今日の産経ニュース(2022年7/17日分)

安倍元首相殺害 山上容疑者手紙で示唆か 事件前に岡山から - 産経ニュース
 マスコミ報道に寄れば、手紙を送られた人間は山上と面識があるわけではなく、統一教会批判をしているライターの米本和広氏*1のようです。ライター限定でも

◆『統一教会とは何か』(1992年、教育史料出版会)の有田芳生

など、米本氏以外に批判派はいるし、「紀藤弁護士」などライター以外にも広げれば、批判派は多数いるところ、何故「米本氏」かは不明です。
 正直、米本氏としても、困惑でしょう。
 手紙を公開すれば安倍信者ウヨから「米本が、山上に対して犯行を助長する言動をしたのではないか」などと言いがかりをつけられる恐れがあるからです。とはいえ、【1】裁判になればいずれ「手紙の送付」は明らかになるだろう、【2】隠すことはジャーナリストとしていかがなものか、ということで隠すわけにもいかないと思い公開したのでしょう。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への強い恨みがつづられ、安倍氏については「苦々しくは思っていましたが、本来の敵ではない」「あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません」と記載。「安倍(氏)の死がもたらす政治的意味、結果、最早(もはや)それを考える余裕は私にはありません」とも書かれていた。

 手紙を本心と見なすならば、山上も心の整理が十分できてなかったと言うことでしょう。
 「安倍政治」には「肯定の方向」でも「否定、批判の方向*2」でも山上には特に思い入れはなく「統一教会」に対する恨みしかない彼にとっては「大事なことは統一教会を潰す」ことであってそういう意味では「安倍は本来の敵ではない」。
 とはいえ本来の敵(統一教会)に最も大きなダメージを与えることができるのは「元首相という大物政治家・安倍」の暗殺である。
 教団幹部を何人か殺したところで後釜が出るだけだろうし、マスコミも内ゲバ扱いでろくに報じないだろう、と言う判断から「安倍暗殺を決意した」。
 勿論、安倍の暗殺は「安倍が政治家である」以上、「統一教会へのダメージ」にとどまるものではなく、政治に大きな影響を与えうる。
 また、こうした暗殺行為が逆に「統一教会批判派」に対するネガキャンに悪用される危険性もないとは言えない。
 しかし「安倍(氏)の死がもたらす政治的意味、結果、最早(もはや)それを考える余裕は私にはありません」のわけです。「安倍を殺すことによって統一教会が受けるであろうダメージのこと」しか自分は今は考えてない。その結果「政治に対する影響」などが「山上の予想する範囲を超えた」としても「そんなことは今は考えられない(そして批判も甘んじて受ける?)」と。


【新聞に喝!】朝日に不都合な国際水連の決定 イスラム思想研究者・飯山陽 - 産経ニュース
 産経らしいですが、「朝日ガー」とはタイトルで唖然です。
 問題は「国際水連の決定が正しいかどうか」であって「朝日ガー」なんてことではない。
 それにしても「イスラム研究者」の肩書きで「イスラムと何一つ関係ないこと」を書く飯山も変な人間です。


【主張】日本共産党100年 国民は「革命」を否定した - 産経ニュース
 日本共産党の創設記念日は「7月15日」なのに2日遅れでやるのも変な話です。
 産経らしい反共の悪口雑言ですがむしろ「1922年の創立から100年間続いてる」ことの方が「ある意味偉大」でしょう(もちろん、ミニ野党なので過大評価はしませんが)。

