「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年4/21日分:荒木和博の巻)

拉致に関する漫画(R4.4.21): 荒木和博BLOG

 拉致問題を扱った漫画*1は多数あります。富田安紀子さん*2の「俺Antif@拉致ゲーの強制イベントから逃げられません」は以下のサイトで直ぐ見られます。普段拉致問題に接しない多くの人に見ていただければと思います。
#オリジナル 俺Antif@拉致ゲーの強制イベントから逃げられません。1話 - A/T@拉致ゲのマンガ - pixiv

 7分8秒の動画です。タイトルと説明文だけで見る気が失せます。
 第一にこんなことは荒木が建前とする「拉致被害者の救出」と全く関係がない。もはや拉致問題は「漫画などで啓発」つう話ではなく「日朝外交で解決」という話です。まあ、荒木の紹介する漫画が「三流漫画家の三流漫画で、当然世間の話題になってない」という意味でも話になりませんが。
 第二に拉致関係で最も有名な漫画と言えばおそらく

本そういち - Wikipedia
◆『奪還』(原作:蓮池透、『漫画アクション』連載、双葉社、上下巻)
◆『母が拉致された時僕はまだ1歳だった』(原作・監修:飯塚耕一郎、『漫画アクション』連載、双葉社、単巻)
◆『めぐみ』(原作・監修:横田滋横田早紀江、『漫画アクション』連載、双葉社、全2巻)

でしょう(とはいえ、その本ですら、『釣りバカ日誌』の北見けんいち、『三丁目の夕日』の西岸良平、『島耕作』の弘兼憲史などに比べたら無名ですし、彼が拉致漫画を描いたのも、拉致がまだ風化してなかった大分昔の話で、今は別の漫画を描いていますが)。
 「拉致、漫画」でググったら

◆曙機関『漫画・奪還を命ず:拉致被害者を救出せよ!!』(2007年、宝島社)

なんてのもヒットしましたが、明らかに有名ではない。
 しかし「にもかかわらず」、荒木が『本よりマイナーな富田の漫画』を紹介するのは「本とは親しくないが富田とは親しいから」でしょう。馬鹿馬鹿しい話です。
 ちなみに一番有名な本の漫画ですら横田めぐみさんの漫画 15年ぶり復刊!――拉致事件を風化させないために――|株式会社双葉社のプレスリリース(2020.7.10)ですからねえ。
 「15年ぶりに復刊!」なんて双葉社がどや顔ですが、つまりは「2005年(小泉訪朝から3年後)刊行なのにすぐに絶版品切れ状態になった」というお寒い話でしょう。
 なお、話が脱線しますが本(須本壮一名義含む)は拉致漫画以外でも

本そういち - Wikipedia
◆『ママはアイドル!』(原作:吉本昌弘祥伝社、全2巻)
 TVドラマママはアイドル - Wikipediaのコミカライズ
◆『小娘のミッドナイト』(原作:桑原譲太郎、スコラ、全3巻)
 同名小説(集英社文庫)のコミカライズ
◆『永遠の0』(原作:百田尚樹、『漫画アクション』連載、双葉社、全5巻)
 同名小説(講談社文庫)のコミカライズ
◆『海賊とよばれた男』(原作:百田尚樹、『イブニング』連載、講談社、全10巻)
 同名小説(講談社文庫)のコミカライズ
◆『罪の声』(原作:塩田武士、『イブニング』連載、講談社、全3巻)
 同名小説(講談社文庫)のコミカライズ
◆『全裸監督 村西とおる伝』(原作:本橋信宏*3、『月刊コミックバンチ』連載中、新潮社、既刊1巻)
 同名小説(新潮文庫)のコミカライズ

と原作付き漫画が多い。何が言いたいかと言えば、本には「絵の才能はあってもストーリー作りの才能はない」ということです。
 勿論、多くの漫画家志望者は「原作付きですら連載が持てない」のでそういう意味では本には「才能はあります」が。

*1:マイナー漫画なら多数あるのかもしれませんが有名漫画では後述する本そういちの漫画しかないでしょう。

*2:1996年からビジネスジャンプに連載されて全8巻で刊行された「ほっといてよ!ママ(富田安紀良名義)」は2000年から2002年にかけてTBSテレビ「愛の劇場」にて「ママまっしぐら!」のタイトルでドラマ化(富田安紀子 - Wikipedia参照)

*3:著書『にくいあんちくしょう:異端カリスマ列伝』(2000年、ちくま文庫)、『依存したがる人々』(2001年、ちくま文庫)、『AV時代:村西とおるとその時代』(2005年、幻冬舎アウトロー文庫)、『東京の異界・渋谷円山町』(2020年、新潮文庫)、『新・AV時代:全裸監督後の世界』(2021年、文春文庫)など