高世仁に突っ込む(2022年8/4日分)

安倍氏のあのビデオメッセージの顛末とは - 高世仁のジャーナルな日々
 昨今、記事がほとんど「統一教会(主として安倍自民の癒着批判)」の高世ですが、今日も「統一教会」です。

 統一教会(通称)と自民党の関係について「党としては一切関係ない*1」と26日の記者会見で語って物議をかもした自民党茂木敏充*2幹事長。
 きのう2日の記者会見で、(調べた結果)「これまで一切の関係を持っていないと確認できた」と明らかにした。
 ところが、そのとき、統一教会について質問をした記者がひとりもいなかったというのだ!
 記者会見が終わって記者たちが帰ろうとしていると、茂木氏の方からわざわざ戻ってきて、「聞かれるって思ってたけれど、旧統一教会の問題で質問が出なかったので」と笑顔で言ってから、先ほどの「一切の関係を持っていない」の説明をしたのだ。茂木氏は当然聞かれると思って準備してきたのに、質問がなくて驚いたのだろう。
 記者ならきのうの会見を手ぐすね引いて待っているのが当たり前では?
 近年、企業メディアの記者たちのだらしなさが目立つ。
 それにしても、NHK統一教会関連を徹底してスルーする姿勢*3には驚愕させられる。もうスキャンダルと言っていいレベルだ。
 しっかりしろ!

 こうしたマスコミのだらしなさを見ると「山上を批判すること」には躊躇しますね。
 山上を精神的に追い詰め暗殺に走らせた一因は「こうしたマスコミのだらしなさ」ではないのか。
 山上を批判するのならそうした自らの「だらしなさ」を反省し今こそ統一教会批判、そして統一教会と癒着してきた政治家批判をすべきでしょうに。

 統一教会と政治の関係について、「朝日新聞」が突っ込まないとの批判を浴びてきたが、新聞内部から「改善」の動きが見えてきた。
 きょうの社会面では、例の名称変更の問題を遅ればせながら報じている。

 「森友批判をしていた朝日が何故?」ですね。「森友批判」で自民と全面対決したことを「良くなかった」と「間違った反省」を上層部がしているのか?。

 先週の「報道特集」で米国取材の他にもう一つ特筆すべきは、安倍元総理が、去年9月12日の統一教会系「天宙平和連合(UPF)」の集会にビデオメッセ―ジを送ること*4になった経緯を当事者が語るビデオを報じたことだ。
 語るのはUPF-Japanの会長、梶栗正義氏。集会の一か月後に内輪の会で安倍元総理を担ぎ出したのは自分だと以下のように語っている。
 3人の元総理に打診したがすべて「そっぽ向かれた」。そこにトランプ氏のビデオ出演が決まった。
「先生(安倍氏のこと)、もしトランプがやるということになったら、(ボーガス注:トランプと親しい安倍にも?)やっていただかなくちゃいけない*5けど、どうか?。『ああ、それなら自分も出なくちゃいけない』という話を(去年)春にやりとりしていた。先方から『やりましょう』という答えが返ってきて私の耳に入ったのが8月24日。」
 TBSはがんばっていて、翌31日の「サンデーモーニング」では、安倍元総理に近い北村経夫*6参院議員の2013年当時の元選挙事務所スタッフの証言を報じた。
 選挙での支援者へ電話入れスタッフがたくさんいたが、その中に「国際勝共連合、世界平和連合といった(関連)団体の方々の名前を散見することがあった。(スタッフ名簿を)見ていて『この方たちは』と気がついたのは50名ほど」だったという。
 北村議員は「教団の信者が選挙支援を行った事実はない」とシラを切っている。このウソがはっきりと裁かれるのはいつだろう。

 TBSのこうした報道は高く評価したい。
 しかし3人の元総理に打診したがすべて「そっぽ向かれた」。の「三人の元総理」とは誰なのか。
 「(三人の元総理に断られた後に)安倍元首相に去年(2021年)の春頃に依頼したら8月に承諾の返事があった」ということから、「3人の元総理」とは「2021年当時存命の元首相」である

「細川*7」「村山*8」「森*9」「小泉*10」「福田康夫*11」「麻生*12」「鳩山*13」「菅直人*14」「野田*15

のいずれかでしょう。素直に考えれば「統一教会と歴史的に深いつながりがある清和会(岸*16福田赳夫*17)」の「森」「小泉」「福田康夫」でしょうが。
 清和会(岸や福田赳夫)と統一教会の関係については

岸信介 - Wikipedia
 1974年(昭和49年)5月7日、東京の帝国ホテルで開催された文鮮明の講演会「希望の日晩餐会」では、岸が名誉実行委員長となっている。

