今日のロシアニュース(2022年7月18日分)(副題:突然のウクライナ高官更迭を不審に思う)(追記あり)

ウクライナ 検事総長と保安局長官を解任 “部下が敵対的行動” | NHK | ウクライナ情勢
ウクライナ、検事総長と保安局トップを解任 部下がロシア協力の疑い:朝日新聞デジタル
フジテレビ「ロシアに協力疑い」検事総長ら解任 ゼレンスキー大統領

ウクライナ、情報機関・検察トップ更迭 ロシアに協力か: 日本経済新聞
 ゼレンスキー大統領は17日、同国の情報機関である保安局(SBU)のバカノフ長官と、検察トップのベネディクトワ検事総長を更迭した。大統領府のホームページで明らかにした。両機関の職員がロシアに協力しているケースが多数あることを理由に挙げた。
 ゼレンスキー氏は17日の声明で、「2人が所属する機関の職員の60人以上が、(ロシアに)占領された地域にとどまり、ウクライナに反抗して活動している*1」と指摘した。これらの職員がロシア側と関係を持ち、同国に協力していたことも示唆した。

 正直「ホンマかいな?」ですね。
 ウクライナ戦争(2月末開戦)が4ヶ月経っても「ウクライナが善戦している」とはいえ、膠着状態で、「侵攻後に陥落したマリウポリ」などを奪還する見込みは「遠い将来」はともかく「近い将来」はなく、ましてや「クリミアなど2月末の侵攻以前からロシアが支配してる地域の奪還」など「夢のまた夢」という状況で「ゼレンスキーへの不満」がさすがに次第に国内で高まりつつある中、「俺が悪いんじゃない、裏切り者(ロシアへの協力者)が検察や情報機関にいるからだ。情報機関に裏切り者がいるから、重要情報がロシアに流れた。検察に裏切り者がいるから、ロシアの戦争犯罪追及が進まない」と不当な責任転嫁に走ってるのではないか(つまり「内通者」云々は「ゼレンスキーの保身」のための嘘八百)。
 というか、「反北朝鮮」の日本マスコミは、これが「北朝鮮での処罰」なら確実に「保身のための不当な責任転嫁」と言ってるでしょうね(苦笑)。張成沢(国防副委員長、朝鮮労働党行政部長)処刑の時に「不当な粛清」と批判してましたから。北朝鮮とは違う「親日国」にして「巨悪ロシアと戦う正義の国家」ウクライナだと何故かそういう疑念は持たないようですが(皮肉のつもり)。
 勿論「真実」だとしてもゼレンスキーにとって全く自慢になりません。
 検事総長や情報機関トップを解任しないといけないレベルで検察や情報機関に裏切り者(ロシアへの協力者)が多数存在していた*2というのは、ゼレンスキーと「彼のシンパ」が大宣伝していた過去の主張「ウクライナ国民は皆愛国的で、ロシアとの戦いの意欲に燃えている」と完全に矛盾するからです(つまり、今回の解任理由が事実ならば、過去の「ウクライナ国民は皆愛国者」云々は嘘八百)。
 しかも検事総長はともかく、情報機関のバカノフ長官は、マスコミ報道に寄れば「ゼレンスキーがコメディアン時代からの盟友、政界入りする前からの同志*3」と言うのだから「任命したゼレンスキーの責任」も重大であり「更迭した」で本来済む話ではないでしょう。
 どっちにしろ「ゼレンスキーが言われてるほど立派な人間ではないこと」が露呈したと言っていいでしょう。
 そもそも今頃こんなことをやり出すのは、よほどセレンスキーに対して好意的評価をしない限り「無能の証明」でしかないでしょう。ゼレンスキーが大統領でいいのか疑問すら感じます。「後釜が誰がいいか」という「難問」はありますが、それを割り引いても、今すぐ大統領を辞めていただいた方がよいのではないか*4
 勿論これは「プーチンが正しい」と言う話ではありません。但し、「プーチンの戦争」が長期化するにつれ、皮肉にも「ゼレンスキーの無能さ、愚劣さ」が暴かれている気がします。
 ゼレンスキーを礼賛するしか能がないid:kojitakenにもせっかくなので石垣のり子参院議員の「ロシアを一方的に非難することこそ誠実な態度」とする正論と、想田和弘の「ゼレンスキーを礼賛しないとまるで国賊のようにぶっ叩く風潮」を捏造する妄論との目も眩むような落差 - kojitakenの日記コメント欄で知らせておきます。まあ、最近のkojitakenはロシア問題に何故か興味を失ったらしく「安倍暗殺」ばかり記事にしていますが。
 kojitakenがロシア問題に興味を失ったように「世界各国」もウクライナ問題に興味を失い、対ロシア制裁も、ウクライナ支援もそれほどではなくなり*5「長期戦化」し、その中でプーチン政権は勿論、ウクライナも大ダメージを被りそうです。その状況下で果たして「ゼレンスキー」は大統領の器なのかと疑念を感じます。
【追記】
 なお、一部では「真の更迭理由は別にある」という説が出ているようです。
 その「真の更迭理由」が何であれ、もし、本当に「真の更迭理由」があり、発表が「虚偽」ならばゼレンスキーという人間の政治家としての資質は疑ってかかるべきでしょう。「嘘つき」は政治家として許される行為ではない。

*1:この表現では「ロシアに身柄拘束されて、親ロシア行為を強要されてる」という意味ではない(つまり自主的な協力の意味)でしょう。そもそも「ロシアの強要」だったら更迭しないでしょうし。

*2:事実だとして「何でそんなにいるんだ?」と言う話です。ロシアにカネで買収でもされたのか。

*3:つまりは能力ではなく、友人を論功行賞で要職に就けたというお手盛りの疑いがあります。

*4:というか、「ロシアによるゼレンスキー政権打倒」はないでしょうが、このままだと「ロシア相手に成果がなさ過ぎる」として「ゼレンスキーを引きずり下ろす動き」が内部から出るかもしれない。

*5:とはいえさすがに「対ロシア制裁が全面解除され、ウクライナ支援がゼロになり、ロシアの猛攻でキーウは陥落しロシア逆転大勝利」はないでしょうが。今後も「ロシアの傀儡政権樹立」と言う形でのロシア勝利はないでしょう。