「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年4/5日分:荒木和博の巻)

激化する?平壌女の闘い(R4.4.5): 荒木和博BLOG

 4月3日の労働新聞記事から気になったお話しを。男は怖くて女の闘いには立ち入れませんが、見ている分には面白いです。

 9分34秒の動画です。タイトルと説明文だけで見る気が失せます(一応見ましたが)。
 第一にそんなことが「荒木が建前とする拉致問題の解決」と何の関係があるのか。「何の関係もないこと」は動画を見るまでもなく説明文に「これこれこういう風に『女の闘い』をうまく利用して拉致解決につなげる」という言葉がなく「見ている分には面白い」という不謹慎な言葉があることでわかります(実は動画内では荒木は「女の闘いが拉致解決につなげられないか」とは一応言っているのですが、どうつなげるのか具体性は皆無。俺のような批判を想定して「ただ舌先三寸で言ってみただけ(勿論本当は何も考えてない)」なのはモロバレです。そもそも本気でそう思うのなら、何故、動画説明文にその種の言葉が何一つ出てこないのか)。
 第二に「女の闘い」云々は「女性差別暴言」と認識されても文句は言えないでしょう。「いや、この文章は『北朝鮮の女の闘い』限定の話だ、だから女性差別じゃない」「そういうことを言う人間は北朝鮮シンパか、アンチ荒木か、男性をいたずらに敵視する間違ったフェミニズムか、どれかだ」で荒木が居直れると思ってるのなら勘違いも甚だしい。
 例は何でもいいのですが、例えば自民党総裁選での「野田(現在、少子化等担当相)と高市(現在、政調会長)の立候補」を「まともな人間」は誰も「女の闘い」とは言わなかったのではないか。
 第三にこの荒木の動画、タイトルや説明文から

「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2/19分:荒木和博の巻)&北朝鮮最新ニュースその他色々(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログで取り上げた女の闘い 【調査会NEWS2198】(28.5.15): 荒木和博BLOG
「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年10/5日:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで取り上げた【調査会NEWS3511】(R3.10.4) 平壌の韓流ドラマ、女の戦い: 荒木和博BLOG
「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年11/8日:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで取り上げた北朝鮮女の闘い(R3.11.8): 荒木和博BLOG

と大同小異、同工異曲であることが予想できます(実際そうなのですが)。
 何度同じ話をすれば気が済むのか。しかもそれが「見ている分には面白い」という不謹慎な言葉でわかるように『拉致解決に関係ない話』なのだから心底呆れます。
 それはともかく「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2/19分:荒木和博の巻)&北朝鮮最新ニュースその他色々(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログを読んでいて「窓際のトットちゃん」の「マサオちゃん」の話を書いたことを思い出しました(すっかり忘れていた)。
 改めて「トットちゃん、マサオちゃん」でググってヒットした記事を後で紹介しておきます。
 さて、これで終わらせるのも「荒木動画を見てないのか?」と思われそうなので感想も書いておきます。

4月3日付労働新聞: 荒木和博BLOG
 この写真、もっと注目すべきことがあります。真ん中に写っている玄松月*1がマスクをしていないこと。しかもズボン姿でリラックスした感じ。結構重要かも。明日のYouTube「ショートメッセージ」ではそんな話をしています。乞うご期待。

とやらの話が今回の動画でされています。「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年4/4日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでも4月3日付労働新聞: 荒木和博BLOGについてはコメントしましたが、この部分はあまりにも「意味不明」だったので特にコメントはしませんでした。さて荒木の言うもっと注目すべきこととは何なのか。
 「鈍感な俺と違って勘の鋭い人」は気づいたでしょうが、「金正恩の近くに登場したのが、金与正(金正恩実妹*2李雪主金正恩の妻)*3ではない点が重要です!。三人の女性の間で権力闘争が起こってるのではないか」。
 「何の根拠もねえ憶測じゃねえか?」「それが事実だとして拉致解決と何の関係がある?」「アホか、手前?」で終わる話です。

