珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年8月9日分)

黒坂真
 斎藤優子議員。昭和6年に権力が侵略戦争への道を暴走していたとのお話ですが、権力とは誰ですか。特別高等警察日本共産党にスパイを潜入させましたが、満州事変とは無関係です。
斉藤優子(日本共産党)目黒区議
 記者なのに、調べられていないのですか?。1931年侵略戦争への道を暴走していた権力は日本共産党の指導部にスパイを送り込み、反戦平和の党を根絶やしにしようと、残酷な弾圧を加え、党があたかも凶悪な犯罪をおかしたかのようなデマ攻撃を加え、悪辣な謀略も行い、標的にされたのが宮本顕治さんです。
◆石井孝明
 宮本顕治さんが人を殺害したとされる共産党の査問とは、今も行われているのだろうか

 斎藤氏の主張をどう評価するにせよ「スパイを送り込んだ特高」も「中国侵略を進めた陸軍」も「日本政府という権力機構の一部」に過ぎないのだから斎藤氏の言う権力が「日本政府」を意味するのは容易に理解できる。黒坂ツイートは揚げ足取りとしては実にレベルが低い。これが大学教授(大阪経済大)と言うから絶句です。 
 なお、川上徹*1『査問』(2001年、ちくま文庫)で共産党イメージが強いかもしれませんが、「査問」でググってヒットした以下の記事で分かるように「査問」自体は一般用語です。

【独自】大手服飾社長が社員にセクハラ 政府会議の議員:朝日新聞デジタル(藤崎麻里)2020.3.4
 女性向け洋服ブランド「アースミュージックエコロジー」などを展開するストライプインターナショナル(岡山市)の石川康*2社長(49)が複数の女性社員やスタッフへのセクハラ行為をしたとして、2018年12月に同社で臨時査問会が開かれ、厳重注意を受けていたことが分かった。
 石川氏は2019年3月から、男女の人権尊重や政策立案への女性の参画などを目的とする内閣府男女共同参画会議の議員*3を務める。
 朝日新聞が入手した資料や関係者への取材によると、査問会では、石川氏のセクハラ行為として、2015年8月~2018年5月にあった4件が報告された。
 関係者への取材によると、査問会後、石川氏は(ボーガス注:女性部下を)食事に誘ったりホテルに行ったりした事実について認め、陳謝したという。石川氏への処分はなく、厳重注意となったという。査問会の出席者の1人は朝日新聞の取材に、石川氏への厳重注意について「その通り」と語った。
 同社のサイトによると、1994年に創立。主力ブランドである「アースミュージックエコロジー」は、就職活動サイト「マイナビ」の大学生人気ファッションブランドランキング(2019年)でユニクロ、GU、ナイキに続く4位と、高い人気を保っている。

「パワハラない」村長側反論 村職員は法廷で「将来展望見えない」:朝日新聞デジタル(屋代良樹)2021.9.15
 熊本県水上村の中嶽弘継村長からパワーハラスメントパワハラ)を受けてうつ病を発症したなど精神的苦痛を受けたとして、男性職員(53)が村と中嶽村長に対して約530万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回弁論が15日、熊本地裁(佐藤道恵裁判長)であった。被告側はパワハラ行為がなかったとして争う姿勢を示した。
 訴状によると、男性は2007年から総務課に所属し、村長車の運転に従事。中嶽村長の初当選から1年余りが経った16年からパワハラが顕著化し、男性が運転中、対向車に村民が乗っていれば深く頭を下げるよう強要されたり、2時間近く運転を続けてもトイレ休憩を許されず「膀胱がおかしいのか」と言われたりしたとしている。「懲戒にする」「今度査問委員会をする」との発言もあった、とも訴えている。
 この日は双方が意見陳述を行った。
 男性は適応障害うつ病などを診断されて20年6月から休職しているといい、「将来の展望が見えず、病状もいまだに改善していない」と訴えた。
 被告の代理人弁護士は、「トイレ休憩」について「具体的な主張内容が不明」と指摘。ほかの原告の主張についても「大半は信用性のないもの」「原告は一貫して村長車の運転手を希望し、配置転換を求めたことがない」などと反論し、パワハラ行為は認められないと主張した。

 当たり前ですが、ストライプインターナショナルは勿論共産党系組織ではない。
 中嶽村長も共産党員ではないでしょう(ググっても彼の政治党派がよく分かりませんが)。
 そもそも川上氏の批判においても「査問それ自体が問題(共産党は査問すべきではない)」なのではなく「査問で人権侵害が行われた疑い」があることが問題なわけです。中嶽村長の「査問」云々発言も「パワハラに当たる疑いがある」から問題なのであって「査問委員会を行う正当な理由がある」正当な発言なら何の問題もない。
 「冤罪事件」において「警察の捜査それ自体が問題(警察は捜査すべきではない)」のではなく、「捜査で人権侵害が疑われた疑いがあること」が問題なのと同じ話です。
 なお、石井孝明なる人物ですが

石井孝明 (ジャーナリスト) - Wikipedia
◆Webサイト「agora-web」にて、精神科医香山リカに対して「精神疾患に罹患している。」「参加している運動が外国政府から資金が提供されている。」「組織暴力団極左暴力集団と繋がりを有している」などと書き、誹謗中傷や名誉棄損を繰り返していたとして香山が石井を提訴。謝罪文を掲載することを条件として、裁判上の和解が2017年2月20日に成立。
辛淑玉が、石井からTwitter上で『「スリーパーセル」「工作員」などの言葉を使い外国人工作員のように見せかけ、辛の社会的地位低下を狙った誹謗中傷を受けた』として、慰謝料550万円の支払いを求める訴訟を起こした。2018年12月25日、55万円の賠償命令。

というレベルの低いデマ右翼です。

*1:1940~2015年。同時代社創業者。著書『戦後左翼たちの誕生と衰亡:10人からの聞き取り』(2014年、同時代社)など

*2:1970年生まれ。1994年(平成6年)に有限会社クロスカンパニーを創業、後にストライプインターナショナルに改組。1999年(平成11年)に独自ブランドである「earth music&ecology」を立ち上げた。なお、この「セクハラ問題への世論の批判」からストライプインターナショナル社長辞任に追い込まれている(石川康晴 - Wikipedia参照)

*3:「セクハラ問題を犯した人間がそんな役職を務めるべきではない」という世論の批判に抵抗できず、後に自ら議員辞任を申し出ている(例えばストライプ石川元社長、男女共同参画会議議員を辞任: 日本経済新聞橋本氏「許されない」 男女参画議員辞任で - 産経ニュース参照)。