高世仁に突っ込む(2022年8/2日分)

「核心」は統一教会の名称変更問題だ - 高世仁のジャーナルな日々

 きのう*1の「サンデーモーニング*2」(TBS)で(ボーガス注:法政大学元総長、法政大学名誉教授、週刊金曜日編集委員であるコメンテーター)田中優子さん*3が名称変更が重要だと指摘。
「今回の問題で私が一番気になるのはやっぱり(ボーガス注:世界平和統一家庭連合への)名称変更のことなんです。この裏で何があったかということ。(ボーガス注:申請があっても文化庁が)それまでずっと認めなかったのに。2015年に突然認めるんですよね」
「名称変更は非常に大きなことだった。このあと(ボーガス注:家庭連合を名乗って)統一教会という言葉を使わなくなるので、いろんな方がそれと分からずに(ボーガス注:信者として)入っていくということがありましたよね」
「国会議員の方たち*4はそれ*5に向き合っていただきたい。そのこと*6によって多くの国民の方達が被害を受けている」

 言ってることは全く正論ですが「2015年当時、文科相で疑惑の中心人物」下村、「同じく疑惑の中心人物である安倍(2015年当時、首相)」の遺族(妻・昭恵や実弟・岸防衛相)、安倍を領袖とし、下村(8/2のTBS「森本毅郎スタンバイ」で、コメンテーター山田惠資氏も指摘していたが次期派閥会長を明らかに狙っている*7)を幹部としている安倍派、安倍国葬を決めた岸田首相(岸田の本心と言うより最大派閥・安倍派へのこびでしょうが)、「安倍信者ウヨ連中(国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこなど)」などの反発を考えれば「良く言った!」ですね。
 しかしさすがの拉致被害者家族会もこの件では事実上、黙りですね。さすがに横田早紀江も「統一教会と安倍さんが癒着して何が悪い」「2015年の改名許可の何が悪い」とはいえない。既に拉致が風化してる中で、そんなことを言ったら袋叩きでしょう。「小泉訪朝直後(2002年)」など、拉致が風化してない時代でも袋叩きでしょうが今ならなおさらそうです。
 「世間で一番不幸なのは私たち拉致被害者家族」的な物言いを平気でする早紀江らですがどうみても「山上の方が不幸」ですからね。
 むしろ「早紀江のような性格」なら山上も救われたのではないか。彼は恐らく「自分一人で抱え込み、悩んだあげく」ついに「安倍を殺すしかない」とまで思い詰めたのでしょう。
 それはともかく安倍も
【1】統一教会信者の息子・山上に恨まれて殺される(安倍に大いに非がある)→その結果、「2015年の改名許可疑惑」など「統一教会絡みの安倍の不祥事」が噴出。「モリカケ桜疑惑」「レイプもみ消し疑惑」「河井夫婦の公選法違反」など過去に発覚した不祥事とセットで「安倍は本当にろくでもない腐敗政治家」と安倍批判派が改めて安倍を酷評
【2】「危機管理の安倍」を売りにしながら、警察の杜撰な警備を容認。山上の発砲時も「手製銃で、一般の銃と発砲音が違うので何が起こったのかわからなかった」のか、「狙撃とわかったが、頭がパニックになって動けなかった」のか、すぐに伏せることもせずに棒立ちになったあげく銃弾を受け死亡し、「危機管理意識が本当は皆無であること」を露呈。また、「左翼や中国、北朝鮮が敵視してるから、安倍さんは常に暗殺の危険性を感じてる。北朝鮮は過去に『青瓦台襲撃事件(1968年:朴正熙大統領暗殺未遂)』『文世光事件(1974年:朴正熙大統領暗殺未遂)』『ラングーン事件(1983年:全斗煥大統領暗殺未遂)』『金正男暗殺(2017年)』など暗殺(未遂含む)の前科があるし」という類のウヨの安倍持ち上げ言説が嘘であることも明白になる
【3】「北海道でのヤジ排除」とセットで「ヤジを排除して暗殺犯を排除できないなんて」と呆れられる
などの意味で「安倍にとってこれ以上はない、無様な最低の死に方をした」といっていいでしょう。これ以上無様な死に方というのもちょっと思い浮かびません。
 「趣味の自転車で事故り、首の骨を折り危うく死にそうになる→死なないまでも、政治活動が困難になり国会議員引退を表明(谷垣*8)」もいい加減「政治家として危機意識が足りない」でしょうが、安倍よりはマシです。
 それにしてもこの期に及んでも「安倍礼賛」を続けるのかと横田早紀江ら家族会には心底呆れます。
 「安倍の統一教会との癒着」発覚によって、さらに拉致の風化は助長するでしょう。安倍以外でも「拉致議連に参加するようなウヨ議員の多く」は統一教会と癒着しているからです。むしろ統一教会と癒着してないのは「救う会言いなりの家族会」が敵視してきた社民や共産の議員です。
 「拉致問題で一番熱心なのは安倍さん」と安倍を持ち上げてきた家族会の自業自得ですが。
 なお、今回の高世記事は日本は統一教会の金づる兼「花嫁供給地」 - 高世仁のジャーナルな日々の続きですね。

