澤藤統一郎の「常軌を逸したアンチ中国」を嗤う(2020年8/1日分)

【追記】
 澤藤氏が自ブログでの「DHCスラップ訴訟批判記事」をまとめて澤藤『DHCスラップ訴訟』(2022年、日本評論社)として刊行したそうなので紹介しておきます(澤藤統一郎の憲法日記 » DHC製品は買わないが、この本は買って損はない ー 「DHCスラップ訴訟」を許さない・第203弾参照)。
【追記終わり】
澤藤統一郎の憲法日記 » 「邪教」はとうてい許せない。しかし、「サタン」はもっと怖い。
 俺的には澤藤統一郎の「常軌を逸したアンチ中国」を嗤う(2020年7/15日分)(副題:法輪功は間違いなく邪教ですよ!、澤藤さん)(追記あり) - bogus-simotukareのブログの続編ですね。

 昨日(7月30日)配信の共同通信記事によれば、中国は「旧統一教会は『違法な邪教』」とし、「安倍氏銃撃で一掃の正当性強調」なのだそうだ。これだけの見出しでは少々分かりにくいが、「中国共産党はとっくの昔に、統一教会邪教として一掃済みである。今回の安倍銃撃事件で、党の正しさが再確認された」ということなのだ。
 中国当局統一教会を、非合法の「邪教」(カルト)と認定したのは1997年のこと*1だという。そのことによって、日米と違って、中国は自国への浸透を防いだ当局の対応は正しかったと宣伝している。
 共産党系の環球時報(英語版)は14日付紙面で「安倍氏暗殺は中国のカルト一掃の正しさを示した」と強調。「(山上徹也容疑者が)もし中国で暮らしていれば、政府は彼が正義を追求するのを助け、この宗教団体を撲滅しただろう」とし、日米などは「中国の(カルト排除の)努力を『宗教上の自由への迫害』だとゆがめている」と反発した。
 これは注目に値する記事ではないか。中国政府(共産党)は、宗教団体に悪徳商法や高額献金授受の事実あれば、躊躇なく『この宗教団体を撲滅した」というのだ。中国政府(共産党)は、そうすることが「正義」と信じて疑わない。「中国の(カルト排除の)努力を『宗教上の自由への迫害』だとゆがめて」はならない、という立場なのだ。
 中国(共産党)は統一教会を「邪教」として、弾圧も撲滅も躊躇しない。一方、統一教会の側は、反共(反共産主義)を教義としており、その教義によると、中国共産党は「サタン*2」とされている。
 自民党と癒着し信者からは財産と真っ当な人生を奪った「邪教」と、人権と民主主義の弾圧をこととしてきた「サタン」と。どちらも唾棄すべき存在だが、暴力装置を駆使しうる「サタン」の方がより怖いというべきだろう。

 澤藤文章の

中国政府(共産党)は、宗教団体に悪徳商法や高額献金授受の事実あれば、躊躇なく『この宗教団体を撲滅した」というのだ。中国政府(共産党)は、そうすることが「正義」と信じて疑わない。
中国(共産党)は統一教会を「邪教」として、弾圧も撲滅も躊躇しない。

は全く正論ですよね。どこの世界に「悪徳商法や高額献金授受の事実」があっても「撲滅しないで野放しにする国がある」のか。
 まあ「統一教会の金や票目当てに、統一教会悪徳商法霊感商法)を野放しにしてきた自民党政府の日本」はそうした国の一つですが、それは日本が異常なだけなんですが。中国に「日本って、我が国(中国)と違って違法カルト(統一教会)を野放しにする異常な国なんですね」と嫌み、皮肉を言われたら「ええ、そうなんです、本当に恥ずかしい」と言うべき所、「宗教弾圧云々」と中国に悪口雑言とは「反中国」澤藤はどれほど異常なのか。
 少なくとも赤字部分の「中国政府の主張」には何の問題もない。
 勿論

【1】実際に中国で行われてる宗教取り締まりがそうした邪教の違法行為(統一教会のような詐欺行為など)撲滅にとどまるのか、実際には「政府に批判的な宗教への弾圧(戦前日本「国家神道体制」の創価学会PL教団などへの弾圧に当たる)」もやってないか?
【2】そうした「政府批判への弾圧」を正当化するために「詐欺などの違法行為があった」とでっち上げをしていないか?
→これらについて俺に知識がないのでこれ以上は論じません。勿論「中国で宗教への不当な弾圧が行われてる」と批判する米国は「政府に批判的な宗教への弾圧」が行われてると評価してるのでしょうが。

という分析は必要ですが、少なくとも赤字部分は何の問題もない正論です。
 しかもどちらも唾棄すべき存在だが、暴力装置を駆使しうる「サタン*3」の方がより怖いというべきだろう。ねえ。
 「邪教(今回は統一教会)と一党独裁国家(中国に限らない)とどっちがマシか」なんて問題設定が明らかにおかしいでしょう。そんな比較をする必要性がどこにあるのか。そんなのは「よほどの反中国、反共右翼」か「邪教(今回は統一教会)シンパ」か、どっちかでない限り「思いつくことすらできない珍論」です。
 そしてあえて言えば「中国共産党の支配を受ける、そして中国政府の主張を信じれば統一教会が壊滅状態*4の中国人はともかく」日本人にとっては「その支配を受けているわけでもない中国共産党」よりもどちらも唾棄すべき存在だが、『与党・自民党と癒着することで、法的処罰を逃れ、日本人を洗脳して、霊感商法で食い物にしている統一教会』の方がより怖いというべきでしょう。
 紀藤弁護士など統一教会批判派から「澤藤は統一教会の被害を矮小化する気か」と批判が出てもおかしくないでしょう。
 澤藤の文章を見てると「それ自体には何の問題もない中国の主張」を曲解して悪口する、などの「常軌を逸したアンチ中国」が多いので心底呆れます。

*1:その頃に統一教会が中国進出したんでしょうか?

*2:中国共産党に限らず「共産党一般がサタン」扱いで日本共産党澤藤統一郎の憲法日記 » 反共宣伝に負けずに、日本共産党への「希望の一票」を。などで澤藤が支持表明)もサタン扱いなのですが?

*3:中国政府のこと

*4:ただし法輪功など、邪教自体はいろいろと存在するようですが。