今日の朝鮮・韓国ニュース(2022年9月17日分その1:蓮池薫のバカさに呆れる) - bogus-simotukareのブログに書いた「蓮池薫批判を含む文章」以外についてこっちに書きます。
「トランプ氏は拉致問題の重要性を理解」 側近が語った初の米朝会談:朝日新聞デジタル
「トランプ大統領は、日本にとって、そして安倍氏個人にとっての拉致問題の重要性を理解していた」
当時、大統領補佐官を務めていたジョン・ボルトン氏*1は、朝日新聞のインタビューにそう答えた。
仮にそれが事実だとしても、トランプには何もできないでしょう。安倍の意向を無視して、好き勝手なことができるわけがないし、好き勝手なことをしても、北朝鮮もまともに相手をするわけがない。
拉致被害者2人の一時帰国拒否 | カナロコ by 神奈川新聞
日本政府が安倍政権当時の2014〜15年ごろ、政府認定拉致被害者の田中実さん=失踪当時(28)=と、拉致の可能性を排除できないとしている金田龍光さん=同(26)=の「一時帰国」に関する提案を、北朝鮮から受けていたことが16日、分かった。提案に応じれば拉致問題の幕引きを狙う北朝鮮のペースにはまりかねないと警戒し、拒否していた。複数の交渉関係者が明らかにした。
言ってること無茶苦茶です。それは見殺しにしたと言うんじゃないのか。しかも当初は嘘をついて、そうした事実の存在を否定していたわけです。そもそも北朝鮮ペース云々など嘘で実際は
【1】「即時一括全員帰国以外認めない(田中や金田の帰国など認めない)」という救う会や家族会から予想される批判
【2】(救う会や家族会に同調した場合に)「田中や金田を見殺しにするのか」という田中氏らのご家族や友人から予想される批判
の双方が怖くて「田中氏、金田氏の存在を隠蔽し続けた」ところ、有田芳生氏の著書『北朝鮮拉致問題』(2022年、集英社新書)などの指摘(これについては例えば『北朝鮮 拉致問題』出版記念会見 - 高世仁のジャーナルな日々(2022.6.21)参照)で逃げ切れなくなってやっと事実を認めた物の「北朝鮮のペース」云々と「別の嘘」で居直ってるだけでしょうよ。
この件について、『北朝鮮 拉致問題』出版記念会見 - 高世仁のジャーナルな日々などで金田さんらについて触れた高世は勿論
と言う記事がある荒木和博が果たして何というか?
それにしてもこれでは「死亡発表した政府認定拉致被害者の一部」について北朝鮮が「実は生きていた」と通知しても「一部では意味がない」として握りつぶす可能性があるわけで、よく家族会も安倍批判しないで容認できるもんです。
【9月19日追記】
なお、高世は安倍政権が拉致被害者の一時帰国を拒否 - 高世仁のジャーナルな日々で、荒木は
荒木和博 on Twitter: "令和4年9月19日月曜日「荒木和博のショートメッセージ」第888号。北朝鮮が存在を明らかにしているのに日本政府が受け取ろうとしない田中実さんと金田龍光さん。動かすには世論が必要です。https://t.co/Tb8n77VROM @YouTubeより" / Twitter*2
田中実さんと金田龍光さんのことについて(R4.9.19) - YouTube(7分7秒の動画)
でこの件について触れています。特にコメントはしません。
【追記終わり】
有本恵子さんら拉致容疑 「よど号グループ」20年目の沈黙 | 毎日新聞
俺的には以下の理由で「あまり興味のないどうでもいい話」です。
第一によど号グループが帰国しない限り仮に「八尾恵の指摘」のように「拉致実行犯」だとしても処罰できない。
八尾の言うように、北朝鮮政府の命令による犯行であるならば、「ブラジルでの代理処罰(例えばブラジル裁判所、長野の強殺で禁錮30年判決 代理処罰: 日本経済新聞(2015.9.26)参照)」のようなことも、この件では勿論期待できません。
