今日の朝鮮・韓国ニュース(2022年7月28日分)

小泉訪朝から20年、いまだに北朝鮮問題が解決できないのは何故か - 田中均|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

 先日、友人の祝賀会で偶々席を同じくした初対面のまだ若いビジネスマンから質問を受けた。
 「田中さん、小泉首相の訪朝を仕掛けられたのはもう20年前のことだと思うが、5人の拉致被害者が一時帰国したあと、何故北朝鮮に帰国させず日本に留めおいたのか。北朝鮮との約束通り一旦返して、その後平壌宣言に書かれているような北朝鮮との正常化の道のりを歩んでいれば、日本主導で拉致問題の解決だけではなく核やミサイルなど朝鮮半島の平和を作る外交が出来たのではないか。一貫して準備に当たってきた田中さんは何故、日和ってしまったのか。個人的に悔しくないのですか?」
 これまで、私は、一時帰国した5人の拉致被害者を一旦は約束通り北朝鮮に返すべきだと強硬な主張を行ったのは怪しからんとして強い批判を受けてきたので、このような質問を受けるのは稀なことだ。
 もう誤解を正す意味もないが、私は一旦返すべきだという強硬な主張を行ったわけではない。返さなかった時には家族を取り戻す交渉は長くかかるだろうし、また、私が交渉をしてきたXとのルートは難しくなるだろうことを官邸の協議で小泉総理や福田官房長官、安倍官房副長官に申し上げただけだ。
 それが北朝鮮へ帰すべきだという主張をしたと喧伝されメディアの集中砲火を浴びた。結果的に子供たちを北朝鮮に残してきた拉致被害者自身の意向も聞いた結果、政府は拉致被害者を戻さないと決定した。官僚として政治家が嫌がることであれ専門的見地から意見するが、これ程繊細な問題について決めるのは政治指導者であり、政府としての決定に従うのは自分の一貫した行動原理だった。
 他方、このような決定を内心悔しく思った
(中略)
 拉致被害者の永住帰国後、北朝鮮は、日本側は約束を守らなかったとして、日朝間の交渉はスムーズには進まなかった。子供たちを取り返すまでに2年近くかかり、小泉首相の再度の訪問(2004年)を必要とした。日朝間で拉致問題や正常化問題が進んでいかなかった背景にはやはり相互の根深い不信があった。私が長く北朝鮮問題を扱って考えざるを得ないのは、根深い相互不信と国内の強い反北朝鮮感情の下でオープンな形で外交を継続するのはとても難しいということだ。それが北朝鮮問題の進展を難しくした最大の理由ではないかと思う。
 おそらく唯一の方法は20年前に小泉訪朝で試みた様に、水面下の入念な事前協議の下でシナリオをつくり、首脳*1会議で一気に合意をする事しかないのだろう。しかしそれは首脳の強い決意とともに、首脳が強い政権基盤を有し、且つ世論を説得する覚悟を持たない*2限り無理な事なのだろう。その日が再び来ることを願いたいと思う。

 「赤字強調」はしますが、ノーコメントで紹介しておきます。


正恩氏、尹政権名指し警告 先制攻撃なら「全滅」、韓国も反論:時事ドットコム
 「韓国が先制攻撃を仕掛けるなら」としているところに注目したい。「北朝鮮から先制攻撃をしかけること」はもはやあり得ないわけです。


佐渡金山、推薦書再提出に 末松文科相「誠に遺憾」 - 産経ニュース
 「再提出を求めるユネスコに納得がいかない(ユネスコ批判)」のか、「再提出を求められる杜撰な申請で、佐渡の皆さんにお詫びしたい。穴があったら入りたい(謝罪)」のか、分からない「謎の言葉・遺憾」です。
【追記】
佐渡金山の書類不備は2月に指摘、世界遺産登録へ「大失態」 自民で批判続出 - 産経ニュース
 「書類に不備があった」という話のようです。まあ、ウヨ連中と違って俺個人はそれほどの思い入れは佐渡金山にはありません。また「落ち度」といっても「ユネスコと日本政府の価値観の違い」的な「微妙な話(誰でも落ち度と分かるほど分かりやすい話ではない)」のようなので、ウヨ連中ほどには「担当者に悪口する気はない」ですね。そもそもウヨ連中の場合「国威発揚」「観光振興」と実に動機が不純ですし。建前は文化財保護なのに。


韓国、軍需大国へ前進 ポーランドに武器大量輸出 - 産経ニュース
 右派に政権交代したからこうなったのか、政権交代しなくてもこうなったのかが気になるところです。

*1:この場合は勿論「日本の首相」と金正恩国務委員長(朝鮮労働党総書記)のこと

*2:そうした覚悟を持てなかった歴代政権(訪朝した小泉から現在の岸田まで)への批判でしょう。