今日のしんぶん赤旗ニュース(2022年10/17~21日分)

きょうの潮流 2022年10月21日(金)

 奇想天外なテレビドラマです。NHKの「一橋桐子の犯罪日記」。物騒な題名はともかく、笑いながら切なくもあり身につまされるのです
▼主人公は70歳の女性。気の合う友*1との共同生活が楽しくもあったのが、相手が急死して独りぼっちに。年金とパート収入だけの老後は心細い。ふとしたことから活路を見いだしたのが3食付きの刑務所暮らし。なんとかムショ入りしようと奮闘
▼ドラマの中の話と片付けられない切実感があります。現実の社会の合わせ鏡だから。国民年金は5万6千円ほど、厚生年金の平均はおよそ14万6千円。老後の不安を訴える人が8割を超える調査もあります
▼今月から75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担が2倍となりました。

 赤旗も書くようにこの「ブラック喜劇」が「馬鹿馬鹿しい」と一笑に付せないのも「経済弱者」にとっては本当に「刑務所の方がましかも」という状況だからです。実際に一部の人間は「寸借詐欺」「無銭飲食」など微罪での刑務所入りを狙うようですし。
 ちなみに刑務所については刑務所の食事というのは、糖尿病対策にいいらしい(禁酒禁煙間食不可労働きっちりだから、たしかに身体にはいいのだろう。ただしストレスは問題) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)も紹介しておきます。
 なお、このドラマの主役は松坂慶子。1952年7月生まれなので「ドラマの年齢(70歳)=実年齢」です。
 「人が年を取るのは当然」とはいえ、過去には

松坂慶子 - Wikipedia
◆坊つちやん(1977年、松竹)
 マドンナ
男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981年、松竹)
 芸者・浜田ふみ(寅さんが思いを寄せるマドンナ)

と言ったヒロイン役を演じた松坂慶子も今やそんな年齢になり、そんな役をやるのかと思うと何だかしみじみします。
 ちなみに新刊紹介:「前衛」2022年9月号(副題:藤子F『定年退食』の紹介、ほか) - bogus-simotukareのブログで紹介した映画「プラン75」もそんな感じのブラック喜劇のようです。こちらの主演は『下町の太陽』(1963年)、『男はつらいよ』(1969~1995年)、『家族』(1970年)、『故郷』(1972年)、『同胞』(1975年)、『幸福の黄色いハンカチ』(1977年)、『遙かなる山の呼び声』(1980年)、『隠し剣 鬼の爪』(2004年)、『母べえ』(2008年)、『小さいおうち』(2014年)といった山田洋次映画の常連である倍賞千恵子(1941年6月生まれの81歳、映画においては78歳の設定)です。


解散命令請求決断を/統一協会問題 小池氏が主張

 小池氏はこれまで宗教法人に対する解散命令はオウム真理教など2件だが質問権は行使されなかったと指摘

 つまり質問権を使わなくても請求自体はできると言うことです。請求根拠は過去の「統一協会」が被告となった民事訴訟での敗訴判決で十分ではないか?


京都・大山崎 党4氏 町議選全員当選/前川町長が再選/占有率33.33%維持
 「共産党が支援する町長*2」が再選されたことをひとまずは素直に喜びたい。
 これについては

京都・大山崎町のこと - ペンは剣よりも強く
 当選した町長は無所属ですが、過去には自民党所属だったことがある人です。この人を共産党が支持し、自民・立憲(前回のみ)・国民・公明が相乗りで推薦した候補(現職)を前回、今回と、2度にわたって破って当選しています
 こんなTweetを見ました。
ちだい(選挙ウォッチャー) on Twitter: "共産党が議席の3分の1を占める異常な議会となっている大山崎町は、共産党のせいで、町が発展してしまっています。多くの自治体で人口が減少している中、大山崎町は人口が増えており、ちょっとした明石市のようなことが起こっています。あと、学校給食が自校式で美味しいです。実にけしからんです。" / Twitter
 ちだいさんのTweetには、「学校給食が自校式で美味しいです」とありましたが、これは非常に重要だと思います。
 2000年代、全国的に各自治体が人件費の削減に執心した結果、学校の調理員を減らしたり、自校調理方式をとりやめて広域化したり、業者委託に切り替えたりしたために、学校給食のしくみが大きく改変され、全体的に給食の質が低下しました(それでもこだわりをもってがんばっているところはあります)。子どもたちにとって、学校で温かくておいしい昼ご飯がちゃんと食べられるというのは教育内容にもかかわる重要事です(子ども食堂を引き合いに出すまでもなく、一日三食、食べられない子どもたちが増え続けているのですから)。

を紹介しておきます。


NHK日曜討論 山添政策副委員長の発言

 軍事費倍増の財源について各党は「一過性ではないので、安定した形で税収を考える必要がある」(自民の小野寺氏*3)、「恒久的な財源を確保すべき」(公明党佐藤茂樹*4衆院議員)、「当面は国債でいいが、安定財源を考えるべきだ」(国民民主の前原氏*5)、「法人税を引き上げて経済成長がとまれば予算は減る。成長に資する税制を考えるべき」(維新の青柳氏)などと発言しました。

 「コロナ禍や『円安等を理由とした物価高→コスト増』等による企業倒産」「円安やウクライナ戦争による物価高」の中、生活弱者の生活支援ならまだしも、軍拡など公言する連中(自民、公明、維新、国民民主)には怒りを禁じ得ません。
 軍事利権でもあるのか。
 それにしても「憲法九条があってすらこれ」です。九条をなくせばどれほど軍拡に暴走するか、わかったものではない。

*1:一橋桐子 (76) の犯罪日記 - Wikipedia によれば由紀さおり(1948年11月生まれ、誕生日が来れば今年で74歳)が演じた。

*2:当初、勘違いから「党員町長」と書いていましたが修正しました。

*3:第二次、第四次安倍内閣防衛相等を経て、現在、自民党安全保障調査会長

*4:第二次安倍内閣で厚労副大臣

*5:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、民進党代表などを経て国民民主党代表代行