【参考:窓際のトットちゃん】
 なお、赤字強調、青字強調は俺がしました。

歴史を学ぶ トットちゃんのお母さん - 伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ2016.2.3
黒柳徹子さんの自伝「窓ぎわのトットちゃん」から)
 小学1年生のトットちゃんが学校の帰り道、小学2年生くらいの男の子に出会いました。
(以下、引用)
 あるとき、トットちゃんが、学校の帰りに、この小さいガケの下を通ったときだった。
 マサオちゃんが、そこに仁王立ちに立っていた。
 両手を腰にあてて、えらそうな格好で、突然、トットちゃんに、大きい声で叫んだ。
 「チョーセンジン!」
  それは、とても憎しみのこもった、鋭い声で、トットちゃんは、こわかった。そして、なんにも話をしたことも、意地悪をしたこともない男の子が、なにか、憎しみをこめて、高いところから、自分に、そんなこと、いったことにも、びっくりした。

  トットちゃんは、家に帰ると、ママに報告した。
 「私のこと、マサオちゃんが、チョーセンジン!といった」
  ママは、トットちゃんの報告を聞くと、手を口にあてた。
 そして、みるみるうちに、ママの目に、涙が、いっぱいになった。
 トットちゃんは驚いた。なにか、とても悪いことなのかと思ったから。
 すると、ママは、鼻の頭を赤くして、涙をふきもしないで、こういった。
 「かわいそうに・・・。きっとみんながマサオちゃんに、『朝鮮人朝鮮人!』というんでしょうね。だから『朝鮮人!』というのは、人に対しての悪口の言葉だと思っているのね。
  マサオちゃんには、まだ、わからないのよ、小さいから。
  よく、みんなが、悪口を言うとき、『馬鹿!』なんていうでしょう?
  マサオちゃんは、そんなふうに、誰かに悪口をいいたかったので、いつも自分が、人からいわれているように、『チョーセンジン!』と、あなたに、いってみたんでしょう。なんて、みんなは、ひどいことをいうのかしらね・・・・

  それから、ママは涙をふくと、トットちゃんに、ゆっくり、こういった。
 「トットちゃんは、日本人で、マサオちゃんは、朝鮮という国の人なの。
  だけど、あなたも、マサオちゃんも、同じ子供なの。
  だから、絶対に、『あの人は日本人』とか、『あの人は朝鮮人』とか、そんなことで区別しないでね。マサオちゃんに、親切にしてあげるのよ。
  朝鮮の人だからって、それだけで悪口いわれるなんて、なんて気の毒なんでしょう。

マサオちゃん と Jesus Christ | DVD放浪記2021.4.18
 先日読み終えた、黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』にこんな一節があった。

 トットちゃんが家から駅への行き帰りの途中、その大井町線の線路に面した小高いガケの上に長屋があった。そこに、いつも大声で「マサオちゃーん!」と自分の子どもを探しているおばさんがいた。トットちゃんは、そのマサオちゃんを知っていた。彼女より少し大きく(二年生ぐらいか)、どこの学校へ行っているのかはわからないけれど、いつも犬を連れて歩いていた。
 あるとき、トットちゃんが、学校の帰りに、この小さいガケの下を通ったときだった。マサオちゃんが、そこに仁王立ちに立っていた。両手を腰にあてて、えらそうな格好で、突然、トットちゃんに、大きい声で叫んだ。
チョーセンジン!
 それはとても憎しみのこもった、鋭い声で、トットちゃんはこわかった。そして、なんにも話をしたことも、意地悪をしたこともない男の子が、なにか、憎しみをこめて高いところから、自分にそんなこと、いったことにも、びっくりした。
 トットちゃんは、家に帰ると、ママに報告した。
 「私のこと、マサオちゃんが、チョーセンジン! といった」
 ママはトットちゃんの報告を聞くと、手を口にあてた。そして、みるみるうちに、ママの目に、涙が、いっぱいになった。トットちゃんは驚いた。なにかとても悪いことなのかと思ったから。

