珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年4月29日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真
 尖閣に然るべき施設を作り、実効支配を進めれば良いのです。

 ウヨが良く放言する主張ですが、日本が実効支配している以上、そんなことをやる必要はどこにもない。
 日中関係、日台関係が悪化するだけです(黒坂らウヨは故意に無視しますが、台湾も尖閣領有権を主張している)。
 かつ、そんなことをやれば「北方領土竹島」に「ロシアや韓国がしかるべき施設を作ること」を助長しかねない。だからこそ自民党もそんなことはしない。

黒坂真
 核抑止とは、核を持てば攻撃をされにくいという考え方*1です。現状ではプーチンNATO加盟国攻撃をできていない。米軍の核による報復を恐れている。

 勿論「ウクライナ以外」をロシアが攻撃していないこと、ウクライナNATO加盟国でないことは事実ですが、それを「黒坂のように理解できる根拠」はどこにもないでしょう。「ウクライナNATO加盟国なら攻撃されなかったかどうか」も「米国が核保有するから現状においてNATO加盟国を攻撃しないのか(仮にNATO加盟国だからポーランドなど隣国を攻撃しないのだとしても通常兵力限定でも米国は軍事大国なので核保有は関係ないかもしれない)」も「そうだ」といえる明確な根拠はどこにもないでしょう。
 そもそも黒坂ツイートは「米国はウクライナ支援をしてもロシア相手に核使用なんかできない。一方、ロシアは米国牽制に核使用恫喝をしてそれに米国はなすすべがない。だから核抑止論なんて虚妄の理論ではないのか」という批判への反論には全くなっていません。

黒坂真
 強力な米軍が沖縄にいたから、(ボーガス注:朝鮮戦争時に?)スターリン毛沢東金日成は日本攻撃を決意できなかったのです。(ボーガス注:米軍が沖縄になければ)数十万人の紅衛兵が船で日本に不法入国したかもしれません。

 共産党などの「沖縄基地県外移設論」への「黒坂流反論」です。黒坂には1)日本に米軍がないとソ連が侵攻してきたといえる根拠、2)その場合の「日本国内の米軍基地設置場所」が「本土ではなく沖縄でないといけない根拠」を提出できる物ならしてみろと言いたい。
 つうか「百歩譲って」その主張を認めるにせよ*2、今現在「ソ連は存在しない」。それとも黒坂は「今はロシア、中国、北朝鮮の侵攻の脅威ガー」というのか? 
 「たかが大阪経済大学」とはいえ仮にも大学教員の肩書きを持つ男がよくこんなバカを言える。黒坂の存在は「大阪経済大学の汚点」といっていい。

黒坂真リツイート
 中村正男さん。日本共産党は日本革命*3、という言葉をもう使わないのですね。日本革命などあり得ないと、日本共産党員もうすうすと感じていませんか
中村正男*4
 日本共産党の新しいポスターです。
自由と平和。まっすぐ、つらぬく。/参院選ポスター 志位委員長が発表/「過去、現在、未来にわたる わが党の根本理念」

 黒坂の因縁は「余計なお世話だ」で終わる話です。まあ、「革命」の定義にもよる*5でしょうが「革命=共産革命」であるのならばそれは「遠い将来」はともかく、近い将来に実現可能な話ではない。であるのならば「革命」にかわって「改革」「変革」「是正」などの「類似の言葉」に置き換わっても自然な話ではある。
 ちなみに「日本革命」でググったら中北浩爾*6日本共産党:「革命」を夢見た100年』(2022年5月刊行予定、中公新書)がヒットしました。俺が読むかどうかはともかく、日本において、

