【第940回】サハリン2の権益維持へ日本は踏ん張れ « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
中国相手には「中国での日本の権益に忖度するな、中国に舐められるな」というウヨ連中が「ロシア以外からでも石油やガスは買える」「ウクライナは日本のサハリン2撤退を希望している」「日本に相談もなく勝手なことを決めるなんて馬鹿にしてる、許せない」とは言わずにこのように「ロシアでの日本の権益(サハリン2)」にこだわるのは全く不可解です。
そば、値上げ相次ぐ 中国・ロシアが揺らす日本の涼味: 日本経済新聞
ウクライナ戦争でそば生産が滞っているロシアは非難に値しますが、中国の場合は「そばよりもっと金になる商品作物に転換」という「当然の経済活動」なので怒るわけにもいきません。
なぜ多くのロシア研究者は「ロシアのウクライナ侵攻はない」と考えたのか? 廣瀬陽子教授に聞く〈dot.〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース
普通に考えて【1】短期で勝てるか分からない、【2】短期で勝ててもそれが長期維持できるかわからない(第二のアフガン化しかねない)と言う意味で「合理性がない」ですからね。しかもロシアの侵攻を警戒して米国が「侵攻したら対抗する」と明言している。この状況で侵攻するとは普通考えないでしょう。特に「ロシア支配地域限定」ならともかくキーウめがけて侵攻とは考えないでしょう。
過去のクリミア併合においてはそこまでやってないし、併合以降、むしろウクライナ侵攻は「ウクライナ側の警戒(勿論軍備も増強)」によって難易度が増したからです。おそらくはこの点、「ウクライナ政権はすぐに崩壊する」「欧米はろくに支援しない」と信じられないほどにプーチンが「甘い考えだった」のでしょうが。
その意味では「侵攻はない(俺もそうですが)」と見ていた人間はプーチンや周囲の「知的能力」を過大評価していたのでしょう。
衆院議員384人入国禁止 ロシア、日本の制裁に報復(共同通信) - Yahoo!ニュース
既に「岸田首相」「志位・共産党委員長」など「一部の衆院議員」が別途入国禁止扱いですが、「前回、禁止リストに入れなかった衆院議員を、今回追加した理由は何だろう?」ですね。
萩生田は「サハリン2での善処を求める」という誘い水、鈴木は「父親宗男同様、親ロシアで動け」と言う働きかけでしょうが、皇民党の竹下褒め殺しに近いモノがあります。
【岡山「正論」友の会】「平和な時代はもう戻らない」高橋杉雄・防衛研究所防衛政策研究室長 - 産経ニュース
何とバカを言ってるのだろうと心底呆れます(防衛費増額狙いの虚言ではないかと疑います)。
確かに「ロシアの侵攻を受けているウクライナ」は不幸です。「ウクライナ戦争」をどう解決するかは「ウクライナにとって重要な問題」であり、国際社会も「それをどう支えていくか」が問われています。
しかしそれ以外の国にとっては「あえて言えば関係ない」と言っていい(あえて言えば、ですが)。
ウクライナで苦戦するロシアが「ウクライナ以外に侵攻すること」はありえない。
一方「ロシアへの経済制裁」を見て対外侵攻したがる国もほとんどない。「今のところ制裁を何とか耐えて戦争を続行できている」ロシアほどの経済大国、軍事大国でなければとてもあんなことはする気にならない(つまり経済小国、軍事小国である北朝鮮の韓国侵攻や日本侵攻などあり得ない)。
あえて言えば「中国」がロシア並みの経済大国、軍事大国ですが、とはいえ、「欧米を敵に回しロシアのように制裁を受けてまで」台湾などに侵攻することははっきり言って合理的ではない。中国政府に一定の常識があればそんなことはしない。そして、その程度の常識はあるだろうと俺は思っています。
そもそもロシアの行為「ウクライナ侵攻」だって「ウクライナ政権はすぐに崩壊する」「欧米はろくに支援しない」との甘い判断で強行され、その予想が外れたにも関わらず、面子の問題などで「引くに引けなくなっている」ようにしか見えません。プーチンの行為はおよそ合理的ではない。「2月末の開戦から4ヶ月が経過した(つまり現時点ではロシア軍はウクライナから撤退していない)」とはいえ、ロシアに上がり目があるようには思えません。
勿論「制裁に抜け穴があること(中国、インドなどは参加してない)」「NATOは軍事支援にとどまっていて直接の戦闘はしてない」などで「すぐにウクライナ優位(ウクライナが奪われた土地を取り戻す)」で解決しそうにもないのですが。
「ベトナム戦争(結局米国が撤退)、アフガン侵攻(結局ソ連が撤退)と同じパターンで徐々にロシアが苦しんでいく」というのが一番ありそうに思います(できればもっと早く、ウクライナ優位で解決して欲しいですが)。