今日の中国ニュース(2022年10月18日分)(追記あり)

[深層NEWS]習近平氏演説は「とにかく個人的な正当性アピール」…国分良成氏 : 読売新聞オンライン

 国分氏*1は(中略)習氏の外交や経済はうまくいっていないとして、「実際は成果がない。10年間、権力闘争に忙しかった*2」と分析した。

 読売新聞の虚偽報道でなければ国分氏には「はあ?」ですね。習氏の党総書記(2012年)、国家主席(2013年)就任以降の一帯一路(2013年に習氏が提唱)やAIIB創設(2015年)、北京冬季五輪(2022年)や「いわゆる断交ドミノ(エルサルバドルガンビアキリバスサントメ・プリンシペソロモン諸島ドミニカ共和国ニカラグアパナマブルキナファソが台湾と断交し、中国と国交樹立)」は十分「外交や経済」の成果ではないのか?。
 あるいは拙記事新刊紹介:「経済」2022年11月号(追記あり) - bogus-simotukareのブログで紹介した『過渡期を迎えたTICAD』(佐々木優)は「日本主導のTICAD」が「中国のアフリカ支援」に押され気味であると評価していますが、その点も国分氏はどう評価するのか?。「日本のアフリカ支援の方が評価されてる」というのか。
 勿論「習氏の10年は全てバラ色(全肯定)」と言ったら嘘になりますが、「何の成果もない(全否定)」という国分氏も「逆方向の嘘」です。仮にも大学教授(それも中国研究者)がしていい発言ではない。


中国共産党幹部に女性はたった1人 憲法は男女平等だけど…習近平総書記の「男性優位」思想が影響?:東京新聞 TOKYO Web
 とはいえ「ジェンダーギャップ指数」では「中国102位、日本116位(「共同参画」2022年8月号 | 内閣府男女共同参画局参照)」で、日本の方が中国より低く「日本の方がもっと女性進出が遅れてる」と国際的には評価されてるわけです。
 それにしても

 中央委員での比率は、胡体制だった2007年の6.4%から、習体制の2017年は4.9%に減少している。

なんてことだけで「習近平総書記の「男性優位」思想が影響?」とは何が根拠なのか?。「習氏の演説」など「それなりの根拠」も出さずに、習氏に悪口雑言は辞めたらどうなのか。これだけでは「習氏は女性登用に不熱心だ」とは批判できるにしても「「男性優位」思想が影響?」なんて言える話ではない(というか女性登用では好成績と言っていい「日本共産党社民党」をろくに評価しないくせに良くも言ったもんです)。
 日本マスゴミは習氏に対して変な偏見がないか?
 そして

 1969年には毛沢東林彪*3の妻、江青*4と葉群が政治局員となるなど、最高指導者の妻が幹部となる時代もあった。

ねえ。
 「それ文革時代やろ?、東京新聞文革を評価するんか?(呆)」「男女平等つうより毛や林が妻を厚遇しただけやろ」「その理屈なら女性(金正恩国務委員長、朝鮮労働党総書記の実妹である金与正)が国務委員になった北朝鮮や、女性(娘イバンカ)を大統領補佐官にしたトランプも男女平等の観点から評価するんか?」つう話です。
 ちなみに「最高指導者の妻」で政権幹部と言えば「鄧穎超(周恩来首相の妻、全人代副委員長、中国人民政治協商会議主席など歴任、八大元老 - Wikipediaによれば八代元老と呼ばれた鄧小平*5ら八人の中国共産党の長老、レジェンドの一人)」がいます。
【追記】
 コメント欄で指摘がありますがキュー・ポナリー(ポルポト首相(カンボジア共産党書記長)の妻。カンボジア民主婦人連合会長、カンボジア共産党中央委員候補)、イエン・チリト(イエン・サリ副首相兼外相の妻。ポルポト政権で社会問題相)も女性政治家でしたね(苦笑)。
 「例は何でもいい」ですが、女性と言うだけで評価するなら「アルゼンチンのイサベル・ペロン(ペロン大統領の妻。ペロン生前に副大統領に、死後、大統領に就任:イサベル・ペロン - Wikipediaによれば世界初の女性大統領)」なんかも評価できるでしょう。


習氏側近多数、最高指導部入りか 党大会で忠誠アピール相次ぐ - 産経ニュース
中国最高指導部、4人交代か 習近平氏の側近中心に 香港紙報道 | 毎日新聞
中国指導部、大幅交代へ 習氏、自派拡大の動き:東京新聞 TOKYO Web
 実際に結果が出てからの話ですね。こうした噂が「『習氏に近い人物』の出世を既成事実化しようとする習氏側の工作」「(逆に)『習氏に近い人物』の出世を阻止したい『中国共産党内・アンチ習氏』側の工作」「とにかく習氏を批判したいアンチ中国が真偽不明でも中国批判(米国や台湾、あるいは民主活動家など)」か何かはともかく、現時点では噂に過ぎません。


韓国、真榊奉納に「深い失望」 中国は「断固反対」:時事ドットコム
 安倍派に媚びてるのか、日本会議に媚びてるのか、がちのウヨなのかはともかく岸田の「政教分離原則」「中韓への挑発行為」には呆れます。もはや「宏池会」の伝統(ハト派リベラル)から大幅に乖離してると言うべきでしょう。

*1:慶應義塾大学名誉教授。前防衛大学校長。著書『中国政治と民主化』(1992年、サイマル出版会)、『アジア時代の検証:中国の視点から』(1996年、朝日選書)、『中華人民共和国』(1999年、ちくま新書)、『現代中国の政治と官僚制』(2004年、慶應義塾大学出版会)、『中国政治からみた日中関係』(2017年、岩波現代全書)、『防衛大学校』(2022年、中央公論新社)など

*2:文革(1966~1976年)じゃあるまいしそんなことはない。まあ文革期ですら「中国の国連加盟(1971年)」「ニクソン訪中、日本や西ドイツとの国交樹立(1972年)」があり「少なくとも外交的成果」がありましたが。

*3:第一副首相、国防相、党中央委員会副主席、党中央軍事委員会第一副主席などを歴任。1971年9月、失脚しソ連に亡命しようとする途上でモンゴルで搭乗機が墜落・死亡(同乗していた林彪の妻・葉群、息子・林立果も死亡)。文革終了後、「林彪江青反革命集団の頭目」として党から除名

*4:文革終了後の1981年に死刑(2年間の執行猶予付き)判決。1983年には無期懲役減刑。1991年5月14日に、癌の療養のため病気治療仮釈放中に北京で首吊り自殺

*5:財政相、党副主席、第一副首相、人民解放軍総参謀長、中国人民政治協商会議主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席など歴任