 アメリカのコメディアン、ビル・コスビー(本当の発音はたぶん「コズビー」か?)は、後年女性問題*4でミソをつけてしまったけれど、ロバート・カルプと共演したスパイドラマ「アイ・スパイ」ではエミー賞の主演男優賞を獲得し、彼のスタンダップ・コメディを収録したCDはバカ売れしたものだった。そんな彼の有名な持ちネタのひとつに、「私はガキのころ、自分の名前が Jesus Christ だと思い込んでいた(そして、弟の名は Dumb it ?)」というものがある。
 もちろん、Jesus Christ は「イエス・キリスト」だが、悪態をつく際の間投詞として用いられる場合には、「ちくしょう!」とか「なんてこった!」といった意味になることはごぞんじのとおり。あれこれやらかしてばかりの子どもに業を煮やした父親の姿が目の前に浮かんでくるようだ。
 近年でも、ドラマなどで、本番でさっぱり受けないコメディアンが困り果てた末にこのネタを披露してまばらな笑いで迎えられるシーンがたまに出てくる。それほど観客も元ネタを知っているということなのだろう。
 トットちゃんの話はこう続く。

 すると、ママは鼻の頭を赤くして、涙をふきもしないで、こういった。
「かわいそうに……。きっとみんながマサオちゃんに、『朝鮮人! 朝鮮人!』というんでしょうね。だから、『朝鮮人!』というのは、人に対しての悪口の言葉だと思っているのね。マサオちゃんには、まだ、わからないのよ、小さいから。よく、みんなが、悪口をいうとき、『馬鹿!』なんていうでしょう? マサオちゃんは、そんなふうに、誰かに悪口をいいたかったので、いつも自分が、人からいわれているように、『チョーセンジン!』と、あなたに、いってみたんでしょう。なんて、みんなは、ひどいことをいうのかしらね……

 私と同様に、超ベストセラーになってしまった本を今さら読むのは……と敬遠していた方には、今からでも遅くはない、『窓ぎわのトットちゃん』を読むことを強くおすすめしておきたい。読んで決して後悔はしないと思う。

 なお、元プロボクサーの青木勝利氏と元予備校講師である佐藤忠志氏は、人間性などパーソナリティが似ていたと思う(どちらも相当ひどい晩年を過ごしたらしい) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)を読んでいて思ったのですが『トットちゃん』でのエピソード(『チンドン屋が来ると、授業中なのに学校を飛び出してチンドン屋を見に行く』などの無茶苦茶が、問題児扱いされ、事実上『公立小学校の退学』を勧告され、私立のトモエ学園に入学)は「黒柳にある種の発達障害があったこと」を伺わせますね。
 黒柳は幸いにも「芸能人として大成した」わけですが(まあ、青木氏、佐藤氏の悲惨な結末は発達障害のせいだけではないでしょうが)。
 ただ黒柳(1933年生まれ)が子どもの頃は「発達障害」なんて認識はないし、親も黒柳も大変だったろうとは思います。
 『トットちゃん』初刊の時(1981年)だって「発達障害」という認識は世間的に全くなかったでしょう。
 実際「黒柳徹子発達障害」「トットちゃん、発達障害」でググると下記のようにいくつか記事もヒットします。

