今日の産経ニュース(2022年5/8~10日分)

【東京特派員】湯浅博 アーレントを読むべき理由 - 産経ニュース
 湯浅*1の誤読でなければ「湯浅が褒めるような人間アーレント*2=ろくでもないゴミカス」であって読む価値はないでしょう。


経済安保法案が参院内閣委で可決 11日成立へ - 産経ニュース
 マスコミ(特にテレビ)が「知床遊覧船ガー」「ウクライナ戦争ガー」でこうした重要法案をろくに報じないことには怒りを禁じ得ません。


【産経抄】5月10日 - 産経ニュース

 幕末史を彩った人物の一人に小笠原長行(ながみち)という幕臣がいた。唐津藩藩主の長男として生まれ、やがて老中に抜擢(ばってき)される。幕府の外交をつかさどり、戊辰戦争を戦い抜いた。
▼もっとも華やかな前半生よりむしろ、晩年の生き方が好ましい。新政府に許され、かつての大名仲間から世に出るよう勧められても首を縦に振らなかった。東京で植木屋となり、ひっそりと生を終えた。

 一方で幕臣の内

榎本武揚 - Wikipedia
 箱館戦争で新政府軍と戦い、入牢するが後に赦免。第一次伊藤、黒田内閣逓信相、黒田、第一次山県内閣文相、第一次松方内閣外相、第二次伊藤、第二次松方内閣農商務相など明治政府の要職を歴任。こうした榎本の態度を福澤諭吉が「徳川幕府に殉じて隠棲すべきだった」と『瘠我慢の説』で批判している。

などは明治新政府に仕えました。どちらの生き方が望ましいかは結局「価値観の問題」ではあります。
 とはいえ榎本の態度は「それなりに筋の通った変化」と評価可能でしょうが「第三次安倍内閣国家公安委員長、第四次安倍内閣防衛相など就任後は以前、主張していた脱原発を平然と廃棄した河野太郎」「自称『護憲の党(平和の党)』だったはずが今や自民党改憲論を容認する公明党」など、この種の変化は「ただの欲得(権力へのすり寄り)」で「何の正当性もない場合」がほとんどでしょう。勿論俺的には「共産党野党共闘」は「筋の通った変化」です。
 なお、小笠原や榎本は赦免されましたが、全ての幕臣がそうだったわけではなく、例えば小栗忠順 - Wikipedia勘定奉行外国奉行など歴任)は斬首されました。
 また、川路聖謨 - Wikipedia大阪町奉行、勘定奉行など歴任)は江戸城開場の日にピストル自殺しています。いずれにせよ多くの幕臣が「幕府崩壊」で人生が大きく変わったわけです。


自民茂木氏、大阪で「身内に甘い維新」と批判 - 産経ニュース
 「今まで維新に甘かった自民党がどうしたのか?」とは思います。
 「維新は国民民主と手を組むなど決して自民にとって都合のいい存在ではない」「衆院選での維新全勝、自民全敗はあまりにも痛すぎた。参院選であの二の舞は避けたい」という理解から批判を強めることにしたのか。
 それにしても指摘自体は全く正論ですが、「あんたら自民もモリカケ、桜の安倍に大甘だろ(呆)」とは思います。


【新聞に喝!】共産党に優しい朝日と毎日 イスラム思想研究者・飯山陽 - 産経ニュース
 「自民党応援団&反共右翼」産経に比べたら「やさしい」のでしょうが、勿論この両紙が「自民党をいつも万歳する産経」のような「共産党への万歳行為」をしていないことは言うまでもありません。それにしても、飯山も「イスラム研究者」の肩書きでイスラムと何一つ関係ない文章(引用はしないが、共産党イスラム認識が論じられてるわけでは全くない)を良くも書けたもんです。


【書評】『核兵器について、本音で話そう』太田昌克・兼原信克・高見澤將林・番匠幸一郎著 - 産経ニュース
 勿論、産経なので本音とは「核保有論」という暴論です。
 そもそも「問題」は「正しいかどうか」なのに「本音」云々とは馬鹿馬鹿しい限りです。
 それにしても著者の面子が「兼原信克(元・外務省国際法局長)」「高見澤將林(元・ 防衛省防衛政策局長)」「番匠幸一郎(元・自衛隊西部方面総監)」つうのには、「元」とはいえ「防衛省、外務省幹部」にこんな連中(日本核武装論者)がいたことには「今も彼らの同類ウヨが現役官僚としているのではないか」という恐怖を覚えますね。
 なお「太田昌克*3共同通信編集委員)」ですがアマゾンレビューに寄れば「核武装反対」の立場から兼原らを批判してるようですが、とはいえ「こんな共著を出すべきだったのか?」とは思います。

*1:国家基本問題研究所主任研究員。産経新聞客員論説委員。著書『中国が支配する世界:パクス・シニカへの未来年表』(2018年、飛鳥新社)、『歴史に消えた参謀:吉田茂の軍事顧問・辰巳栄一』(2018年、文春文庫)、『全体主義と闘った男・河合栄治郎』(2019年、産経NF文庫)、『アフターコロナ・日本の宿命:世界を危機に陥れる習近平中国』(2020年、ワック)、『米中百年戦争地政学』(2021年、ビジネス社)など

*2:1908~1975年。著書『人間の条件』(1994年、ちくま学芸文庫)、『過去と未来の間』(1994年、みすず書房)、『革命について』(1995年、ちくま学芸文庫)、『暴力について:共和国の危機』(2000年、みすず書房)、『カール・マルクスと西欧政治思想の伝統』(2002年、大月書店)、『暗い時代の人々』(2005年、ちくま学芸文庫)、『活動的生』(2015年、みすず書房)、『責任と判断』(2016年、ちくま学芸文庫)、『エルサレムアイヒマン:悪の陳腐さについての報告【新版】』、『全体主義の起原 1~3 【新版】』(以上、2017年、みすず書房)、『アウグスティヌスの愛の概念』(2021年、みすず書房)など

*3:著書『731免責の系譜』(1999年、日本評論社)、『盟約の闇:「核の傘」と日米同盟』(2004年、日本評論社)、『日米「核密約」の全貌』(2011年、筑摩選書)、『日米〈核〉同盟』(2014年、岩波新書)、『日本はなぜ核を手放せないのか』(2015年、岩波書店)、『偽装の被爆国:核を捨てられない日本』(2017年、岩波書店)、『核の大分岐』(2021年、かもがわ出版)、『日米中枢9人の3.11』(2022年、かもがわ出版