしウクライナ北大西洋条約機構NATO)に加盟できていればロシアは侵略できなかった」と指摘した。

 「プーチンロシアが反対するから加入できなかった」「加入したらそれが侵攻の引き金になりかねなかった」という意味で安倍の発言は「おいおい」ですね。
 ならば「エリツィン時代はどうか」といえば1)エリツィン時代だってロシアはNATO加盟を望んでなかったし、2)一方で今のプーチンと違い、「エリツィンは侵攻の構えなど見せてなかった」ので加入する意義にも乏しかった。
 それにしても「安倍政権の親プーチン路線」が明らかに今回の事態を助長したろうに「反省の言葉が一つもないこと」にはいつもながら呆れます。

 「ウクライナ情勢を受けたドイツ同様、日本も防衛費をGDP比2%以上に増やすよう加速していく必要がある」と述べた。

 おいおいですね。ドイツなどの軍拡についてはひとまず評価を保留しますが、「日本が軍拡する理由」がどこにあるのか。
 ウクライナで苦戦するロシアが北海道に侵攻するわけもない。中国や北朝鮮にしても日本に侵攻するわけもない。そして軍拡すれば福祉予算など他が削られるわけです。日本は福祉大国とは言いがたいのに全くふざけています。


【新聞に喝!】ロシア批判のはずが日本批判の不思議 イスラム思想研究者・飯山陽 - 産経ニュース

 3月3日付朝刊の天声人語では、国連総会で多くの国から非難され孤立したロシアについて「戦前の満州事変のあと、日本の立場もかくのごときものだったか」と戦前の日本*1になぞらえ、「満州事変から泥沼の日中戦争へと、破滅の道を進んだのが日本の歴史」と批判した。
 3月2日付朝刊には日本総合研究所会長で多摩大学学長でもある寺島実郎氏の「日本がプーチン氏を増長させた面もあることを指摘しておきます」うんぬんというインタビューを掲載した。いわく、安倍晋三元首相が(ボーガス注:人権問題(ロシア国内の同性愛差別など)を理由にオバマ米国大統領など欧米首脳の一部が欠席したにもかかわらず)2014(平成26)年のロシア・ソチ五輪開会式に参加したことや(ボーガス注:クリミア侵攻(2014年)後の)平成28年にプーチン大統領山口県に招いたことが「(ロシアが)むき出しの力を行使することを結果として後押し」したらしい。

 どちらも何ら問題ない正当な批判でしょうが「ウクライナ侵攻をダシに戦前日本や安倍元首相に不当な因縁をつけている」と言い出す産経です(勿論、朝日も寺島氏も当然プーチン批判はしています)。
 それこそ「朝日への不当な因縁」でしょう。そして産経の方こそウクライナ問題で「核保有主張」、「憲法九条への誹謗」はやめたらどうなのか。
 そもそも「断言してもいい」でしょうが産経がこの件で安倍をかばうのはまさに「産経が安倍シンパだから」にすぎません。
 プーチンへの好意的態度を取った首相が安倍ではなく、産経が毛嫌いする「細川護熙氏(首相当時、日本新党代表)」「村山富市氏(首相当時、社会党委員長)」「鳩山由紀夫氏(首相当時、民主党代表)」「菅直人氏(首相当時、民主党代表。現在、立憲民主党最高顧問)」といった「非自民の首相」でも同じ事を言うかと言えば、安倍をかばうのとは違い「プーチンを図に乗らせた重大な過ち」と悪口雑言でしょう。
 それにしてもこんな文章のどこが「イスラム研究」と関係があるのか。こんな駄文を「イスラム研究家」の肩書きで書く飯山も「頭がおかしい」というべきでしょう。

*1:傀儡国家(日本は満州国、ロシアはドンバス共和国)の建設といい、「蒋介石政権(ゼレンスキー政権)のために日本人同胞(ロシア人同胞)の命が危険にさらされてる」という開戦の口実といい、戦前日本とプーチンロシアはそっくりというべきでしょう。