日本共産党関係者(党員、支持者など)による広報本の一例(刊行年順)】
不破哲三*7『私の戦後六〇年:日本共産党議長の証言』(2005年、新潮社)
志位和夫*8日本共産党とはどんな党か』(2007年、新日本出版社
不破哲三不破哲三 時代の証言』(2011年、中央公論新社
◆上田七加子*9『道ひとすじ:不破哲三とともに生きる』(2012年、中央公論新社
◆ワタナベ・コウ*10『ワタナベ・コウの日本共産党発見!!』(2017年、新日本出版社) 、『ワタナベ・コウの日本共産党発見!!(2)』(2018年、新日本出版社)、『ワタナベ・コウの日本共産党発見!!(3)』(2020年、新日本出版社)、『漫画 伊藤千代子*11の青春』(2021年、新日本出版社
【反共ウヨの悪口雑言本の一例(刊行年順:刊行年が同じ場合は著者名順)】
産経新聞政治部*12日本共産党研究:絶対に誤りを認めない政党*13』(2016年、産経新聞出版
筆坂秀世日本共産党の最新レトリック』(2019年、産経新聞出版)、『大手メディアがなぜか触れない 日本共産党と野党の大問題』(上念司*14との共著、2019年、清談社Publico)
→上念と共著で共産党をデマ中傷とは「元共産党政策委員長」ともあろうものが随分と落ちぶれたもんです。人間としてこうはなりたくないもんです。内心では筆坂も相当の屈辱でしょうが。上念らウヨ連中が筆坂を馬鹿にしてることは奴もよく分かってるでしょうし。
 なお、「清談社Publico」は石平『中国 vs. 世界 最終戦争論』(2021年)、「宝島社」も、丸山茂徳*15『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている』(2008年、宝島社新書)、倉山満*16天皇がいるから日本は一番幸せな国なのです』、丸山茂徳ほか『地球温暖化 「CO2犯人説」は世紀の大ウソ』、朴斗鎮*17ほか『韓国大統領はなぜ悲惨な末路をたどるのか?』、李相哲*18反日種族のタブー:従軍慰安婦マネーの汚れた真実』(以上、2020年)、石平*19習近平:独裁王朝に待つ悲惨な末路』(2022年)などですから「ウヨ商売出版社のワンオブゼム」ですね。俺は宝島社には嫌悪感、軽蔑、憎悪しかないですね。
◆福富健一*20日本共産党の正体』(2019年、新潮新書)
◆梅澤昇平*21『こんなに怖い日本共産党の野望』(2020年、展転社
◆篠原常一郎*22日本共産党 噂の真相』(2020年、扶桑社)
柳原滋雄ガラパゴス政党*23 日本共産党の100年』(2020年、論創社
→柳原の「反共活動家の部分」については、赤旗著者の本名「柳原滋雄」、謀略本裁判で出版社側明かす』(2003.6.25)、『反共謀略本 著者は創価学会員/三つの名で正体隠し/共産党攻撃に「稲山」/反学会勢力に「中田」/本名は「柳原」』(2003.9.3)参照。柳原の他の著書としては『沖縄空手への旅:琉球発祥の伝統武術』(2020年、第三文明社)、『空手は沖縄の魂なり:長嶺将真伝』(2021年、論創社)などがあります。「論創社の行為」は柳原が所属する「創価学会」の「組織購入目当てでの出版」なんでしょう。第三文明者や潮出版社といった創価学会系列出版社と違い柳原や創価学会の側も「第三者論創社)も我々の言い分を評価した」と言い訳できるのでメリットがある。全く酷い話です(呆)。論創社からは他にも、坂口義弘『血脈破断:阿部日顕*24が潰した日蓮正宗』(2011年)、古川敦*25牧口常三郎*26創価教育学』(2009年)、『牧口常三郎の教育思想』(2012年)といった「創価学会の組織購入目当てでの出版としか思えない本」が出ています(再度、呆)。

といった「公平中立とは言いがたいもの(ググってヒットした物をいくつか紹介)」以外で共産党について取り上げた本、特に「研究者による本」「それも一般向けの新書」は少ない気がするのでメモしておきます。
 まあ、中北著書がどんな物かは現時点では分かりませんが、さすがにレベルの低い反共デマ本ではないでしょう。黒坂も日本共産党相手にあれこれ抜かすのならこのくらいのことはやって欲しいもんです。おそらく「する能力以前に意思がない」でしょうが。

黒坂真リツイート
 JCPなか支部さん。話ができないからといって外交をやめてはいけないというなら、日本共産党中国共産党科学的社会主義の理論交流を徹底的にやるべきですよ。
◆JCP 東京都調布市🌸なか支部
 みなさん9条を生かした外交というのは何もしないことじゃありません。軍拡を進めるよりずっと険しい道のりです。しかし話ができないからと外交をやめてしまっては平和への道のりが断たれてしまいます

 「国家間外交(やらないわけにいかない)」と「政党間交流(やる必要は必ずしもない)」を同一視するとは詭弁が酷すぎて吹き出しました。

黒坂真リツイート
 志位さんは、自衛隊が敵基地攻撃能力を保有する事は国連憲章違反だ、と言いたいのでしょうね。
志位和夫
 バイデン米大統領は「民主主義VS専制主義」というスローガンを唱えている。確かにプーチン政権が専制主義であることは間違いないが、今大切なのは、あれこれの「価値観」で世界を2分することではなく、「(ボーガス注:侵略を否定する)国連憲章を守れ」という一点で世界が大同団結することだ。