日本は統一教会の金づる兼「花嫁供給地」 - 高世仁のジャーナルな日々
 (ボーガス注:詐欺を理由に警察や検察で)統一教会を取締り、(ボーガス注:オウム真理教法の華のように宗教法人解散命令で)宗教法人としての活動を禁止するのが当然だったのに、日本政府は逆に、悪名を濯ぐための改名(世界平和統一家庭連合への)を認めて統一教会を支援していたのだ。
(つづく)

 これについては、

高世仁に突っ込む(2022年7/31日分) - bogus-simotukareのブログ
日本は統一教会の金づる兼「花嫁供給地」 - 高世仁のジャーナルな日々
 で既にマスコミが報じてるところですが改名が認められたのが2015年。
 この時の首相が安倍、文科相が下村(第一次安倍内閣官房副長官、第二次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)を歴任した安倍の側近)で二人とも統一教会とは「政治献金を受ける」「統一教会イベントに祝電を送る」などズブズブの関係にありました。
 前川元文科次官が
【統一教会】前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【前編】文化庁では教団の解散が議論されていた|日刊ゲンダイDIGITAL
赤旗「旧統一協会」の名称変更/文化庁 安倍政権下で方針転換/政治圧力 可能性も/前川氏が指摘
などで「私が文化庁宗務課長だった1997年(今から25年前、当時は橋本内閣)から改名申請はされてきたが、霊感商法を理由にずっと拒否してきた。2015年(今から7年前)にいきなり申請が許可されるなんて、当時の与党政治家の政治介入以外に考えられない」と告発したことで、一気に「安倍と下村の介入疑惑」が浮上したわけです。高世の(つづく)ではその辺りのことが書かれるのでしょう。
 何せ相手は「モリカケ桜疑惑(財務省文科省内閣府への圧力)」「安倍友レイプもみ消し疑惑(警察への圧力)」と無法な政治介入をすること、あるいは「河井の公選法違反」のような「犯罪行為」をすることに何の躊躇もない安倍です。
 「疑惑は真っ黒だ」といっていいでしょう。それにしても前も別記事で書きましたが「加計告発」「今回の統一教会告発」と前川氏も二度も「安倍の不正暴露」とはまさに「人間万事塞翁が馬」ですね。
 そして「出会い系バー報道(読売)」で前川氏を社会的に抹殺しようとした安倍が、それに失敗し、むしろ自分が「物理的に抹殺されたこと(暗殺)」もまさに「人間万事塞翁が馬」ですね。

と俺は書きましたが、予想通り今回の高世記事では「2015年の改名許可疑惑(安倍、下村疑惑)」を取り上げ、前川証言にも触れています。

 共産党の宮本徹衆院議員が、文化庁に当時の文書を開示させたところ、名称変更理由はじめ大事なところはみな黒塗りだったという。
 安倍政権のときみたいに、当時の記録をシュレッダーしたり改ざんしたりを指示してるんじゃないだろうな。メディアも野党もしっかり追及してほしい。