第二に「彼らとは関係なく5人の拉致被害者が帰国したこと」でわかるように、彼らの動向と「拉致被害者帰国」と別に関係ない。
なお、彼らが毎日新聞の取材にノーコメントなのは「ある意味当然」でしょう。彼らの立場は「我々は無実」ですが、それは以前から主張してることなので「改めて主張する気にならない」でしょう。そのように無実主張したところで「袴田事件の袴田氏」などのようには毎日新聞が好意的に扱わないこと(むしろ非難するであろう事)もわかりきってるのでなおさらです。
福田氏、拉致の政府内対立を否定 「安倍氏反対しなかった」:東京新聞 TOKYO Web
福田康夫元首相は17日までの共同通信インタビューで、2002年10月に北朝鮮から一時帰国した蓮池薫さんら拉致被害者5人について、当時の小泉政権が日本永住を決定するまでの経緯を振り返った。福田氏は当時の官房長官。5人を北朝鮮に戻すべきかどうかを巡り、政府内で意見が対立していたとの見方を否定した。対北朝鮮強硬派と言われた安倍晋三官房副長官(後の首相)が、福田氏に被害者を北朝鮮に帰すことへの反対意見を伝えた事実もないと強調した。
真偽不明*3ですが、ノーコメントで紹介しておきます。
◆「拉致被害者」市川修一氏についてのお涙頂戴に呆れる
弟と交わした杯、最初で最後 「死亡」拉致被害者家族の20年|【西日本新聞me】
今でも、弟と最後に過ごした夏の夜を思い出す。
1978年7月末、鹿児島市に住んでいた弟は家業のスーパーを手伝いに帰省していた。作業を終え、父を交えて3人でビールを注ぎ合った。9歳も離れた弟。「3人で酒を飲めるようになったんだな」と感慨深かった。父も同じ思いだったのだろう、ずっとにこにこしていた。(弟が1978年に拉致され、北朝鮮が2002年に「死亡」発表し、帰国しないまま、その後、父親が病死したことで)これが3人で飲む最初で最後の酒になるとは思いもしなかった。
2週間後の8月12日、弟は交際相手の増元るみ子さん=同(24)=と共に、夕日を見に訪れた同県日置市の吹上浜で姿を消した。
「大人だから1日帰らないくらい大丈夫だろう」。
最初は心配していなかった。勤務先にも出てこないと聞き、2日後の14日に父と海岸へ向かった。残された弟の車とサンダルを目にし、その場にへたりこんだ。
鹿児島:「おかえり」その日まで 北が拉致認め20年:地域ニュース : 読売新聞オンライン
健一さんの周辺は大きく変わった。母・トミさんは2008年に、父・平さんは2014年に他界。拉致事件の直前にオープンし、修一さんも手伝った実家のスーパーはすでに閉店した。
店舗を取り壊す際、「弟が困らないように」と残したのが、庭のサクラだった。サクラは今夏、葉が付かず樹勢が衰えているように見えた。それでも、新しい枝が伸びており、来春には花を咲かせるはずだ。
「弟が帰ってきた時、目印になればと思ってね」
健一さんは自宅に残るサクラの古木の樹皮に触れながら、空を見上げた。
こんな手垢のついたお涙頂戴が拉致解決にどう関係するのかと心底呆れます。
鹿児島から北朝鮮に拉致されたのは…“特定失踪者”家族の思い|NHK 鹿児島県のニュース
拉致被害者、特定失踪者5人の川口市「担当設置を検討」 大使館への呼びかけ支援も 市長、議会で答弁
どちらの記事についても「国内で既に40人以上も発見され、ほぼ全て自発的失踪の特定失踪者のどこが拉致か」と心底呆れます。
鹿児島から北朝鮮に拉致されたのは…“特定失踪者”家族の思い|NHK 鹿児島県のニュース
両親は104歳と93歳になる年です。
吹き出しました。93歳はともかく104歳で生きてると本気で思ってるのか。失踪が「自発的失踪」であれ「犯罪被害(北朝鮮拉致ではないでしょうが)」であれ何であれ。
勿論
高齢で死去した著名人一覧 - Wikipedia参照
