今日のロシアニュース(2022年6月6日分)

反ロシア勢力「消滅させる」 メドベージェフ前首相、通信アプリに:時事ドットコム

 ロシアのメドベージェフ前首相は7日、ロシアを嫌う人々を「堕落した人間」と批判した上で、「彼らはわれわれロシアの死を望んでいる。私が生きている限り、彼らを消滅させるためにどんなことでもする」と述べた。対象が具体的に何を指すのかなど詳細は明らかにしなかった。

 「前首相」と書くと「政権から離れてる」との誤解を招くので「安全保障会議副議長(議長はプーチン大統領)、統一ロシア党首」と書くべきだと思いますが、それにしても随分乱暴な発言です。
 「少なくとも建前」ではロシア批判派(バイデン、ゼレンスキーなど)の要望は「ウクライナからのロシア軍撤退→終戦」であって「プーチン政権打倒(ロシアの死)」ではない(仮にプーチン政権やバイデンなどが軍撤退が「フォークランド紛争後のアルゼンチン」のように「政権崩壊を招く」と見ているとしても)。また「彼らを消滅させるためにどんなことでもする」とは具体的にどういう意味なのか。


露の戦死者、大半は少数民族と地方出身者 - 産経ニュース
 ロシアを擁護する気は勿論全くありません*1が、こうした「弱者に犠牲が来る構図」は何もロシアに限らず「あらゆる戦争」でそうでしょう。「ロシアは特に酷い」のかもしれませんが「ロシアだけがこうだ」なんて思ったら大きな間違いです。
 「太平洋戦争で沖縄が事実上捨て石にされたこと(沖縄戦の悲劇)」「沖縄に米軍基地が集中していること」「いわゆる経済的徴兵制 - Wikipedia*2(ロシアもこれをやってるようですが、勿論、経済的徴兵制を行ってるのはロシアだけではない)」もその一例です。


ロシアのラブロフ外相、バルカン諸国から搭乗便を飛行禁止にされ外遊断念 : 読売新聞オンライン
 これに対してセルビア側が果たしてどういう反応をするかが気になります。
 『ラブロフ外相との会談を不当に妨害した』と抗議するのか、逆にこれを契機にロシアとの距離を置くようになるのか、はたまた抗議はしないがロシアとの距離もあまり変わらないのか。
 いずれにせよ、これを見て「ロシアのように対外侵攻すること」を考える国はまずないでしょう。日本ウヨの「台湾有事」云々がいかにデタラメか。


【異論暴論】ソ連の蛮行を忘れるな 惨事を繰り返さないために - 産経ニュース
 「ロシア人の国」という以外に「プーチンロシア」と「スターリンソ連」は共通点は何もありません。
 従って「プーチンロシアのウクライナ侵攻」と「スターリンソ連北方領土侵攻」を同一視するのは

◆「日本の韓国侵略」というだけで「秀吉の朝鮮侵略」と「明治新政府朝鮮侵略
◆「ドイツのフランス侵攻」というだけで「第一次大戦での独仏戦」と「第二次大戦での独仏戦」
◆「ロシアの対日戦」というだけで「日露戦争」と「スターリン北方領土侵攻」

を同一視するくらい馬鹿馬鹿しいことこの上ない。
 そもそも「ウクライナ相手に苦戦する今の状況」で「かけてる予算」を考えれば「ウクライナ以上の軍事力のはず」の自衛隊在日米軍を相手にロシアが侵攻するわけもない。
 それにしても「約77年前(1945年)の北方領土侵攻やシベリア抑留」を「ソ連の蛮行」と息巻く産経らウヨが「南京事件(1937年、今から約85年前)」や「バターン死の行進(1942年、今から約80年前)」などといった日本軍の蛮行は「昔のことだ」と居直ったり、場合によっては「濡れ衣、冤罪だ」とデマを強弁したりするのには心底呆れます。
 何故「ソ連を恨む自分らの気持ち」を「日本軍の被害者も同様に持ってる」ということに思いが及ばないのか。
 「歴史を繰り返すな」云々つうなら中韓も今の日本は「相当に怖い」でしょう。何せ「過去の過ちをきちんと認めない」上に、あえて言えば「また同じような蛮行をやろうとすれば自衛隊でできる」わけですから。
 「まさか日本もそんなことはやるわけはない」「とはいえ、過去の蛮行(南京事件慰安婦など)をなかったなどと言う連中では『まさかがあるかも』(不安)」「プーチンロシアの蛮行(ウクライナ全面侵攻)だって世間は最近まで予想してなかった」つう恐怖感が中韓にあってもおかしくない。

*1:と断らないとid:kojitakenのような野郎が「ロシア擁護だ」と因縁をつけてきますので。

*2:これについては布施祐仁『経済的徴兵制』(2015年、集英社新書)、布施祐仁ほか『経済的徴兵制をぶっ潰せ! 戦争と学生』(2017年、岩波ブックレット) などの著書がある。