 本当に後ろめたいところがなければ黒塗りにする必要はないでしょう。「下村が真っ黒」と自白してるようなもんです。
 しかし「安倍首相時代」なら必死に下村をかばうでしょうが、【1】岸田にとって安倍ほどには下村はかばうべき存在ではない、【2】安倍派幹部なら萩生田経産相や松野官房長官らがいる(萩生田らは下村とは対立関係らしいのでむしろ下村の失脚を歓ぶ可能性あり)、という意味で意外と岸田も「下村を切って捨てる可能性」もあるのではないか。
 それにしても今回の「安倍暗殺」は日本の社会や政界に与えた衝撃度で言えば「田中金脈やロッキード事件」「リクルート事件」「小泉訪朝」並ではないか。何せ「統一教会自民党の癒着」という「政治の闇」が白日の下になりましたからね。
 正直、安倍暗殺直後には「(モリカケ桜などの不正に反発した人間による)政治的な暗殺なんだろう」と思っていたので、「統一教会の恨みで殺されて、統一教会の悪事が世間に騒がれる」「その中で統一教会と癒着していた自民党(特に安倍本人や安倍を領袖とする清和会)が批判される」「安倍については祖父・岸元首相や父・安倍晋太郎に遡って統一教会との付き合いが批判される」という展開は全く予想外でした。

*1:7/31日の日曜日のこと

*2:こういう辺りはTBS(「報道特集」でも統一教会疑惑を追及する報道部?)もMC・関口宏もまともと言っていいでしょう。TBSのバラエティ部門(ひるおび、ゴゴスマ)は統一教会をまともに批判せず、最悪のようですが。

*3:著書『江戸の想像力』(1992年、ちくま学芸文庫)、『江戸の音』(1997年、河出文庫)、『江戸の恋』(2002年、集英社新書)、『樋口一葉「いやだ!」と云ふ』(2004年、集英社新書)、『江戸の懐古』(2006年、講談社学術文庫)、『江戸はネットワーク』(2008年、平凡社ライブラリー)、『未来のための江戸学』(2009年、小学館101新書)、『春画のからくり』(2009年、ちくま文庫)、『江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?』(2010年、小学館101新書)、 『江戸百夢:近世図像学の楽しみ』、『きもの草子』(以上、2010年、ちくま文庫)、『グローバリゼーションの中の江戸』(2012年、岩波ジュニア新書)、『張形と江戸女』(2013年、ちくま文庫)、『芸者と遊び』(2016年、角川ソフィア文庫)、『布のちから:江戸から現在へ』(2020年、朝日文庫)、『苦海・浄土・日本:石牟礼道子・もだえ神の精神』(2020年、集英社新書)、『遊廓と日本人』(2021年、講談社現代新書)など

*4:野党(立民、共産、社民、れいわ)は「国民民主」「維新」「N国党」「参政党」といったエセ野党、自民補完勢力を除けば、言われなくても「向き合う」というか追及するでしょう。問題は「疑惑の当事者」安倍(当時、首相)や下村(当時、文科相)を幹部として処遇してきた自民党と「自民党の共闘相手・公明党」です。

*5:2015年の名称変更のこと

*6:2015年の名称変更のこと

*7:一方で「無役の下村(岸田が明らかに距離を置いている)」と違い、岸田内閣官房長官の松野、経産相の萩生田は下村と対立する立場にあり、山田氏は「今後、親岸田の松野、萩生田グループ」と「岸田と距離を置く下村グループ」で派閥が分裂し「下村グループが反岸田に回ること(それも安倍派の大部分が下村側に行くこと)」を「岸田氏は危惧している」が、とはいえ、「だからといって下村を重用することは今更せず」、安倍派については基本的に「中立(というか現状の扱い)」を保ち、分裂した際に備えて「麻生派(麻生副総裁)」「茂木派(茂木幹事長)」との連携を深めるのではないかとの見方を示していました。例の「甘利の追悼演説(ぽしゃりましたが)」も単に「甘利が安倍の盟友」ではなく「甘利に演説させることで奴の親分である麻生を取り込む考え」があり、「安倍派の甘利批判」には、それに安倍派が「麻生に傾斜して安倍派を斬るのか」と反発した面もあると山田氏は見ていました(勿論、甘利の放言にマジギレしたのも事実でしょうが)。

*8:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相自民党総裁、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任