 「敵基地攻撃=国連憲章違反の先制攻撃。『ブッシュ子のイラク侵攻』『プーチンウクライナ侵攻』のようなもの」が志位氏の理解でしょうから確かにその通りかと思います。
 とはいえ、「黒坂がリツイートした志位ツイート」に話を限れば「プーチンの行為は国連憲章違反」という話に過ぎず、どこにも「敵基地攻撃論への言及はない」のでリツイートとしては実にとんちんかんです。
 黒坂なら、この志位ツイートに批判をする場合は「バイデン発言に問題などない、志位批判は不当な反米主義だ」「志位氏は専制国家を擁護するのか」などというかと思いきや、そうではないのが意外です。
 なお、「ロシア非難決議に賛成=民主主義国では必ずしもない(サウジなど親米独裁国家もある)」し「非難決議に棄権=専制主義といえるか疑問(棄権したインドやブラジル、南アは民主主義国)」です。
 棄権、反対した国の中には「専制国家」といわれても仕方がない国(反対した北朝鮮、棄権した中国、ベトナムなどは一党独裁)もあるでしょうが、これらの国も「ロシアとのしがらみや国益判断」でそうしたに過ぎず「ロシアを専制主義国家陣営のリーダーとして担いでいる」わけでもない。民主主義国「米国」であっても「イラク侵攻」のような侵略行為は許されないし、問題は「専制国家」云々ではなく「侵略の是非」である。そもそもバイデンはウクライナ戦争を口実に世界を「親米と反米」に分けた上で前者に「民主主義」、後者に「専制主義」のレッテルを貼って、前者を美化し、後者を攻撃したい「不純な考え」ではないのか。
 従って「志位氏のバイデン批判」は全くその通りだと思います。

黒坂真リツイート
 中野顕さん。私見では安倍さんは、金正恩が日本にミサイル攻撃を断行したとき、自衛隊金正恩の居住地域、各地の招待所にミサイル攻撃を断行する事を想定しています。

 安倍の「中枢攻撃」云々に「中枢とは何か?。軍事基地とは違うのか?(中野氏)」という批判があった事への「黒坂流回答」ですが、おそらく安倍はここまでためらいなく「中枢が何か」言えないでしょう。
 黒坂の物騒さにはいつもながら呆れます。

*1:という考えは不適切であり「相手の核使用を防ぐために自分が核を持つ」の方が適切ではないか。

*2:俺は認めませんが

*3:ググったら、日本共産党関係での「日本革命」の例としては志賀義雄『日本革命運動の群像』(1956年、合同出版)、宮本顕治『日本革命の展望』(1967年、新日本新書)がヒットしました。

*4:日本共産党大阪府委員会副委員長

*5:例えば「日本革命」でググったら、田原総一朗『令和の日本革命:2030年の日本はこうなる』(2019年、講談社)がヒットしましたが、田原氏は共産主義者ではないのでこの場合の「日本革命」は勿論「共産革命を意味しません」。また「日本革命」でググったら、河合香織『ウスケボーイズ:日本ワインの革命児たち』(2018年、小学館文庫)、 谷田千里『タニタの働き方革命』(2019年、日本経済新聞出版)、矢野誠『第4次産業革命と日本経済』(2020年、東京大学出版会)、堅達京子・NHK取材班『脱炭素革命への挑戦』(2021年、山と渓谷社)がヒットしましたがこれらの「革命(ワイン革命、働き方革命、第4次産業革命、脱炭素革命)」も勿論「共産革命」ではありません。

*6:一橋大学教授。著書『経済復興と戦後政治:日本社会党 1945-1951年』(1998年、東京大学出版会)、『1955年体制の成立』(2002年、東京大学出版会)、『日本労働政治の国際関係史 1945-1964:社会民主主義という選択肢』(2008年、岩波書店)、『現代日本の政党デモクラシー』(2012年、岩波新書)、『自民党政治の変容』(2014年、NHKブックス)、『自民党:「一強」の実像』(2017年、中公新書)、『自公政権とは何か』(2019年、ちくま新書)など

*7:日本共産党書記局長、委員長、議長を歴任

*8:日本共産党書記局長を経て委員長

*9:不破哲三氏の妻

*10:裁縫家、漫画家、イラストレーター。個人サイトはじめて服を縫う初心者のあなたをワタナベ・コウがサポートします!。著書『ポチ&コウの野球旅』(共著、2004年、光文社知恵の森文庫)、『節電女子』(2011年、日本文芸社)、『裁縫女子』(2011年、リトル・モア)、『裁縫女子宣言!』(2012年、バジリコ)など (ワタナベ・コウ - Wikipedia参照)