Category:かつて存在した日本の政党 - Wikipedia参照
【創立年順】
民社党(1960~1994年:約34年間)
 1960年安保闘争の運動方針をめぐって、社会党右派(西尾末広*3など)が日本社会党から離党して結党。初代委員長は西尾。1994年の新進党(1997年に解散)の結成に参加し解党。
新自由クラブ(1976~1986年:約10年間)
 自民党を離党した河野洋平*4が代表となり結党。1983年の衆院総選挙で自民党過半数割れすると、第2次中曽根内閣に田川誠一自治大臣として入閣し自民党との連立政権を樹立。その後も第2次中曽根改造内閣山口敏夫が労働大臣、第2次中曽根再改造内閣河野洋平科学技術庁長官として入閣した。しかし、1986年の衆院総選挙で自民党が大勝する一方で、新自由クラブは6議席と振るわなかった。再び自民党単独政権となる中で、新自由クラブは解党のうえ、大多数のメンバーが自民党に復帰した。但し、田川は自民党には復党せず、「進歩党(1987~1993年)」を結成。参議院議員宇都宮徳馬は無所属で議員活動を続けた。
社会民主連合(1978~1994年、約16年)
 日本社会党を離党した江田三郎(1907~1977年、社会党書記長、副委員長など歴任)が結成した社会市民連合(1977年)を母体に結成。1994年に解散。中心メンバーの江田五月*5日本新党新進党を経て民主党に、菅直人*6新党さきがけを経て民主党に参加。
税金党(1983~1989年、約6年)
 1983年に新自由クラブを離党した野末陳平*7が党首。一時、野末が参院議員(1971~1995年まで、4期24年(但し、1989年の税金党解党以降は自民→新生党新進党→無所属))を務めた。
スポーツ平和党(1989~2006年、約17年間)
 プロレスラーのアントニオ猪木が代表
日本新党(1992~1994年、約2年間)
 元熊本県知事の細川護熙が創立。1994年の新進党(1997年に解散)の結成に参加し解党。
新党さきがけ(1993~2002年:約9年間)
 武村正義*8田中秀征*9鳩山由紀夫*10らが自民党を離党して結党
自由党(1998年~2003年、約5年間)
 1997年の新進党解党後、小沢一郎*11が党首となり結党。2003年に民主党と統合し解党。
国民新党(2005~2013年、約8年)
 小泉内閣郵政民営化関連法案に反対した自民党綿貫民輔*12亀井静香*13らが離党して結党
新党日本(2005~2015年、約10年)
 元長野県知事田中康夫を代表に結党
みんなの党(2009~2014年:約5年)
 自民党を離党した渡辺喜美*14が代表となり結党。

など多くの党が消えたところ、共産党は残っているわけです。
 なお、産経の言う「革命」云々なら、遅くとも、「1970年代の民主連合政府構想(野党による連立政権構想)の提示」以降は日本共産党はそんなモノは目指してないわけです。
 共産支持層は「恐らく党員、後援会員も含めて」革命云々で支持してない*15し、自民支持層だってそんなこと(革命反対)で自民支持してるわけではないでしょう。
 もっと身近な「おらが村のセンセイが箱物を立ててくれた」レベルの利益誘導で支持してる人間が多いわけです。

*1:著書『教祖逮捕:「カルト」は人を救うか』(2000年、宝島社)、『洗脳の楽園:ヤマギシ会という悲劇』(2007年、情報センター出版局)、『我らの不快な隣人:統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇』(2008年、情報センター出版局)、『カルトの子:心を盗まれた家族』(2021年、論創社)など

*2:勿論、俺はこっちの方向ですが

*3:社会党書記長(片山委員長時代)、片山内閣官房長官、芦田内閣副総理、民社党委員長など歴任

*4:新自由クラブ代表、中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*5:江田三郎の息子。社民連副代表、代表、日本新党副代表、細川内閣科学技術庁長官、参院議長、菅内閣法相、民主党参院議員会長、民主党最高顧問など歴任

*6:社民連政策委員長、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相、首相などを経て立憲民主党最高顧問

*7:陳平はペンネームで前漢の宰相・陳平から取っている。著書『テレビ稼業入門』(1963年、三一新書)、『トクする郵便貯金利用法』(1981年、光文社カッパ・ブックス)、『中国古典笑話』(1984年、徳間文庫)、『老荘思想入門』(1986年、徳間文庫)、『野末陳平の不動産学入門』(1991年、光文社カッパ・ビジネス)、『40歳になったら読みたい李白杜甫』(2011年、青春新書インテリジェンス)など

*8:新党さきがけ代表、細川内閣官房長官、村山内閣蔵相など歴任

*9:新党さきがけ代表代行、橋本内閣経済企画庁長官など歴任

*10:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官民主党幹事長、首相など歴任

*11:中曽根内閣自治相・国家公安委員会委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長(鳩山代表時代)、国民の生活が第一代表、生活の党代表など歴任

*12:海部内閣建設相、自民党幹事長(宮沢総裁時代)、衆院議長、国民新党代表など歴任

*13:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表代行、代表、鳩山、菅内閣金融等担当相など歴任

*14:第一次安倍、福田内閣で行革等担当相

*15:勿論俺もそんな理由での支持ではありません。