リベラル21の「異常な反中国」に呆れる(2022年11月1日分)

リベラル21 「独裁者」へと走る三代目(田畑光永
 何が三代目というと「絶対的な権力者(初代が毛沢東、二代目が鄧小平)」としての三代目だそうです。つまりは「江沢民胡錦濤の元国家主席(元総書記)」を田畑は「絶対的な権力者」とは評価しないと言うことです。
 「革命第一世代のレジェンド毛や鄧(仮に役職がなくてもある種の権威がある)」と「習氏(そこまでの権威はない)」を同一視はとてもできないと思いますが、それはさておき。

 私は現在の状況では、台湾海峡が火を噴く可能性はほとんどないと考えている。なぜなら現在の両岸関係は双方の住民の往来にも商取引その他の交流にもなんの支障もない。両岸の住民どうしが争う理由はなにもないからである。だからこれまで「危機」は何度かあっても、それが実際に火を噴くことはなかった。
 ところが、このまま行くと、習近平政権はこれまでのどの政権*1よりも国民の信の乏しい政権*2になりそうである。そこで自ら「民族分裂の危機」をあおり*3、威信回復のために武力を持ち出す*4危険がある。

 どれほど習氏を野蛮人扱いしてるのかと心底呆れます。
 「台湾が独立宣言しない限り侵攻しない」という公約を破ればロシアに対して行われたのと同様の「国連総会非難決議」「欧米主導の経済制裁」は不可避でしょう。
 また「米国の軍事支援(米国製武器の提供等)を受けたウクライナ軍」にロシア軍が苦戦してるのを見れば、「ウクライナ同様に米国の軍事支援(米国製武器の提供等)を受ける台湾軍」に中国軍が苦戦するかもしれない、などということは容易に想像がつきます。
 にもかかわらず「侵攻」を強行するほど習氏もバカではないでしょう。侵攻する気ならそもそも「断交ドミノ」なんかしない。
 そもそも習氏は「共同富裕(格差是正)」をスローガンに掲げている。格差是正をするためには「都会に比べて貧困な田舎」の所得を引き上げなければならない。
 にもかかわらず「台湾軍事侵攻→欧米主導の経済制裁」では「田舎の所得引き上げ」が阻害されます。
 むしろ危惧されるのは田畑の見立てとは逆に「蔡英文が独立宣言を強行→中国が面子に賭けて軍事侵攻」でしょう。
 「中国が『独立宣言すれば武力行使も辞さない』としている以上、独立宣言はリスキーすぎる、現状でも事実上独立しているとして台湾において現状維持派が主流であること」を考えれば独立宣言の可能性は「低い」と考えられては来ましたが、『ペロシ訪台強行』など昨今の蔡英文のやり口を見ると「独立宣言に暴走する可能性」が否定できないのではないかと危惧せざるを得ません。
 そしてその場合、中国としても「面子の問題」から侵攻せざるを得ないでしょう(勿論、その場合でもいきなり侵攻ではなく「報復としての経済制裁」「軍事侵攻はフカシではないとアピールするための軍事動員」をした上で、期限を区切って、「宣言撤回」を求め撤回しないときに初めて侵攻でしょうが。いきなり侵攻では強い国際的批判が危惧されるし、「警告」をすることで「宣言撤回」することがある程度期待できるからです)。
 それにしても田畑らリベラル21の「反中国分子(そして台湾ロビー?)」が「蔡英文の独立宣言の可能性」を完全に無視してることには心底呆れます。
 こんな連中のどこが「リベラル」なのか。自民党の台湾ロビー(故・岸信介、岸の側近だった椎名悦三郎*5など)と全く見分けがつかないと言って過言ではないでしょう(そういうと「岸などと一緒にするな」と怒り出すのでしょうが)。
 なお、以上は田畑記事に投稿しますがどうせ掲載拒否でしょう。「褒めるコメントだけ掲載」「批判コメントは掲載拒否」でよくもまあリベラルが自称できたもんです。リベラル21の嘘つきぶり、詐欺師ぶり、三百代言ぶりには心底呆れます。

*1:さすがに文革時の毛沢東は除いて「鄧小平(総書記は趙紫陽等だったが実権は鄧が掌握)」「江沢民」「胡錦濤」でしょうが。

*2:と決めつける根拠は何なのか。「習氏が党政治局常務委員を側近で固めた」なんてことはその理由にはなりません。基本的に「好景気」「社会福祉の充実」など「善政」をしけば、「高度成長時代の池田、佐藤内閣が長期政権だった」ように、国民大多数は習氏を支持するでしょう。

*3:馬英九総統時代に習氏が台湾と「一定の友好関係を構築したこと」を考えれば「台湾がそれなりに親中国」であれば習氏はそんな無茶はしないでしょう。「ペロシ訪台強行」など、蔡英文総統が中国に敵対的だからこそ、習氏が対抗措置を執ってるという面が明らかにあります。

*4:過去の中国政権も、戦争など「台湾侵攻(うまく行かず結局断念)」「朝鮮戦争(主役は北朝鮮ソ連も関与したので、中国は主役とは言えない)」「インドやソ連との国境紛争(国境紛争なので局地戦に留まる)」「中越戦争文革直後のポルポトカンボジア支援というかなり特殊な戦争)」ぐらいしかないでしょうに全く何を言ってるのか。「威信回復」のためにやったフォークランド紛争でアルゼンチン軍事政権がかえって「敗戦→国民の非難で崩壊」したように「戦争で威信回復」は「敗戦→かえって政治的打撃」の危険性を考えればかなりリスキーです。俺はそこまで習氏が愚劣だとは思っていません。良く言えば賢明、悪く言えば狡猾なのが習氏でしょう。

*5:戦前、岸商工次官の下で商工省総務局長、岸商工相(東条内閣)の下で商工次官。戦後、岸内閣官房長官自民党政調会長(池田総裁時代)、池田内閣通産相、外相、佐藤内閣外相、通産相自民党副総裁(田中、三木総裁時代)など歴任。戦前、戦後と「岸とズブズブの椎名」だったため、三木を総裁指名した椎名裁定も親分・岸の意向であり、1)大平(田中の支援を受けていた)と福田(岸の子分)が総裁選をした場合、福田が負ける可能性が高いため時間稼ぎする、2)弱小派閥の三木ならいつでも引きずり下ろせる、3)(1、2と言う意味では総裁指名は中曽根でもいいのだが)中曽根だと「ダーティー(金権腐敗)」「右翼」のイメージが強く、社会党を利する恐れがあるため「ハト派」「クリーン」イメージの三木を担ぐ「極めて謀略的な物だった」というのが通説のようです。