今日のロシアニュース(2022年6月9日分)

浅井基文ロシア・ウクライナ戦争の行方:NATO事務総長発言とローマ法王発言

 6月12日にフィンランド大統領と会談した後に記者会見を行ったNATOのストルテンベルグ事務総長は、「和平は可能である。唯一の問題は、和平のためにいかなる代価を支払う用意があるかということだ。領土、独立と主権について、どれほどの犠牲を払う気持ちがあるのか」と発言しました。

 浅井先生がプーチンに甘いことには「アンチプーチン&浅井ファン(浅井氏のプーチンロシア認識には全く同意できませんが「中国評価」など、それ以外についてはかなり共感しています)」として「げんなりします」がそれはひとまず置きます。
 浅井先生が紹介するストルテンベルグ発言からは「ロシア軍が苦戦してる」とはいえ戦争が膠着してる状況の中、「このままでいいのか」という悩みがNATO内から出ていることがうかがえます。プーチン擁護は論外としても「停戦の可能性」は考えてしかるべきでしょう。
 一部の反ロシア(id:kojitakenとか常岡とか)のように早期停戦を唱えるだけで「プーチンシンパ扱い」はおかしいし「その限り(早期停戦を唱えるだけで批判するのはおかしい)」において浅井氏の主張は正当だと思います。問題は浅井氏の場合「その限り」にとどまらず「NATOの東方拡大がプーチン侵攻を招いた」という「プーチン擁護」としか理解できない文章が出てくることですが。
 俺も「NATOの東方拡大*1」は「プーチンの侵攻を助長した愚策ではないか」とは思う物の、さすがに侵攻を擁護する気はありません。ただkojitakenにはそうした「複雑な話」は理解できないらしく、俺は奴には「プーチンシンパ」扱いされていますが。


「露を完敗させる」にくみせず マクロン仏大統領、対話を繰り返し主張 - 産経ニュース
 「プーチンに停戦意思があるか怪しい」「ウクライナ侵攻後、ロシア支配下になった場所をどうするのか(プーチンを利することにならないか)」と思う反面「今のままダラダラ戦争を続けていいのか」とも思います。悩ましいところです。


英国人捕虜ら死刑撤回せず 親露派幹部 - 産経ニュース
 もちろん死刑の最大の問題点は「冤罪*2」ですがこうした「政治弾圧としての死刑悪用*3」も「死刑制度の重大な問題点*4」です。
 「大逆事件幸徳秋水などを処刑)」「光州事件金大中に死刑判決が出るが国際的批判から無期に減刑した上で国外追放)」など過去にもいろいろな「死刑による弾圧」があったわけです。


ロシアの侵攻非難しないアジア諸国 中国への視線も一様でなく:朝日新聞デジタル
 欧米に比べ「非難に消極的」とはいえ、さすがに「積極擁護」はありません。
 いずれにせよ「中国だけがロシアに融和的」であるかのような一部の反中国ウヨの主張は酷いデマです。


澤藤統一郎の憲法日記 » 横須賀市議会での「ロシア非難決議」に反対票の問題提起
 ただし澤藤氏に寄れば「反対=ロシア擁護」ではなく反対者の「建前上の反対理由」は

小室たかえ(市議会議員)
 決議文のなかに、「あらゆる外交手段」をという文言がありました。「あらゆる」のなかに武力が含まれるのか、含まれないのか。(ボーガス注:人によっては)武力も外交手段という言い方もありますし、そんなことを考えると、私はこれにはそう簡単には賛成できないなと、迷いました。
(中略)
 反対の意思を表明した、ということです。
 私の今日の話はつたないものですが、近くホームページに自分の考えをちゃんと載せるつもりです。ありがとうございます。

だそうです。確かに「あらゆる平和的外交手段」など「小室氏の疑念を解く形での案文」にも恐らくできたために澤藤氏は「一理ある(ただし、非難決議が可決されないことで「ロシア擁護か!」という変な誤解を生じる恐れがある事への悩みも澤藤氏は語っており、手放しで小室氏に賛同はしていませんが)」としていますし、俺も同感です(勿論勘ぐれば、小室氏の本心は山本太郎のような「ロシア擁護」の可能性もありますが、それを言い出すと話が進みませんのでここでは澤藤氏同様に「本心だ」と仮定します。また、「本心が何であれ」小室氏の疑念を晴らす形での案文訂正は恐らく可能だったでしょうからここでの主張は正論だと思います)。
 さて、こういう主張について例のid:kojitakenはどう言うのか?、といえば「とにかく非難決議が必要だ。外交手段に『戦争まで含む』使用例はあまりないと思う。変な勘ぐりするな」「小室は本当は山本太郎のようなロシア擁護ではないのか!」などとでも言うのだろうと言うことは察しがつきますが。

*1:そもそも俺は、ハト派として、NATOに限らず軍事同盟に否定的立場ですが。

*2:死刑存続派は「他の刑罰でも冤罪はあり得る」と言い張りますが「殺したら生き返らせることができない」という意味で死刑冤罪の深刻さは他の冤罪とは違います。

*3:これも広い意味では「冤罪」ですが

*4:死刑存続派は「(独裁国以外では)政治弾圧に使われることは少ない」と言い張りますが「絶対にない」とは言い切れません。また死刑存続派は「政治弾圧は他の刑罰でもある」と言い張りますが「殺したら生き返らせることができない」という意味で(以下略)。