*11:戦前の日本共産党活動家。彼女については例えば伊藤千代子 - Wikipedia「劇映画 伊藤千代子の生涯」制作を支援する会ホームページ参照

*12:コメント欄で指摘がありますが「自民党支持の立場からのただの反共攻撃」ですからね。「阿比留」など、産経の記者個人ならともかく「政治部」の肩書きでよく出版できるもんです(呆)

*13:志位氏の「1970年代のLGBT認識についての例の謝罪(例えば、赤旗日本共産党第28回大会/綱領一部改定案の討論についての志位委員長の結語(2020.1.20)参照)」でわかるように「産経に比べたら」日本共産党の方がずっと「過去の誤り」を認めています。

*14:著書『悪中論:中国がいなくても、世界経済はまわる』(2013年、宝島社)、『日本分断計画:中国共産党の仕掛ける保守分裂と選挙介入』(2021年、ビジネス社)

*15:著書『「地球温暖化」論に騙されるな!』(2008年、講談社)、『地球温暖化対策が日本を滅ぼす』(2008年、PHP研究所)、『今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機』(2009年、KKベストセラーズ

*16:著書『間違いだらけの憲法改正論議』(2013年、イースト新書)、『嘘だらけの日韓近現代史』(2013年、扶桑社新書)、『帝国憲法の真実』(2014年、扶桑社新書)、『歴史戦は『戦時国際法』で闘え:侵略戦争日中戦争南京事件』(2016年、自由社ブックレット)、『歴史検証 なぜ日本の野党はダメなのか?:「自民党一強」を支える構造』(2022年、光文社新書)など

*17:著書『朝鮮総連』(2008年、中公新書ラクレ)、『金正恩』(2018年、新潮新書)など

*18:龍谷大学教授。著書『金正日秘録』(2018年、産経NF文庫)、『「反日親北」の韓国はや制裁対象! 』(武藤正敏との共著、2019年、ワック文庫)、『北朝鮮がつくった韓国大統領文在寅』(2020年、光人社NF文庫)、『なぜ日本は中国のカモなのか』(石平との共著、2021年、産経新聞出版)など

*19:『なぜ、日本人は日本をおとしめ中国に媚びるのか』(2009年、ワック文庫)、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』(2015年、徳間書店)、『韓民族こそ歴史の加害者である』(2016年、飛鳥新社)、『習近平の終身独裁で始まる中国の大暗黒時代』(2017年、徳間書店)、『冗談か悪夢のような中国という災厄』(2017年、ビジネス社)、『結論!朝鮮半島に関わってはいけない』(2018年、飛鳥新社)、『朝鮮通信使の真実:江戸から現代まで続く侮日・反日の原点』(2019年、ワック文庫)、『中国はなぜいつも世界に不幸をバラ撒くのか』(2020年、徳間書店)、『中国共産党・暗黒の百年史』(2021年、飛鳥新社)、『バブル崩壊前夜を迎えた中国の奈落』(2021年、ビジネス社)など反中国、嫌韓国著書多数

*20:民主党政策調査会部長、保守新党事務局次長、自民党政務調査会部長代理等を歴任。著書『東條英機天皇を守り通した男』(2008年、講談社)、『重光葵:連合軍に最も恐れられた男』(2011年、講談社)、『共産主義の誤謬:保守政党人からの警鐘』(2017年、中央公論新社)など(福冨健一 - Wikipedia参照)

*21:民社党政策審議会事務局長、広報局長等を経て、現在、尚美学園大学名誉教授、国家基本問題研究所評議員長(アマゾンの著者紹介による)。著書『皇室を戴く社会主義』(2013年、展転社)、『ドキュメント民社党』(2014年、ココデ出版)、『「革新」と国防:民社党防衛論争史』(2017年、桜町書院)、『もう一つの道:民主社会主義の綱領と理念』(2020年、桜町書院)、『民社烈烈:勇者たちの物語』(2022年、桜町書院)

*22:筆坂の元秘書。著書『北朝鮮拉致問題を正しく理解するためのチュチェ思想入門』、『中国が仕掛ける「シン・共産主義革命」工作』(以上、2021年、扶桑社)

*23:勿論「ガラパゴス携帯(ガラケースマホに比べて使いづらいなどの意味合い)」などの意味での「ガラパゴス」、つまりは悪口です。とはいえ「ガラパゴス携帯」以外で「ガラパゴス」云々の悪口てあまり見ない気がしますが。

*24:1922~2019年。創価学会が破門された当時の日蓮正宗トップで当然、創価学会側は敵視している。勿論、この本はタイトルから分かるように創価学会の立場から阿部氏を批判した物

*25:著書『幸福に生きるために:牧口常三郎の目指したもの』(2001年、第三文明社

*26:創価学会初代会長