◆小野吉郎(1902~2006年、104歳90日)
郵政事務次官、NHK会長を歴任。
会長在任中の1976年8月、小野はロッキード事件で逮捕され、東京拘置所から保釈中だった田中元首相を目白の私邸に見舞う(小野の会長任命は田中政権時代)。NHKに抗議が殺到し受信料支払い拒否者が急増、日本放送労働組合(日放労)の批判もあり、小野は引責辞任。NHK会長が任期途中で辞任するのは初めて。
◆日野原重明(1911~2017年、105歳287日)
聖路加国際病院名誉院長。元・聖路加看護大学(現・聖路加国際大学)学長。著書『人間ドック』(1965年、中公新書)、『老いへの挑戦』(1989年、岩波ブックレット)、『いのちの器:医と老いと死をめぐって』(1994年、PHP文庫)、『いのちを創る』、『こころ上手に生きる』(以上、2002年、講談社+α文庫)、『人生百年私の工夫』(2004年、幻冬舎文庫)、『生きるのが楽しくなる15の習慣』(2005年、講談社+α文庫)、『日野原重明の生き方哲学』(2006年、PHP文庫)、『長さではない命の豊かさ』(2007年、朝日文庫)、『私が人生の旅で学んだこと』(2007年、集英社文庫)、『生きることの質』、『人生の四季に生きる』(以上、2008年、岩波現代文庫)、『未来への勇気ある挑戦:100歳になるための100の方法』(2009年、文春文庫)、『95歳・私の証 あるがまゝ行く』(2010年、朝日文庫)、『日野原重明の「わくわくフェイスブックのすすめ」』(2013年、小学館101新書)、『医学するこころ:オスラー博士の生涯』(2014年、岩波現代文庫)、『死をどう生きたか:私の心に残る人びと』(2015年、中公文庫)、『長寿の道しるべ』(2017年、中公文庫)、『今日すべきことを精一杯!』(2017年、ポプラ新書)など
◆片岡美智(1907~2012年、105歳298日)
京都外国語大学名誉教授(フランス文学)。著書『スタンダールの人間像』(1957年、白水社)、『シモーヌ・ヴェイユ』(1972年、講談社)
など一応いますが、例外的存在ですからね。
安倍氏自身、拉致問題への言及がない日朝平壌宣言の条文を初めて見せられたのは訪朝当日、平壌へと向かう政府専用機の中でのことだった。拉致問題に誰より詳しい安倍氏は、日朝国交正常化に前のめりな政府内で外されていたのである。この拉致問題軽視が、後に政府の迷走を生む。
産経が小泉訪朝は「安倍の手柄ではないこと」を事実上認めてることが滑稽です。
勿論、安倍が外されたのは「安倍が評価されてなかったから」でしょう。それがよく分かるのが「福田官房長官の後任が細田*4副長官だったこと」です。細田氏と同じ副長官だった安倍は後任になれなかった。
なお拉致問題への言及がない日朝平壌宣言というのは完全な嘘です。
日朝平壌宣言の
日朝平壌宣言
日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認した。
という文章の赤字部分が「拉致」を指すことは明白でしょう。確かに「拉致」とは表現されていませんし「曖昧な面があること*5」は否定できませんが。
日本の唯一の同盟国である米国も部外者扱いされた。小泉氏が来日中のアーミテージ国務副長官に日朝首脳会談開催を伝えたのは、会談まで3週間に迫った8月27日のことだった。同盟国にも秘密裏に、核開発を続ける北朝鮮と裏交渉を進めたのだから、米国の小泉政権への不信感は高まっていく。
米国の同意を得ない秘密外交の仕掛け人が、外務省の田中均アジア大洋州局長だった。
事前に知らせて同意を得ている以上、部外者扱いではないし、不信感などあるわけもない。3週間前の説明は十分「米国に対して誠実な態度」でしょう。いつ知らせれば産経的に「米国に対し誠実な態度」になるのか?