発達障害の漫画家「発達障害と診断されるだけでは何も解決しない」 (2ページ目):日経ビジネス電子版2022.1.19
沖田:
 母が『窓ぎわのトットちゃん』を買ってきたんです。
 母としては、この本を通して、発達障害について何か伝えたかったのだと思うのですが、私にはさっぱり分からなかった。「これと私と何の関係があるの?」と何度も聞きました。「これは私ではなく、トットちゃんの話」というのが私の結論でした。
 私の中では、発達障害の基準は弟だったんです。
 弟が不登校になった時点で、「弟のこの状態が、発達障害なんだ」と思いました。私が中学生のときです。
 弟には友だちができなくて、勉強もしないし、学校にも行けなくなった。でも、私はちゃんと学校に通っていて、頭は悪いけど勉強はしているし、友だちも少ないけどいる。だから「発達障害なのは弟で、私は普通の人」って、思ったんです。ちょっと抜けてるところはあるかもしれないけど、私は普通だと。
 親は一生懸命、気付かせようとするんですけど、逆効果っていうんですかね。発達障害みたいな情報を余計、遠ざけるようになりました。高校生になると(衛生看護科に進学)、「私は今から准看(護師)の免許を取って看護師になるんだから、関係ない」という感じで。
 弟のことが嫌いだったので、どうしても目を向けたくなかったんです。
 そんなこともあって、発達障害を自覚するまでかなり時間がかかったんです。
インタビュアー:
 自覚したのは、何歳のときですか?
沖田:
 22歳のときですね。
インタビュアー:
  何かきっかけはあったんですか?
沖田:
 就職して正看護師になったんです。正社員として職場に入った瞬間から、「これ、やばい」と思いました。自分の認知能力の低さに、驚いたというか、焦ったというか。
 国家試験に合格しているので、頭が悪いはずはない。なのに、先輩のしゃべっていることが全然理解できなかった。採血するのだと分かれば、採血という「作業」はできる。けれど、「これ、やっといて」の「これ」が分からない。「あの人に渡しておいて」の「あの人」が分からない。
 そもそも私には、「人の顔を見分ける」ということが全然できないんです。でも、その自覚がずっとなかった。顔以外の要素で人を見分けていたみたいです。母はピンクが大好きなので、いつも全身、ピンク色なんです。
 でも、あるとき、外でピンク色の母と母とすれ違ったのに気付かず、素通りしてしまったことがあったんです。なぜかというと、そのとき、母が激やせしていたんです。体形も判断材料にしていたんですね。母が「歩いていたから」というのもあったかもしれない。動いている人のほうが、見分けにくいんですよ。母に気付かなかったときは、「ああ、親の顔も分からないんだ」と落ち込みましたが、最初のうちは、目が悪いからだと思っていました。冬が、すごく困るんですよね。みんな似たような格好をするじゃないですか。よく旦那と2人でスーパーに行くのですが、一度はぐれると、どの人も同じに見えるから、ほかの男の人が持つレジかごに納豆を入れてしまったり。
インタビュアー:
 看護師のときの話に戻れば、病院だと入院している患者さんは同じようなものを着ているし、看護師さんや先生も白衣だから、余計に分かりにくかったんじゃないですか。
沖田:
 そうなんです。患者さんの顔と名前が一致しないんです。そこで初めて、発達障害の自覚が生まれたんです。ものすごく悩みました。仕事のミスも増えて、「使いものにならない」とはっきり言われました。でも、辞めるわけにはいかない。正看護師の免許を取って働き出して、親は安心しているじゃないですか。親を困らせたくなかった。だからパニックになってしまったんです。それを止めるために、夜のバイトをすることにしました。働く時間を増やして、疲れて寝るだけの生活にしたかったんです。だから看護師の仕事が終わった後に、「おっぱいパブ」のバイトを入れました。もう何も考えたくなくて。
(次回に続く)

*1:1977年生まれ(推定)。三池淵管弦楽団団長。朝鮮労働党宣伝煽動部副部長。一部で「金正恩1984年生まれ)の愛人」説があるが真偽不明

*2:1988年生まれ。北朝鮮国務委員、朝鮮労働党宣伝扇動部副部長

*3:1989年生まれ

*4:ビル・コスビー - Wikipediaによれば性的暴行問題。