「文尊師は誠実な男」 岸信介が統一教会トップを称賛した“異様”な機密文書(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
 日付は1984年11月26日。差出人は岸信介。言わずと知れた元総理で、安倍氏の祖父に当たる。宛先は当時のアメリカ大統領、ロナルド・レーガンだ。
〈大統領、今日は、貴殿にお願いがございます。貴殿もお知り合いの可能性があると思われる人物、文鮮明尊師に関するものです〉
 唐突に出てくる、統一教会の開祖・文鮮明の名。書簡はこう続く。
〈文尊師は、現在、不当にも拘禁されています。貴殿のご協力を得て、私は是が非でも、できる限り早く、彼が不当な拘禁から解放されるよう、お願いしたいと思います〉
 文鮮明はその前にアメリカで、脱税容疑にて起訴され、84年4月には懲役1年6カ月の実刑判決を受けて連邦刑務所に収監されていた。
 この書簡は、日本の元総理がアメリカの現職大統領に宛てて、韓国人「脱税犯」の逮捕が不当だとして釈放を依頼するという、極めて異例の内容なのだ。
 結局、釈放は難しいと判断され、文鮮明が出所できたのは翌85年の夏だった。

岸信介の “私邸” が統一教会の本部に…「西郷どん」と「高峰三枝子」がつないだ数奇な縁(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
 『報道1930』(BS-TBS)は、1969年の地図を元に、岸氏の自宅があった東京都渋谷区南平台の隣に『全国高校連合原理研究会』が所在することを報じています。
 また、番組では、1958年に撮られた1枚の写真を紹介しています。そこには、南平台の瀟洒な邸宅を背景に岸氏がくつろぐかたわら、当時4歳の孫・安倍元首相らが遊ぶ姿が写っています。しかし、6年後の写真では、その邸宅が統一教会本部とされていたんです。

徹底追及 統一協会/自民重鎮に食い込む/岸元首相が「飛躍のきっかけ」
 岸氏は、同協会の政治団体勝共連合」の発起人に、右翼の大物、笹川良一児玉誉士夫とともに名を連ねます。
 1973年には同協会の開祖である文鮮明が岸氏と会見し、一緒に写真撮影もしています。
 1974年に文鮮明韓鶴子(現在の同協会総裁)夫妻が来日した際には帝国ホテルで晩さん会が開かれ、当時の福田赳夫蔵相(後に首相)ら国会議員が出席。福田氏は「アジアに偉大な指導者現る。その名は“文鮮明”である」(『日本統一運動史』)と絶賛しています。

を紹介しておきます。
 それにしても「安倍に依頼する以前に別の人間に依頼していた」が本当なら意外です。「安倍が軽く見られている」ということなのか。

*1:「安倍元首相」「岸防衛相」など幹部政治家がズブズブである時点で何の言い訳にもなりません。警察不祥事(大規模な暴力団との癒着)で「一部警官が癒着していただけで組織として癒着してない」と言い訳するレベルの詭弁です。

*2:小泉内閣沖縄・北方等担当相、福田内閣金融等担当相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第四次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍、菅、岸田内閣外相などを経て幹事長

*3:それだけ見れば正論ですが「蓮池透家族会除名」など「救う会、家族会の問題点」を徹底してスルーしてきた「救う会、家族会の太鼓持ち幇間」も同然の男が、自分を棚上げして良くも言ったもんです(呆)。

*4:報道に寄れば、これを見た山上が安倍への殺意を持ったとされる。

*5:トランプ云々を持ち出す辺り、内心では統一協会側は「断られることを覚悟していた」のではないか。皮肉にも安倍は軽く考えていたようですが。

*6:元・産経新聞政治部長。安倍派。週刊新潮統一教会の政界汚染、支援対象は「安倍さんの一存だった」 恩恵を受けた子飼い議員の名(抜粋) | デイリー新潮は2013年参院選当時(北村が初当選)の統一教会の内部文書には「〈安倍首相からじきじきこの方(北村氏)を後援してほしいとの依頼〉〈まだCランクで当選には遠い状況です〉〈今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の『死活問題』です〉という記載があったと報じた。また、【1】2013年の選挙期間中に北村が統一教会の2つの教会で集会を行う予定があったことを示す統一教会の内部文書、【2】2019年の選挙で、統一教会の信者が知人らに「北村さんをお願いして貰えませんか?。副幹事長であり、安倍総理のお膝元の方だそうです」と投票を呼びかけたメッセージをTBS報道特集「安倍派が飛び抜けて多かった」旧統一教会と政治家“持ちつ持たれつの関係”その実態とは【報道特集】 | TBS NEWS DIGが報じた。(北村経夫 - Wikipedia参照)

*7:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*8:社会党国対委員長、委員長、首相、社民党党首を歴任

*9:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*10:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*11:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*12:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍、菅内閣副総理・財務相などを経て自民党副総裁

*13:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官などを経て首相

*14:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相、首相などを経て立憲民主党最高顧問

*15:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)などを経て立憲民主党最高顧問

*16:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*17:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(岸、佐藤総裁時代)などを経て首相