これに対し、日本にまるで事前相談がなかったのが「ニクソン訪中」です。訪中の連絡時期については「2時間前説(佐藤栄作首相日記による)」と「3分前説(牛場駐米大使による)」があるようですがどっちにしろ訪中発表当日に連絡とは「日本をバカにしてる」としか言い様がないでしょう。
参考
ニクソン大統領の中国訪問 - Wikipedia参照
当時西側で最も衝撃を受けたのは中国と国交のない日本であった。
ニクソン大統領はある理由から故意に日本への事前連絡をしなかったと言われる。当時ニクソンは日米繊維問題で「日本の繊維業界」への配慮から、「米国の要望」に対して全く動かない佐藤首相に怒っていたため、その意趣返しという説である。
国務省は訪中発表1日前に前駐日大使だったウラル・アレクシス・ジョンソン*6国務次官を日本に派遣しようとしたがニクソンは反対して、ジョンソン次官はワシントンに駐在している駐米大使の牛場信彦*7に訪中発表のわずか3分前に電話連絡で伝えたという(なお、佐藤首相はこの日の日記*8に「発表の2時間前に連絡があった」と記している。)。
ジョンソンは後に日米両国の信頼関係と国益を損なったとニクソンを批判している。
米国務省幹部は田中氏を「サスピシャス・ガイ(怪しいやつ)」と呼んでいた。
そんな幹部が実在するというなら、まずはその幹部の名前を挙げてみろと言いたい。少なくともアーミテージ(当時、国務副長官)がそんな立場ではないことは明白です。
安倍氏が田中氏の暴走を止めていなければ、日米間のきしみは隠しようがなくなっていた。
小泉首相ら政権幹部の同意を得てやったことを暴走呼ばわりとはいい度胸です。勿論訪朝前に同意を得ている以上きしみなどあるわけもない。
【主張】日朝首脳会談20年 拉致問題膠着を打開せよ 理不尽への怒り共有したい - 産経ニュース
タイトルからして読む気が失せます(本文もタイトルから予想されるとおりの内容ですが)。どこの世界に「日本人拉致は理不尽でない」「北朝鮮に怒りを感じない」と言う人間がいるのか?
北朝鮮相手に「理不尽だ」と怒れば問題が解決するのか?
問題は「小泉訪朝による5人帰国」のような「拉致被害者帰国を実現する日朝外交交渉」でしょうに。
*1:国連大使(ブッシュ子時代)、トランプ政権国家安全保障問題担当大統領補佐官などを歴任
*2:「動かすには世論」と言っても「小泉訪朝から20年経過で拉致が風化」「金田氏らを見殺しにした安倍への批判になるので家族会や救う会がこの問題に触れたがらない」ので世論は盛り上がらないでしょうね。このように言う荒木も「家族会や救う会」を批判する気はないようです。
*3:まあ安倍シンパ連中が「死人(安倍)に口なしで福田がデマ飛ばしてる」と悪口するであろう事は予想できますが。
*4:小泉内閣官房長官、自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)などを経て現在衆院議長
*5:赤字部分「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」については「拉致が入ること」は明白でしょうが「ミサイル発射や核実験」も入るのかどうかは曖昧です。「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」を非常に広く理解すれば入るでしょうが。俺は以前この文章を「拉致と書きたくない北朝鮮の面子に配慮した」と評価しましたが、今はそれだけでなく「核実験やミサイル発射」についても「入る」と読める曖昧な文章にしたという面ももしかしたら「あるのではないか」と思っています。
*6:マニラ総領事、横浜総領事、チェコスロバキア大使、タイ大使、駐日大使、国務次官など歴任。著書『ジョンソン米大使の日本回想:二・二六事件から沖縄返還・ニクソンショックまで』(1989年、草思社、ジョンソンの回顧録から日本関係部分のみを抄訳したもの)